# 【労災被害専門の弁護士による無料相談】弁護士法人小杉法律事務所 > 弁護士法人小杉法律事務所は労災被害専門の弁護士事務所です。労災を専門的に扱い、弁護士資格のみならず社労士資格を有するプロが対応します。労基署への休業給付や後遺障害の申請、会社に対する損害賠償請求が強いです。無料相談|全国対応|着手金無料 --- ## 固定ページ - [労災の弁護士費用](https://workers-accident.jp/fee): 労災事故の弁護士費用は、初回相談料無料・着手金や報酬金もご負担0円となっています。弁護士法人小杉法律事務事務所では、ご依頼者の方から初回相談料・着手金・報酬金などでお金を直接受け取ったり、振り込みを依頼することは原則としてございません。また、弁護士費用特約の利用も可能です。お気軽にお問い合わせください。 - [【労災事故で請求できる損害賠償と金額の相場】](https://workers-accident.jp/damage): 慰謝料、逸失利益など、労災事故被害者が請求できる損害賠償の内容・範囲・金額の相場などについて、損害賠償請求の費目ごとに解説しています。労災事故の損害賠償金額相場は、専門の弁護士によって変わります。【労災事故被害専門の弁護士法人小杉法律事務所】 - [弁護士紹介](https://workers-accident.jp/lawyer): 労災に強い弁護士・労災のプロフェッショナルとして活躍する木村治枝の紹介ページです。大学・大学院時代から労働問題を中心に研究を続け、企業側の弁護士として6年間活動した後に、社会保険労務士資格も取得して、労災被害者側専門の弁護士として活躍しています。 - [労災事故の賠償金・障害等級の相場がいくらかわかる「無料査定」](https://workers-accident.jp/assess): 労災事故の賠償金相場がいくらか・障害等級が何級か知りたい方へ、被害者専門弁護士による適正な賠償金・障害等級の無料査定サービスのご案内です。賠償金無料査定サービス・障害等級無料査定サービスそれぞれについて解説しています。 - [労災事故の発生から解決までの流れ](https://workers-accident.jp/flow): 労災事故の発生から解決までの流れを解説しています。適正な慰謝料・賠償額を得るために、早めの行動・相談がポイントとなります。 - 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[労災事故の社労士/弁護士による無料相談|弁護士兼社会保険労務士木村治枝](https://workers-accident.jp/posts/3350): 労災事故の解決には社労士に依頼するのが良いのか、弁護士に依頼するのが良いのかについて、弁護士法人小杉法律事務所の木村が解説をしています。 - [関連機関・ご紹介いただいた企業様一覧](https://workers-accident.jp/posts/2303): 関連機関や、弊所をご紹介いただきました企... - [労災遺族年金はいつまでもらえる?弁護士が解説!](https://workers-accident.jp/posts/2261): 被災者が亡くなった時にそのご遺族が受け取ることができる労災遺族年金。ただしその受給には様々な条件があります。誰が?いつまでもらえる?社労士兼弁護士が在籍する事務所の弁護士が、ポイントを解説します。 - [裁判ではない紛争解決|【労働審判】のメリットとは?(弁護士解説)](https://workers-accident.jp/posts/127): 労働問題に関する紛争の解決では、裁判ではなく労働審判と呼ばれる制度が利用されることがあります。労働審判にはメリットが沢山ありますが、利用時に注意が必要なことも。社労士の資格も有する労災被害者専門弁護士が、労働審判について解説します。 - [脊髄損傷|治療・リハビリの結果後遺症が残った…後遺障害や損害賠償請求について労災被害者専門弁護士が解説!](https://workers-accident.jp/posts/1521): 労災事故で脊髄損傷を負った場合、体に麻痺... - [腿の靭帯損傷(筋・腱損傷)](https://workers-accident.jp/posts/107): ①大腿四頭筋損傷 (1)概要 大腿四頭筋... - [控訴とは](https://workers-accident.jp/posts/128): 1 控訴とは 控訴とは、第一審の終局判決... - [頭の骨折](https://workers-accident.jp/posts/80): ①頭蓋骨線状骨折 (1)概要 頭蓋骨に線... - [顔の骨折](https://workers-accident.jp/posts/81): ①頬骨体部骨折 (1)概要 頬骨を形成す... - 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[労災の後遺症申請と損害賠償請求の流れはどうなる?母子末端骨開放骨折による足指の可動域制限で障害等級12級の11を獲得し、合計1200万円以上を獲得して示談解決した事例を基に解説](https://workers-accident.jp/results/3356): 母子末端骨開放骨折による足指の可動域制限で障害等級12級の11を獲得し、合計1200万円以上を獲得して示談解決した事例のご紹介です。 - [【高次脳機能障害】事故か病気か不明のくも膜下出血で高次脳機能障害となった事案で、業務起因性を立証して労災認定!障害等級1級の2の認定を受け、保険金950万円と障害補償年金を獲得した事例](https://workers-accident.jp/results/3358): 原因不明の転落事故で、前交通動脈瘤破裂によるくも膜下出血、水頭症、高次脳機能障害の診断を受け、障害等級1級の2を獲得した事例です。 - [労災の死亡事故の慰謝料金額は?1億円超の解決事例を基に専門弁護士解説](https://workers-accident.jp/results/547): 労災(労働災害)の死亡事故での慰謝料金額の相場について、合計1億2000万円の損害賠償金額を獲得した解決事例をもとに、ご遺族の方に分かりやすく解説します。 - [業務中の事故に伴う左足末梢神経損傷について障害診断書の訂正を行い後遺障害等級準用8級の認定を獲得し、賃金センサスを用いた逸失利益の主張をすることにより、示談に限り過失相殺なしで約6000万円の解決をした事例](https://workers-accident.jp/results/1542): 今回紹介するのは労働災害(労災)により末梢神経損傷の怪我を負ったBさんの事例です。依頼を受けた弁護士木村治枝は、労災被害者専門弁護士ならではの働きにより、約6000万円での示談解決を行いました。この事例のポイントについて解説します。 - [医師面談の実施により後遺障害診断書を書き換えてもらいCRPS最高等級の後遺障害等級7級を獲得した事例](https://workers-accident.jp/results/551): 医師面談の実施により後遺障害診断書を書き換えてもらいCRPS最高等級の後遺障害等級7級を獲得した解決事例です。 - [【大腿骨頸部骨折】後遺障害診断書の修正で8級獲得!弁護士法人小杉法律事務所](https://workers-accident.jp/results/252): 通勤災害によって大腿骨頸部骨折の重傷を負ってしまったAさん。手術により人工骨頭を入れることになりました。股関節が動きづらいという後遺症も残ってしまいますが、後遺障害診断書にそのことが書かれていません。果たしてこれで後遺障害等級が認定されるのでしょうか? - [【通勤災害】距骨開放性脱臼骨折および胸骨圧迫骨折のケースで、2000万円以上の賠償金を獲得した事例](https://workers-accident.jp/results/553): 通勤災害における骨折事例の解決事故です。... - [既にある後遺障害診断書の修正と新たな後遺障害診断書の作成で14級から併合11級に変更させた事例](https://workers-accident.jp/results/554): 通勤災害にてあらかじめ後遺障害等級14級... - [リスフラン関節開放性脱臼骨折のケースで併合11級を獲得した事例](https://workers-accident.jp/results/555): アルバイトの帰り道に自動車にはねられてしまったという10代女性の通勤災害に関する解決事例です。