労災コラム

骨折

肘の骨折

2020.08.08

①上腕骨遠位端骨折

(1)概要

上腕骨遠位部は上腕と前腕(尺骨・橈骨)をつなぎ、肘関節を作る部位です。

骨折部位により、関節包の外側が骨折し関節の中は無傷なもの(上腕骨顆上骨折) 関節面に骨折が及ぶもの上腕骨顆間骨折)、 関節内の横骨折(上腕骨通顆骨折)に分類されます。 

(2)症状

骨折部位の疼痛(痛み)、腫脹(腫れ)、肘関節の可動域制限、変形癒合、偽関節

(3)認定されうる後遺障害等級

後遺障害等級第7級9号 1上肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの
後遺障害等級第8級8号 1上肢に偽関節を残すもの
後遺障害等級第10級9号 1上肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの
後遺障害等級第12級6号 1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの
後遺障害等級第12級8号 長管骨に変形を残すもの

②肘頭骨折

(1)概要

肘頭骨は尺骨(前腕の小指側の骨)の肘の先端部分で、この部位を骨折した状態です。

(2)症状

骨折部位の疼痛、腫脹、肘関節の動域制限、 変形癒合

(3)認定されうる後遺障害等級

後遺障害等級第7級9号 1上肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの
後遺障害等級第8級8号 1上肢に偽関節を残すもの
後遺障害等級第10級9号 1上肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの
後遺障害等級第12級6号 1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの
後遺障害等級第12級8号 長管骨に変形を残すもの

この記事の監修者弁護士

小杉 晴洋 弁護士
小杉 晴洋

被害者側の損害賠償請求分野に特化。
死亡事故(刑事裁判の被害者参加含む。)や後遺障害等級の獲得を得意とする。
交通事故・学校事故・労災・介護事故などの損害賠償請求解決件数約1500件。

経歴
弁護士法人小杉法律事務所代表弁護士。
横浜市出身。明治大学法学部卒。中央大学法科大学院法務博士修了。

所属
横浜弁護士会(現「神奈川県弁護士会」)損害賠償研究会、福岡県弁護士会交通事故被害者サポート委員会に所属後、第一東京弁護士会に登録換え。