本来後遺障害等級12級と認定されるところを、弁護士名義の意見書にて併合11級の認定を受けました。また、裁判基準を超える慰謝料額や1,000万円を超える逸失利益を獲得しています。 - [【通勤災害解決事例】脛骨高原骨折で障害等級12級を獲得した事例](https://workers-accident.jp/results/557): 【通勤災害解決事例】脛骨高原骨折で障害等... - [【通勤災害解決事例】膝関節の動揺性を立証し、障害等級準用12級を獲得した事例(内側側副靭帯損傷・前十字靭帯損傷)](https://workers-accident.jp/results/558): 【通勤災害解決事例】膝関節の動揺性を立証... - [【業務中災害解決事例】現場作業中に足を踏まれてしまったケースにおいて、示談交渉で会社の責任を認めさせ、500万円で会社と示談解決した事例](https://workers-accident.jp/results/559): 【業務中災害解決事例】現場作業中に足を踏... - [過失に争いある業務中の労災につき、弁護士介入で慰謝料満額の示談!](https://workers-accident.jp/results/569): アルバイトに従事していたRさんは、業務中の労災で、腰椎圧迫骨折の怪我を負ってしまいます。依頼を受けた弁護士は一体どのような方法で、過失に争いがある中で、慰謝料満額解決に成功したのでしょうか?実際に解決した弁護士がポイントを解説します。 - [【通勤災害解決事例】弁護士の指摘により診断書を修正したり新たに作成するなどして障害等級併合10級を獲得した事例](https://workers-accident.jp/results/561): 【歯牙障害・骨盤変形等】弁護士の指摘によ... - [【業務災害・死亡事故】現場に向かう途中に死亡事故に遭ったケースで、実年収以上の逸失利益を認めさせた事例](https://workers-accident.jp/results/549): 作業現場に向かう途中で事故に巻き込まれ、... - [【業務災害・労災死亡事故】民事裁判にて過失割合を逆転させ勝訴判決を獲得した事例](https://workers-accident.jp/results/550): 新聞配達中に起きた死亡事故の解決事例です。加害者サイドからは1円も支払わないと言われていましたが、現地調査や科捜研との連携によって、裁判にて過失割合を逆転させて勝訴しました。死亡事故は被害者本人が供述できませんので、専門の弁護士による客観的証拠の収集作業が重要となってきます。 - [「労災の利用」と「労災との敵対」により解決した事例|弁護士小杉晴洋](https://workers-accident.jp/results/552): 通勤災害にて顔に傷を負ってしまったGさん... - [【業務中災害解決事例】労災事故からしばらくして脳梗塞の発症をしたケースで、医師の意見書を取り付け高次脳機能障害1級を獲得した事例](https://workers-accident.jp/results/560): 【高次脳機能障害】労災事故からしばらくし... - [【通勤災害】労災保険利用のメリット2つを専門弁護士が解説!](https://workers-accident.jp/results/534): 通勤途中の交通事故で大怪我をしたBさんに、弁護士は労災保険の利用を提案します。最終的にBさんは、労災保険の利用で300万円以上示談金を多く受け取れました。なぜでしょう?労災保険利用のメリットを、労災被害者専門弁護士が解説します。 --- # # Detailed Content ## 固定ページ --- ## 投稿 > 労災保険における休業補償給付の金額は「給付基礎日額」によって決まります。では、具体的にはどのように決定され、どのような具体的影響が出るのでしょうか?社労士の資格も有する労災被害者専門弁護士が具体例を挙げながら給付基礎日額について解説します。 - Published: 2026-01-23 - Modified: 2026-01-23 - URL: https://workers-accident.jp/posts/126 - カテゴリー: 障害(補償)給付, 休業(補償)給付, 労災保険別 - タグ: 休業(補償)給付, 傷病(補償)年金, 労災保険給付, 用語説明, 給付基礎日額, 遺族(補償)年金, 障害(補償)給付 給付基礎日額とは、文字のとおり、 労災保険の「給付」の「基礎」となる「日額」です。 労災保険の給付には、お仕事をお休みした場合の給与補償である休業(補償)給付や、 後遺障害が残り将来得られるはずだった給与を得られなくなった分の補償である障害(補償)給付など、 労災事故に遭い、本来得られていた給与が得られなくなったことへの補償のための給付があります。 これらの給付は、本来得られていたはずの給与の補償のための給付なわけですから、 「労災事故に遭わずに普通に働けていた場合にどれくらいの給与が得られていたかを計算」し、それをもとに給付されることになります。 この、「労災事故に遭わずに普通に働けていた場合にどれくらいの給与が得られていたかを計算」するための基礎となるのが、給付基礎日額というわけです。 以下では、弁護士&社会保険労務士の木村治枝の解説に基づき、実際に事例別に給付基礎日額がどのように決定されるのかを見ていきます。 弁護士法人小杉法律事務所では、弁護士兼社労士の木村治枝による労災被害無料相談を実施しております。 労災被害で法律相談をご希望の方は\無料相談の流れ/のページをご覧ください。 事例1:Aさん(正社員 月収50万円)の場合 そもそも、労災事故に遭わずに普通に働けていた場合は起こり得なかった想定の話をしているわけですから、どれくらいの給与が得られていたかは厳密に言えば分かりません。 ですが、労災保険給付の対象者は労働者です。特に正社員の方は、日本の場合基本的には定額で給料をもらっていることが多いですので、一定の予測を立てることはできます。 労働者災害補償保険法及び労働基準法には次のような規定があります。 労働者災害補償保険法第8条「給付基礎日額は、労働基準法第十二条の平均賃金に相当する額とする。」 労働基準法第12条「この法律で平均賃金とは、これを算定すべき事由の発生した日以前三箇月間にその労働者に対し支払われた賃金の総額を、その期間の総日数で除した金額をいう。」 「これを算定すべき事由の発生した日」とは、原則としては労災事故が発生した日、又は(疾病の場合は)医師の診断で疾病にかかったことが確定した日になります。 ただし、「賃金締切日がある場合においては、直前の賃金締切日から起算する」(労働基準法第12条第2項)ことになります。 8月に労災事故が発生したとすると、これを算定すべき事由の発生した日以前の三箇月間とは、5月・6月・7月ということになりますね。 Aさんは毎月定額で50万円の給料を貰っていますから、労災事故前3か月間で支払われた給与の合計は、50万円×3=150万円です。 これを、その期間の総日数で除すことで、給付基礎日額は算定できます。 5月は31日、6月は30日、7月は31日ですから、総日数は92日です。 150万円÷92日≒1万6304円 Aさんの給付基礎日額は1万6304円となります。 事例2:Bさん(アルバイト・パート 時給1000円 1日8時間勤務 週3日)の場合 アルバイト・パートの方にも労災保険による給付は支給されます。 BさんもAさんと同様の方法で、給付基礎日額を算定してみましょう。 時給1000円×8時間=8000円ですから、日額は8000円です。 週3日勤務ということは、1か月(4週間)で、12日勤務するわけですから、 8000円×12日で、月額96000円ということになりますね。 Aさんと同じく8月に労災事故が発生したとすると、事故前3か月間の総日数は92日ですから、 Bさんの給付基礎日額は、(月額9万6000円×3か月=)28万8000円÷92日≒3130円ということになりそうです。 ですが、この計算方法は、実態に則したものと言えるでしょうか? Bさんは事故前3か月間で12日×3=36日分しか働いておらず、36日分の給与しか受け取っていないにもかかわらず、92日間働いたものとして計算されてしまっており、 実際貰っている給料よりかなり少なくなってしまっています。 このような事例でも実態に則した給付基礎日額を算定するために、労働基準法第12条には但し書きがあります。 労働基準法第12条「この法律で平均賃金とは、これを算定すべき事由の発生した日以前三箇月間にその労働者に対し支払われた賃金の総額を、その期間の総日数で除した金額をいう。ただし、その金額は、次の各号の一によつて計算した金額を下つてはならない。 一 賃金が、労働した日若しくは時間によつて算定され、又は出来高払制その他の請負制によつて定められた場合においては、賃金の総額をその期間中に労働した日数で除した金額の百分の六十」 Bさんの事例でこの但し書きについてみてみましょう。 「賃金の総額をその期間中に労働した日数で除した金額」は、月額96000円を12日で割った8000円ということになります。 この8000円の百分の六十(60%)とは、8000×60%=4800円です。 その金額(これを算定すべき事由の発生した日以前三箇月間にその労働者に対し支払われた賃金の総額を、その期間の総日数で除した金額)は、 賃金の総額をその期間中に労働した日数で除した金額の百分の六十を下ってはならないわけです。 しかし、Bさんの事例では、その金額は、3130円になってしまっていて、4800円を下ってしまっています。 このような場合には但し書きが適用され、4800円を給付基礎日額とします。 事例3:Cさん(日雇い労働 日給1万円)の場合 労災保険給付というのは、雇用形態や労働時間に関係なくなされるものですので、 1日だけの日雇い労働者であっても、仕事中または通勤中に事故に遭えば、労災保険の適用対象となります。 では、日雇い労働のCさんについては、具体的にどのように給付基礎日額を算定することになるでしょうか。 日雇い労働の給付基礎日額については、正社員、パート・アルバイトとは異なった計算方法を用いることになっていますので、それぞれの計算方法を見て... --- > 労災事故の解決には社労士に依頼するのが良いのか、弁護士に依頼するのが良いのかについて、弁護士法人小杉法律事務所の木村が解説をしています。 - Published: 2025-11-08 - Modified: 2025-11-08 - URL: https://workers-accident.jp/posts/3350 - カテゴリー: その他分類 弁護士法人小杉法律事務所では弁護士の木村治枝が社会保険労務士(社労士)の資格も有していて、弁護士のみならず社労士としての立場からも無料相談を実施しています。 以下では、弁護士と社労士との違いや、無料相談の実施について説明していきます。 労災事故における社労士と弁護士の違い 社労士に依頼する利点は、最初の労災申請から関与することができるという点です 労働基準監督署長による処分が出た後は、弁護士が審査請求(不服申立て)を代理することができますが、弁護士には最初の労災申請を行う権限がありません。 自賠責の当初認定に比べ労働基準監督署の当初処分は甘い 後遺障害等級の例でいうと、交通事故の場合は自賠責保険(損害保険料率算出機構)が審査をし、 労災事故の場合は労働基準監督署が最初の審査をしますが、両者の傾向を見る限り、後者(労働基準監督署)の判断の方が被害者側にとって有利な傾向が見られます。 通勤途中の交通事故で後遺障害を残してしまったという事例だと、自賠責にも労働基準監督署にも後遺障害等級の申請ができるということになりますが、 両者で等級判断に違いが出るケースというのが少なくなく、多くのケースでは労働基準監督署の処分内容の方が高い後遺障害等級が付けられています。 これは、自賠責が画像所見を重視した書面審査であるのに対し、労災では被害者(被災者)との直接面談が行われますので、 面接官が詐病ではないとの印象を持った場合に、被害者の訴える症状をそのまま後遺障害等級認定に反映してくれることがあるためであると考えられます。 労働局の審査請求(不服申立て)に対する判断は甘くない 最初の判断が出た後、その判断に不服があるケースでは、自賠責の場合異議申立てや紛争処理申請を行うことができ、労災の場合審査請求を行うことができます。 ここでも労災の後遺障害等級の方が甘いかといわれると、そのような傾向は見られません。 むしろ、自賠責の異議申立てや紛争処理申請の方が結論が変わりやすく、労働局への審査請求の方が結論が変わりづらいようにも思われます。 これは当初判断が自賠責の方が厳しく、労働基準監督署の方が緩いので、不服申立ての生じやすさという点もあると思われます。 労災事故では当初の認定が重要で、これは社労士にしか対応できない 以上みてきたとおり、労災事故では最初の認定の際に、適切な結論が得やすいという特徴があります。 従いまして、最初の認定時が勝負のポイントです。 そして、ここは弁護士には申請できない分野で、社労士にしか申請が許されていません。 最初の認定から労災申請に関与できるという点では、弁護士よりも社労士の方が優れているといえるでしょう。 弁護士に依頼する利点は、会社との示談交渉や裁判をすることができるという点です 労災事故では、会社に安全配慮義務違反が問われるケースというのがあります。 労災申請により、治療費(療養給付)は全額支給され、仕事を休んでもらえなくなったお給料(休業給付・障害給付)は支給されますが、 休業給付や障害給付は給料全額支給ではありませんし、また、痛い思いをした精神的苦痛などの慰謝料は1円も支払われません。 この点について、会社に安全配慮義務違反を問い、休業損害・逸失利益・傷害慰謝料(入通院慰謝料)・後遺障害慰謝料などを請求できるのが弁護士です。 会社というのは自身に責任があったことを認めたがらないため、この安全配慮義務違反を従業員被害者(被災者)が自ら立証するのは至難の業です。 また、逸失利益の構成など、損害賠償請求の構成も、裁判例等に照らした緻密な計算や裏付けが必要となります。 したがって、会社への責任追及を行う場合には、労災被害者側の専門的な弁護士に依頼して、その解決を図るべきです。 なお、社労士も労災問題には長けていますが、安全配慮義務や損害論については専門外で(社労士試験でも対象外です。)、 こうした分野について、企業との交渉や裁判を行おうと思ってもすることができません(弁護士法違反となり犯罪になります。)。 示談交渉や裁判をすることによって、会社に慰謝料請求などの責任追及ができるという点では、社労士よりも弁護士の方が優れているでしょう。 社労士資格と弁護士資格の両方を有する労災事故の専門家|木村治枝 以上みてきたとおり、労災事故においては、社労士にしか活躍できない場面/弁護士にしか活躍できない場面のそれぞれがありますので、どちらかが優れているということはありません。 要約すると、労災事故の前半戦は社労士の得意分野、労災事故の後半戦は弁護士の得意分野とまとめることができます。 弁護士木村治枝は、こうした状況に鑑み、労災のトッププロであるためには、弁護士資格のみでは足りないと考え、社労士資格も保有しています。 これにより、当初の申請段階では社労士としての活動を行い、適切な後遺障害等級の認定を受けて障害給付を得るなどを目指し、 その後は弁護士としての活動に切り替え、審査請求や会社との示談交渉、損害賠償請求訴訟や取消訴訟を行っています。 労災事故の社労士兼弁護士による無料相談 弁護士法人小杉法律事務所では、消費者庁の進める消費者志向経営推進事業に賛同しています。 具体的には、労災事故被害者(被災者)の方の声を多く聞き、その声を反映した事件処理や事業展開を目指しています。 そのための施策の一つとして、社労士兼弁護士の木村治枝による労災事故の無料相談を実施しています。 令和7年11月現在においては、社労士兼弁護士として活動している者が木村1名であり、 他方で、お問い合わせの件数を多くいただいているため、対応できないケースもございますが、 なるべく多くの労災事故被害者の方の声を聴き、法的なアドバイスを行うことに努め、 また、ご依頼を受けた際には、依頼者様の声を反映した適切な解決に努めたいと考えています。 お気軽にお問い合わせください。 この記事を読まれている方は下記の記事も読んでいます。 ・労災事故のご相談の流れのペー... --- - Published: 2025-10-21 - Modified: 2026-08-03 - URL: https://workers-accident.jp/posts/2303 - カテゴリー: その他分類 関連機関や、弊所をご紹介いただきました企業様の一覧(順不同)でございます。 弁護士法人小杉法律事務所は、労災被害者の方の損害賠償請求を専門として、 被害者の方お一人お一人にご安心と紛争解決をご提供できるよう日々尽力しております。 今後もこのようなご紹介がいただけるよう精進してまいります。 代表弁護士 小杉晴洋 関連機関等 日本弁護士連合会(日弁連) 日本弁護士連合会(日弁連)は、日本全国すべての弁護士が所属している組織です。 弁護士の品位を保持し、弁護士の事務の改善進歩を図るため、弁護士等の指導、連絡および監督に関する事務を行っています。 具体的には、弁護士の登録審査や懲戒処分、弁護士が順守すべき会則の制定などに加え、人権擁護に関する活動や、法改正に関する調査研究・意見提出等の取り組みも行っています。 裁判所 裁判所のウェブサイトでは、全国の裁判所に関わる情報が発信されている他、各地の裁判所のウェブサイトへのリンクが掲載されています。 また、裁判手続きに関する説明や、申立書の書式等もこちらから確認できます。 厚生労働省 厚生労働省のウェブサイトには、労災補償に関する制度や手続きの案内、申請書類の書式などが掲載されています。 関連サービス 弁護士ドットコム 弁護士ドットコムは、法律トラブルにお悩みの方に向けて、みんなの法律相談や弁護士検索などのサービスを提供しているサイトです。 弊所の弁護士についてもご掲載いただいております。 小杉 晴洋弁護士(弁護士法人小杉法律事務所) - 神奈川県横浜市 - 弁護士ドットコム 木村 治枝弁護士(弁護士法人小杉法律事務所大阪オフィス) - 大阪府大阪市 - 弁護士ドットコム 大澤 健人弁護士(弁護士法人小杉法律事務所横浜オフィス) - 神奈川県横浜市 - 弁護士ドットコム 前田 和基弁護士(弁護士法人小杉法律事務所福岡オフィス) - 福岡県福岡市 - 弁護士ドットコム ご紹介企業様 イーヘルスクリニック新宿院様 イーヘルスクリニック新宿院様は、新宿三丁目駅から徒歩1分の好立地にある、予約制のクリニックです。 医療を通じ「働き盛りの人・家族」の健康を支え、社会をエンパワーメントすることを使命に掲げるこちらのクリニックでは、 予約から受付、決済までをオンライン化するなど、デジタルを最大限に活用し、患者さんが院内で費やす時間を最小限にとどめています。 また、オンライン診療やお薬の宅配にも対応し、遅い時間や週末でも受診できるため、 ライフスタイルに合わせて通院しやすい環境が整っており、 誰もが、いつでも、必要なときに、直接でもオンラインでも医療を受けることができます。 株式会社カケコム様 株式会社カケコムのサイトにて、「労災問題のプロが追求する、被害者のための損害賠償/木村治枝弁護士(弁護士法人小杉法律事務所)」と題する記事をご掲載いただきました。 弁護士木村が労災被害者専門の弁護士として日本一を志そうとする歩み等についてご記載いただいております。 弁護士の木村は、大学時代から約20年間、労災問題の勉強を続けてきており、日々労災事故に関する学術的・実務的研鑽を積んでおります。 今後もこのようなご紹介が頂けるよう、弁護士木村のみならず事務所弁護士・パラリーガル一同、精進してまいります。 フォーサイト様 社会保険労務士(社労士)の資格取得講座を開設しているフォーサイトにて、弊所の給付基礎日額や遺族年金に関する記事が紹介されました。 サクフリ株式会社様 IT業界の基礎知識やWebスキルの習得方法を発信している『サクフリ株式会社』が運営する『サクフリブログ』にて、 弊所が「生活・暮らし・ライフスタイルに役立つ企業」としてご紹介をいただきました。 イラスト教室アタムアカデミー様 イラスト教室アタムアカデミー様のサイトにて、 弊所が「労働災害(労災)の被害者の損害賠償請求に強い事務所」としてご紹介をいただきました。 サマークラークルート様 サマークラークルート(アガルートアカデミー&アガルートキャリア)様のサイトにて、 弊所が「損害賠償請求を専門とする事務所」としてご紹介いただきました。 エレビスタ株式会社様 エレビスタ株式会社様の運営サイト「スペースシップアース」にて、 弊所が「被害者側の支援に注力した損害賠償請求に特化した専門法律事務所」としてご紹介いただきました。 Pasona様 「美容外科クリニック比較ナビ」等のサイトを運営しているPasona様にて、 弊所が「労災被害者専門の法律事務所」としてご紹介いただきました。 株式会社アシスト様 東京のWEB、HP制作会社であるアシスト様のサイトにて、弊所をご紹介いただきました。 meo対策ツールで損しない選び方と無料と有料の実務比較を徹底ガイド!ユーザー目線で選ぶコツや活用事例も紹介 | WEB NOTE malna株式会社様 「malna株式会社」様のサイトにて弊所をご掲載いただきました。 ジョーカツ様 「ジョーカツ」様のサイトにて弊所をご掲載いただきました。 Persil様 「Persil」様のサイトにて弊所をご掲載いただきました。 株式会社ファミリーアセットコンサルティング様 「株式会社ファミリーアセットコンサルティング」様のサイトにて弊所をご掲載いただきました。 骨FIX様 「骨FIX」のサイトにて弊所をご紹介いただきました。 骨FIXは、都道府県・エリアごとに、整体院や整骨院を紹介しているサイトです。 実際に整骨院・整体院に行った人の口コミなども確認することができ、通いやすい整体院・整骨院を簡単に検索できます。 また、疲れや不調の解消方法や、どんな整体院・整骨院に行ったらよいかなど、コラムによる情報発信も行っています。 弊所をご紹介いただける企業様がおられましたら、 お問い合わせフォームよりご連絡いただけますと幸いです。 --- > 被災者が亡くなった時にそのご遺族が受け取ることができる労災遺族年金。ただしその受給には様々な条件があります。誰が?いつまでもらえる?社労士兼弁護士が在籍する事務所の弁護士が、ポイントを解説します。 - Published: 2024-07-24 - Modified: 2024-07-24 - URL: https://workers-accident.jp/posts/2261 - カテゴリー: 遺族(補償)給付, 労災保険別 - タグ: 遺族(補償)年金 被災者が労災(労働災害)で亡くなった場合にご遺族が受給可能な遺族(補償)年金。 この年金は単に相続人であれば無期限に受給可能というわけではありません。 受給条件や受給可能期間について労災被害者専門弁護士が解説します。 労災被害者専門弁護士への無料相談はこちらのページから。 労災遺族年金の受給条件 まず初めに確認しなければならないのは、労災遺族年金の性質とその受給条件です。 労災遺族年金は、労働災害補償保険法の第12条の8の4に規定のある遺族補償給付または、 同法第21条の4に規定のある遺族給付の一部になります。 この遺族補償給付と遺族給付は、業務災害により被害者が亡くなった場合の給付が遺族補償給付、 通勤災害により被害者が亡くなった場合の給付が遺族給付という違いがあります。 支給条件や時期などについて差異はありませんので、今回は遺族補償給付をメインに見ていきます。 労働者災害補償保険法第16条「遺族補償給付は遺族補償年金又は遺族補償一時金とする」 この条文のとおり、遺族補償給付の中の1つが遺族補償年金というわけですね。 遺族補償年金と遺族補償一時金の違いは支給資格です。 遺族補償一時金は後述しますが、遺族補償年金の受給権者になることができる人がいなかった場合のみ支給されます(第16条の6の1「遺族補償年金は、労働者の死亡の当時の遺族補償年金を受けることができる遺族がないときに支給する。」)。 ですから、遺族補償年金を受給するためにはまず受給資格者に該当する必要があります。 受給条件は以下のとおりです。 1 労働者の死亡の当時その収入によって生計を維持していたもの この条件は必須です。 労働者災害補償保険(労災保険)は、その法の第1条に規定のあるとおり、 「労働者の社会復帰の促進、当該労働者及びその遺族の援護、労働者の安全及び衛生の確保等を図り、もって労働者の福祉の増進に寄与することを目的とする。」 という保険です。 つまり、当然ですが保険給付には労働が前提となっています。 労働者が亡くなったことにより、「その労働で得られていた収入が得られなくなって」不利益を被る方に対しての給付というわけです。 交通事故などがイメージしやすいですが、被害者の方が亡くなった場合に行う損害賠償請求は、 相続人であれば当然に損害賠償請求権が発生し、労働者の死亡の当時その収入によって生計を維持していたかどうかは関係がありません。 また、自賠責保険による保険金の支払も、相続人であれば請求が可能です。 この違いが、労災遺族年金の大きな特徴と言えます。 この生計維持関係の具体的な証明として最も大きいのは、ご遺族が被災労働者と同居していた場合です。 住民票などの記載というよりは、実際に同居していたかどうかがポイントとなります。 また、仮に同居していなくても、生活費や療養費などの経済的な援助が行われていたり、 お互いが定期的に音信や訪問を行っていたりするような事情があれば、生計維持関係があったと認められる場合があります。 ここでいう生計維持関係は、主として被災労働者の収入によって生計を維持している必要はなく、 一部分を維持しているようないわゆる共働きの場合も含まれます。 2 被災労働者の配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹であること これが2つ目の条件ですが、それぞれに細かい限定があるので見ていきましょう。 配偶者 遺族補償年金の受給権者が妻(つまり亡くなったのが夫)の場合は細かい限定はありません。 遺族補償年金の受給権者が夫(つまり亡くなったのが妻)の場合は、夫が60歳以上でなければなりません。 また、ここでいう配偶者は内縁の配偶者を含みますが、逆に配偶者であっても、長期間別居しているなどの事実上離婚状態にあった配偶者は含まれません。 父母 60歳以上でなければなりません。 子・孫 18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間の年齢でなければなりません。 兄弟姉妹 18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間の年齢であるか、60歳以上でなければなりません。 障害があること ただし、上記の条件に該当しない場合も、厚生労働省令で定める障害の状態(労災保険でいう障害等級5級以上に該当する障害を有しているか、 ケガや病気が治らないで身体の機能又は精神に高度な制限を受けているもしくは労働に高度な制限があるといった障害を有している場合)にある場合は、 受給権者となることができます。 これらの条件を見ると、就労可能な場合は自身で生計を維持できるため、遺族年金の支給対象とならないという考え方が見て取れ、 やはり労働者災害補償保険による給付は「労働」を前提としていることがお分かりかと思います。 上記のようなそれぞれの細かい条件がある中で、さらに支給には優先順位が規定されています(労働者災害補償保険法第16条の2の3)。 優先順位が高い受給権者が存在する場合は、順位が低い受給権者は給付を受け取ることができません。 順位は以下のとおりです。 1位 妻・60歳以上の夫・障害の状態にある夫 2位 18歳になってはじめて迎える3月31日までの子・障害の状態にある子 3位 60歳以上の父母・障害の状態にある父母 4位 18歳になってはじめて迎える3月31日までの孫・障害の状態にある孫 5位 60歳以上の祖父母・障害の状態にある祖父母 6位 60歳以上の兄弟姉妹・18歳になってはじめて迎える3月31日までの兄弟姉妹・障害の状態にある兄弟姉妹 7位 55歳以上60歳未満の夫 8位 55歳以上60歳未満の父母 9位 55歳以上60歳未満の祖父母 10位 55歳以上60歳未満の兄弟姉妹 これらの受給要件を満たす場合にのみ、遺族補償年金を受けることができます。 なお、先ほど配偶者の受給条件の際にあった「妻に細かい限定はないが、夫は60歳以上でなければならない」という点については、 令和6年4月ころに東京都の男性が東京地裁に対し、「これは不当な差別であり、憲法違反だ」と主張... --- > 労働問題に関する紛争の解決では、裁判ではなく労働審判と呼ばれる制度が利用されることがあります。労働審判にはメリットが沢山ありますが、利用時に注意が必要なことも。社労士の資格も有する労災被害者専門弁護士が、労働審判について解説します。 - Published: 2024-04-17 - Modified: 2024-04-17 - URL: https://workers-accident.jp/posts/127 - カテゴリー: 裁判・労働審判 - タグ: 労働審判, 用語説明 労働者と雇用者との間の紛争・トラブルは、日々、あらゆる場所で、様々な形で発生しています。 こういった紛争・トラブルは示談による解決が出来なかった場合には、2004年3月までは、裁判をはじめとする一般的な司法手続きによる解決がされていました。 しかし、2004年4月に制定された労働審判法により、「労働審判」という画期的なシステムが導入され、同法が施行された2006年4月以降、裁判所を介する労働関係紛争解決の中心は、労働審判手続へと移行していきます。 労働審判手続の何が優れているのか?裁判ではなく労働審判を選ぶメリットとは? 社労士資格も有する弁護士木村治枝の労働審判手続についての解説をご紹介していきます。 弁護士法人小杉法律事務所では、会社とのトラブルに巻き込まれてしまった労働者被害者専門の法律事務所として、これまで裁判・労働審判・示談による解決実績を多数有しています。 無料の法律相談を実施しておりますので、お気軽にお問い合わせください。 \無料法律相談の流れ/のページはこちら そもそも労働審判とは? 労働審判法第1条 そもそも労働審判とはどういった手続なのでしょうか? まずは、法律上の文言を見ていきましょう。 労働審判法第1条には次のような規定があります。 「この法律は、労働契約の存否その他の労働関係に関する事項について個々の労働者と事業主との間に生じた民事に関する紛争(以下「個別労働関係民事紛争」という。)に関し、裁判所において、裁判官及び労働関係に関する専門的な知識経験を有する者で組織する委員会が、当事者の申立てにより、事件を審理し、調停の成立による解決の見込みがある場合にはこれを試み、その解決に至らない場合には、労働審判(個別労働関係民事紛争について当事者間の権利関係を踏まえつつ事案の実情に即した解決をするために必要な審判をいう。以下同じ。)を行う手続(以下「労働審判手続」という。)を設けることにより、紛争の実情に即した迅速、適正かつ実効的な解決を図ることを目的とする。」 労働審判の対象 まず、労働審判の対象となるのは「労働契約の存否その他の労働関係に関する事項について個々の労働者と事業者との間に生じた民事に関する紛争」とされています。 つまり、事業者と労働組合のような団体の間の紛争や、労働者の横領といった刑事に関する紛争は対象となりません。 具体的には、「解雇、雇止め、配転、出向、賃金・退職金請求権、懲戒処分、労働条件変更の拘束力、等々をめぐる、個々の労働者と事業主との間の権利紛争」(『菅野和夫著 法律学講座双書 労働法第十一版』より引用)を対象としています。 労働審判制度導入の目的 次に、労働審判の目的は、「紛争の実情に即した迅速、適正かつ実効的な解決を図ること」とされています。 労働審判の対象となる紛争(個別労働関係民事紛争)は、労働審判の制度が導入される以前には、上でも述べたように示談による解決が出来なかった際には裁判をはじめとする一般的な司法手続で解決を図ることになっていました。 しかし、個別労働関係民事紛争は、増加の一途をたどるとともに、それぞれの案件に専門的な知識を必要とするため、一般的な司法手続による解決は非常に長い期間を要してしまっていました。 そこで、まさに「実情に即した迅速、適正かつ実効的な解決を図ること」を目的とし、労働審判の制度が導入されたのです。 労働審判はどういう手続でなされるのか? 「紛争の実情に即した迅速、適正かつ実効的な解決を図ること」という目的を達成するためには、やはり特別な手段が必要になります。 その手段として設置されるのが、「裁判官及び労働関係に関する専門的な知識経験を有する者で組織する委員会」です。 委員会は、裁判所の裁判官から指定された労働審判官1名と、最高裁判所が労働審判員規則に則って選出する、労働関係に関する専門的な知識経験を有する労働審判員2名の計3名で組織されます。 委員会内の合議においては、決議は過半数の意見により、それぞれの持つ一票の重みに差はありません。 労働審判とは 以上の点から、労働審判とは、「対象を一般の民事紛争から個別労働関係の民事紛争に絞り、その専門的な知識経験を有する委員会を設置し、個別労働関係民事紛争解決のために特化することで、迅速、適切かつ実効的な解決を図ること」を目的として設置された制度ということになります。 労働審判を利用するメリットとは? メリット1 何と言っても解決までが早い 労働審判を利用する最大のメリットは、何と言っても解決までが早い事です。 労働審判法第15条をみると、 「1 労働審判委員会は、速やかに、当事者の陳述を聴いて争点及び証拠の整理をしなければならない。  2 労働審判手続においては、特別の事情がある場合を除き、三回以内の期日において、審理を終結しなければならない。」 とされています。 労働審判の対象となるような、個別労働関係民事紛争は、労働者の生活をかけた紛争です。 例えば、解雇の可否などが争いになった場合、労働者は既に解雇を受け、その解雇が不当であるとして雇用者と争っているということになります。 つまり、紛争解決の結果がどうであれ、結果が出るまでは本人が他の職を探さない限り、労働者は無職者ということです。 一刻も早く紛争を解決しなければ、労働者は生活が成り立たなくなる可能性がありますし、雇用者の側が審理を引き伸ばして労働者に圧をかけるといった可能性もあります。 それを防ぐために、労働審判手続は、原則3回以内の期日で審理を終結することになっているのです。 少し古いデータになりますが、裁判所公式ホームページで掲載されているデータをみると、労働関係訴訟(労働審判ではない)の平均審理期間は、11. 5月とされています。 一方で、同じく裁判所公式ホームページをみると、労働審判について「平成18年から令和元年までに終了した事件について,平均審理期間は77. 2日であり,70. 5%の事件が申立てから3か月以内に... --- - Published: 2024-04-17 - Modified: 2024-04-17 - URL: https://workers-accident.jp/posts/1521 - カテゴリー: 損害論, 脊髄損傷, 障害(補償)給付 労災事故で脊髄損傷を負った場合、体に麻痺の症状や神経因性膀胱障害、損傷した箇所によっては更に呼吸障害等の症状が現れます。 そして、これらの症状が後遺症として残らないよう、少しでも回復するために、種々のリハビリテーションが行われます。 本稿では、労災事故で脊髄損傷を負ってから、治療・リハビリの施行、後遺症が残存した場合の後遺障害、そして損害賠償請求について解説していきます。 1.脊髄損傷とは 脊髄損傷とは、外傷によって脊髄を損傷することをいいます。 一口に脊髄損傷といっても、その態様はさまざまであることから、損傷箇所や損傷の程度、その状況等によりいくつかの分類がなされています。 ⑴損傷箇所による分類 一つ目に、損傷箇所による分類方法があります。 脊髄はその高位によって頚髄(頸髄)、胸髄、腰髄、仙髄に大きく区分され、脊髄の下端部は概ね第1腰椎・第2腰椎あたりで終わり、その下に馬尾神経が伸びるようなかたちになっています。このことから損傷した高位に応じて、頚髄損傷(頸髄損傷)、胸髄損傷、腰髄損傷、仙髄損傷、馬尾神経損傷と分類することができます。 損傷したときに生じる症状も損傷高位に応じて異なり、一般に、損傷高位が高ければ高いほど重篤な症状が現れる傾向にあります。頚髄損傷が最も重篤で致命的な症状が現れることが多く、四肢麻痺や呼吸障害などが多く見られます。そして、損傷の程度によっては死に至る可能性もあります。次いで胸髄損傷が重い症状が現れることとなり、下半身の対麻痺になることが多いです。腰髄損傷でも下半身麻痺が生じることがありますが、頚髄損傷や胸髄損傷と比べると、比較的症状は軽い傾向にあります。仙髄損傷では下肢麻痺や運動障害が生じることはほぼありませんが、馬尾神経損傷の場合には、下肢の運動障害が生じることがあります。 頚髄損傷(頸髄損傷)、胸髄損傷、腰髄損傷それぞれの症状や後遺症、後遺障害については、以下のページで詳細を解説しております。 頚髄損傷(頸髄損傷)・胸髄損傷・腰髄損傷の症状や後遺障害についてはこちらで詳しく解説 ⑵損傷の程度による分類 損傷の程度による分類とは、脊髄を水平方向に輪切りした断面(横断面)を見た時の損傷の大きさによって分類することをいい、損傷の程度により現れる症状の重さが変わってくることとなります。 まず、横断面全体を損傷している完全損傷(横断性損傷)と、横断面の一部の損傷に留まる不完全損傷の大きく二つに分けられます。不完全損傷については、横断面のどの部分を損傷したかによって、前部脊髄損傷、後部脊髄損傷、脊髄半側損傷(ブラウン・セカール型損傷)、中心性脊髄損傷の四つのパターンに分類されます。 中心性脊髄損傷の症状や後遺障害についてはこちらで詳しく解説 ⑶損傷状況による分類 脊髄は、それを保護する骨である脊椎(一般的に背骨と呼ばれる部位)の中を通るように位置していますが、この脊椎の損傷を伴うような脊髄損傷の場合には骨傷性脊髄損傷といい、伴わない場合は非骨傷性脊髄損傷と呼ばれます。 2.脊髄損傷の症状 脊髄は中枢神経の一部分であり、脊髄から手足や体の各部位に末梢神経という細かい神経がのびています。そして、例えば手足を動かすなどの運動神経に関わる脳からの信号が脊髄を経由して末梢神経に送られることにより、人間は手足を動かすことができます。また、皮膚などにある感覚神経で感じ取った「熱さ」や「痛み」などの刺激が、末梢神経から信号として脊髄を経由して脳に送られることで、人間は「熱い」、「痛い」と知覚することができます。 こうした信号のやり取りにおける重要な経路である脊髄が損傷されると、脳と身体各部との連絡のやり取りに支障が生じてしまうため、様々な症状が現れます。 ⑴麻痺(運動神経障害) 脊髄損傷によって脳からの運動神経の信号が手足に届きにくくなる(届かなくなる)ことにより、上下肢に麻痺が生じます。基本的に、脊髄の損傷高位が高ければ高いほど、麻痺が現れる範囲は広くなります。 麻痺には程度によって分類があり、完全に上肢や下肢を意識的に動かせなくなることを完全麻痺、そうでないものを不全麻痺といいます。 また、発生部位に応じた呼び方があります。人体を上肢・下肢、左半身・右半身の四分割でイメージした場合に、両上下肢すべてに麻痺が生じているものを四肢麻痺、両上肢もしくは両下肢に麻痺が生じているものを対麻痺、左上下肢もしくは右上下肢に麻痺が生じているときは片麻痺、いずれか一か所にのみ麻痺が生じているときは単麻痺と呼ばれます。脊髄損傷の場合にみられることの多い下半身不随(下半身麻痺)は、すなわち下肢の対麻痺のことです。 ⑵感覚障害 温冷覚や痛覚といった皮膚組織で感じ取る表在感覚や、位置覚や振動覚といった骨や筋組織などで感じ取る深部感覚について、感覚の鈍麻・脱失が生じます。感覚障害が生じる部位については、脊髄の損傷高位や、脊髄横断面における損傷範囲によって異なってきます。同一部位に表在感覚障害と深部感覚障害の両方が現れることもあれば、一方の感覚障害のみが現れたり、あるいは右足には表在感覚障害が現れて左足には深部感覚障害が現れるなど、複雑な様相を呈することもあります。 ⑶呼吸障害 自発的呼吸が困難となる呼吸障害は、頚髄損傷を負った場合に多く見られます。呼吸に関わる器官である横隔膜に信号を送る神経が第3頚髄~第5頚髄(一般にC3~C5と呼ばれます)からのびていることから、頚髄損傷した場合には呼吸障害が生じることとなります。とりわけC5以上のレベルで損傷したときは自発的呼吸が非常に難しくなり、重度の場合には呼吸停止となり、死に至る可能性もあります。 ⑷排尿障害(神経因性膀胱障害) 排尿や蓄尿に関わる膀胱や陰部などの下部尿路機能を制御する中枢・末梢神経系は、第11胸髄~第2腰髄(T11~L2)や第2仙髄~第4仙髄(S2~S4)の髄節支配領域であることから、これらより高位において脊髄損傷を負った場合には、排尿障害・蓄尿障害が生じます。具... --- - Published: 2023-06-01 - Modified: 2023-06-01 - URL: https://workers-accident.jp/posts/107 - カテゴリー: 靭帯損傷 ①大腿四頭筋損傷 (1)概要 大腿四頭筋は、太腿の前側にある筋肉で、大腿直筋・中間広筋・外側広筋・内側広筋の4つの筋肉から形成されます。 大腿四頭筋は膝を伸ばす役割があります。部分断裂がほとんどですが、筋肉や腱が完全に断裂してしまうこともあります。 (2)症状 太もも前側の痛み、腫れ、圧痛、膝を曲げたときの痛み (3)認定されうる後遺障害等級 後遺障害等級第12級の12 局部に頑固な神経症状を残すもの 後遺障害等級第14級の9 局部に神経症状を残すもの ②ハムストリング損傷 (1)概要 ハムストリングは、太腿の裏側にある筋肉で、大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋 の3つの筋肉から形成されます。 ハムストリングは膝を曲げる役割があります。部分断裂がほとんどですが、筋肉や腱が完全に断裂してしまうこともあります。 (2)症状 太もも裏側の痛み、腫れ、圧痛、歩行時の痛み (3)認定されうる後遺障害等級 後遺障害等級第12級の12 局部に頑固な神経症状を残すもの 後遺障害等級第14級の9 局部に神経症状を残すもの --- - Published: 2023-06-01 - Modified: 2023-06-01 - URL: https://workers-accident.jp/posts/128 - カテゴリー: 裁判・労働審判 1 控訴とは 控訴とは、第一審の終局判決に対して、その事実認定又は法律判断を不当として、不服を申し立てる上訴をいいます。 控訴審は、2回目の事実審であり、第一審裁判の事実認定、法律判断の両面を審判することができます。 なお、簡易裁判所が第一審であるときは地方裁判所が、地方裁判所が第一審であるときは高等裁判所が、それぞれ控訴裁判所となります。 2 控訴の方法 控訴の提起は、控訴状を第一審裁判所に提出して行います(民事訴訟法第286条1項)。 控訴期間は、控訴人が判決書又はこれに代わる調書の送達を受けた日から2週間の不変期間となっています(民事訴訟法第285条)。 また、控訴状には、当事者及び法定代理人、第一審判決の表示及びその判決に対して控訴をする旨を記載しなければなりません(民事訴訟法第286条2項)。 控訴状に控訴理由を記載する場合もありますが、控訴の期限は2週間と設定されていますので、ひとまず控訴を行い、控訴理由は後に控訴理由書として提出することもあります。控訴理由書は、控訴提起後50日以内に控訴理由書を控訴裁判所に提出しなければなりません(民事訴訟法規則第182条)。 3 控訴提起の留意点 重複しますが、控訴提起は送達受領後2週間の不変期間とされていること(民事訴訟法第285条)、控訴理由書は、控訴提起後50日以内とされていること(民事訴訟法規則第182条)など、期間制限があります。また、控訴審の審理対象は、第一審裁判の事実認定、法律判断の両面とされていますので、控訴理由が多岐にわたることがあります。 控訴審は、数回の期日が行われる場合もありますが、多くの場合、1~2回程度で審理を終えます。そのため、控訴理由書の提出段階で、出すべき主張や立証は、尽くしておく必要があります。ただし、長文の控訴理由書は、控訴審の裁判所に呼んでもらえない危険性がありますので、要点をまとめた控訴理由書を提出することが必要です。 --- - Published: 2020-08-08 - Modified: 2020-08-12 - URL: https://workers-accident.jp/posts/80 - カテゴリー: 骨折 ①頭蓋骨線状骨折 (1)概要 頭蓋骨に線状のひびが入った状態の骨折です。 (2)症状 骨折部位の疼痛(痛み)、腫脹(腫れ) (3)認定されうる後遺障害等級 後遺障害等級第1級3号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの 後遺障害等級第2級2の2号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの 後遺障害等級第3級3号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの 後遺障害等級第5級1の2号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの 後遺障害等級第7級3号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの 後遺障害等級第9級7の2号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの ②頭蓋骨陥没骨折 (1)概要 頭蓋骨が内側にへこんだ状態の骨折です。 (2)症状 ・骨折部位の疼痛、腫脹 ・脳の圧迫や損傷による頭痛、嘔吐、意識障害、半身麻痺、言語障害など (3)認定されうる後遺障害等級 後遺障害等級第1級3号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの 後遺障害等級第2級2の2号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの 後遺障害等級第3級3号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの 後遺障害等級第5級1の2号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの 後遺障害等級第7級3号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの 後遺障害等級第9級7の2号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの --- - Published: 2020-08-08 - Modified: 2020-08-12 - URL: https://workers-accident.jp/posts/81 - カテゴリー: 骨折 ①頬骨体部骨折 (1)概要 頬骨を形成する体部(前方に突出した部分)が骨折した状態です。 (2)症状 ・骨折部位の疼痛(痛み)、腫脹(腫れ)、眼科表面の内出血 ・眼球陥没による複視(ものが二重に見える) ・眼窩下神経の損傷による頬部、鼻の側面、上口唇、歯肉の感覚障害(しびれ) ・頬部の平坦化 (3)認定されうる後遺障害等級 後遺障害等級第10級1の2号 正面を見た場合に複視の症状を残すもの 後遺障害等級第12級12号 局部に頑固な神経症状を残すもの 後遺障害等級第13級2の2号 正面以外を見た場合に複視の症状を残すもの 後遺障害等級第14級9号 局部に神経症状を残すもの ①頬骨弓部骨折 (1)概要 頬骨を形成する弓部(側方に突出した部分)が骨折した状態です。 (2)症状 ・骨折部位の疼痛、腫脹、眼科表面の内出血、顔側面のへこみ ・鼻の下の側頭筋の損傷による開口障害(口が開けづらくなる) (3)認定されうる後遺障害等級 後遺障害等級第12級12号 局部に頑固な神経症状を残すもの 後遺障害等級第14級9号 局部に神経症状を残すもの --- - Published: 2020-08-08 - Modified: 2020-08-12 - URL: https://workers-accident.jp/posts/82 - カテゴリー: 骨折 眼窩底骨折 (1)概要 眼球を覆うくぼみを眼窩といい、眼窩下部の眼窩底が骨折した状態です。 (2)症状 骨折部位の疼痛(痛み)、腫脹(腫れ)、眼球陥没、複視(ものが二重に見える) (3)認定されうる後遺障害等級 後遺障害等級第10級1の2号 正面を見た場合に複視の症状を残すもの 後遺障害等級第13級2の2号 正面以外を見た場合に複視の症状を残すもの --- - Published: 2020-08-08 - Modified: 2020-08-12 - URL: https://workers-accident.jp/posts/83 - カテゴリー: 骨折 鼻骨骨折 (1)概要 鼻骨周辺に強い外力が加わった場合に生じます。鼻骨は薄く、折れやすい骨です。 (2)症状 骨折部位の疼痛(痛み)、腫脹(腫れ)、変形、嗅覚脱失、鼻呼吸困難 (3)認定されうる後遺障害等級 後遺障害等級第12級相当 嗅覚脱失または鼻呼吸困難 後遺障害等級第14級相当 嗅覚の減退 --- - Published: 2020-08-08 - Modified: 2020-08-12 - URL: https://workers-accident.jp/posts/84 - カテゴリー: 骨折 ①下顎骨骨折 (1)概要 下顎の骨で、骨折は関節突起、筋突起、下顎枝、角部、体部、結合部それぞれの部位に生じます。 外力が直接当たった部位が骨折する場合と、外力の対側が間接的に骨折する場合があります。 (2)症状 骨折部位の疼痛(痛み)、腫脹(腫れ)、開口障害(口が開けづらくなる)、咬合不全(かみ合わせのずれ)、下顎の知覚麻痺 (3)認定されうる後遺障害等級 後遺障害等級第1級2号 そしゃく及び言語の機能を廃したもの 後遺障害等級第3級2号 そしゃく又は言語の機能を廃したもの 後遺障害等級第4級2号 そしゃく及び言語の機能に著しい障害を残すもの 後遺障害等級第6級2号 そしゃく又は言語の機能に著しい障害を残すもの 後遺障害等級第9級6号 そしゃく及び言語の機能に障害を残すもの 後遺障害等級第10級2号 そしゃく又は言語の機能に障害を残すもの ②歯牙障害 (1)概要 歯が欠けたり折れたりして、歯科補てつを加えた状態です。 (2)症状 歯の欠損、喪失、抜歯、補てつ (3)認定されうる後遺障害等級 後遺障害等級第10級3号 14歯以上に対し歯科補てつを加えたもの 後遺障害等級第11級3の2号 10歯以上に対し歯科補てつを加えたもの 後遺障害等級第12級3号 7歯以上に対し歯科補てつを加えたもの 後遺障害等級第13級3の2号 5歯以上に対し歯科補てつを加えたもの 後遺障害等級第14級2号 3歯以上に対し歯科補てつを加えたもの --- - Published: 2020-08-08 - Modified: 2020-08-12 - URL: https://workers-accident.jp/posts/85 - カテゴリー: 骨折 ①頚椎圧迫骨折 (1)概要 骨折が椎体の前方部分にとどまっている状態です。 (2)症状 ・頚部痛、頚部運動制限 (3)認定されうる後遺障害等級 後遺障害等級第6級4号 脊柱に著しい変形を残すもの 後遺障害等級第6級4号 脊柱に著しい運動障害を残すもの 後遺障害等級第6級相当 頚部および腰部の両方の保持に困難があり、常に硬性補装具を要するもの 後遺障害等級第8級2号 脊柱に運動障害を残すもの 後遺障害等級第8級相当 頚部または腰部のいずれかの保持に困難があり、常に硬性補装具を要するもの 後遺障害等級第8級相当 脊柱に中程度の変形を残すもの 後遺障害等級第11級5号 脊柱に変形を残すもの ②頚椎破裂骨折 (1)概要 骨折で椎体後壁が破壊され、骨片が椎体の後方(脊柱管方向)に突出している状態です。 (2)症状 ・頚部痛、頚部運動制限 ・重度の場合、脊髄損傷による麻痺 (3)認定されうる後遺障害等級 後遺障害等級第6級4号 脊柱に著しい変形を残すもの 後遺障害等級第6級4号 脊柱に著しい運動障害を残すもの 後遺障害等級第6級相当 頚部および腰部の両方の保持に困難があり、常に硬性補装具を要するもの 後遺障害等級第8級2号 脊柱に運動障害を残すもの 後遺障害等級第8級相当 頚部または腰部のいずれかの保持に困難があり、常に硬性補装具を要するもの 後遺障害等級第8級相当 脊柱に中程度の変形を残すもの 後遺障害等級第11級5号 脊柱に変形を残すもの --- - Published: 2020-08-08 - Modified: 2020-08-12 - URL: https://workers-accident.jp/posts/86 - カテゴリー: 骨折 ①肩甲骨骨折 (1)概要 肩甲骨は周囲を筋組織で補強されているため、肩甲骨骨折は比較的まれな傷病です。 鎖骨骨折、肋骨骨折、肩鎖靱帯の脱臼骨折など、多発外傷に伴って発生することが多いです。 (2)症状 骨折部位の疼痛(痛み)、腫脹(腫れ)、肩関節の可動域制限、外観から変形がわかる (3)認定されうる後遺障害等級 後遺障害等級第10級9号 1上肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの 後遺障害等級第12級5号 鎖骨,胸骨,ろく骨,けんこう骨,又は骨盤骨に著しい変形を残すもの 後遺障害等級第12級6号 1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの ②鎖骨骨折 (1)概要 鎖骨は細くS字状に湾曲しているため、比較的損傷しやすい部位です。 鎖骨骨幹部骨折(鎖骨の真ん中あたりの骨折) が最も多く、転倒して肩や腕を直接受傷した場合や、転倒時に腕を伸ばしてつくなど、肩に衝撃が加わった場合にも生じます。 (2)症状 骨折部位の疼痛、腫脹、外観から変形がわかる(骨の隆起) (3)認定されうる後遺障害等級 後遺障害等級第10級9号 1上肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの 後遺障害等級第12級5号 鎖骨,胸骨,ろく骨,けんこう骨,又は骨盤骨に著しい変形を残すもの 後遺障害等級第12級6号 1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの --- - Published: 2020-08-08 - Modified: 2020-08-12 - URL: https://workers-accident.jp/posts/87 - カテゴリー: 骨折 ①腰椎圧迫骨折 (1)概要 骨折が椎体の前方部分にとどまっている状態です。 (2)症状 ・腰部痛、腰部運動制限 (3)認定されうる後遺障害等級 後遺障害等級第6級4号 脊柱に著しい変形を残すもの 後遺障害等級第6級4号 脊柱に著しい運動障害を残すもの 後遺障害等級第6級相当 頚部および腰部の両方の保持に困難があり、常に硬性補装具を要するもの 後遺障害等級第8級2号 脊柱に運動障害を残すもの 後遺障害等級第8級相当 頚部または腰部のいずれかの保持に困難があり、常に硬性補装具を要するもの 後遺障害等級第8級相当 脊柱に中程度の変形を残すもの 後遺障害等級第11級5号 脊柱に変形を残すもの ②腰椎破裂骨折 (1)概要 骨折で椎体後壁が破壊され、骨片が椎体の後方(脊柱管方向)に突出している状態です。 (2)症状 ・腰部痛、腰部運動制限 ・重度の場合、脊髄損傷による麻痺 (3)認定されうる後遺障害等級 後遺障害等級第6級4号 脊柱に著しい変形を残すもの 後遺障害等級第6級4号 脊柱に著しい運動障害を残すもの 後遺障害等級第6級相当 頚部および腰部の両方の保持に困難があり、常に硬性補装具を要するもの 後遺障害等級第8級2号 脊柱に運動障害を残すもの 後遺障害等級第8級相当 頚部または腰部のいずれかの保持に困難があり、常に硬性補装具を要するもの 後遺障害等級第8級相当 脊柱に中程度の変形を残すもの 後遺障害等級第11級5号 脊柱に変形を残すもの --- - Published: 2020-08-08 - Modified: 2020-08-12 - URL: https://workers-accident.jp/posts/88 - カテゴリー: 骨折 肋骨骨折 (1)概要 胸部外傷の中で最も生じやすく、衝撃が強い場合には、複数の肋骨が骨折することが多く、肺や心臓、血管の損傷を伴うこともあります。 (2)症状 骨折部位の疼痛(痛み)、腫脹(腫れ)、圧痛、咳・深呼吸時の疼痛 (3)認定されうる後遺障害等級 後遺障害等級第12級5号 鎖骨,胸骨,ろく骨,けんこう骨,又は骨盤骨に著しい変形を残すもの --- - Published: 2020-08-08 - Modified: 2020-08-12 - URL: https://workers-accident.jp/posts/90 - カテゴリー: 骨折 ①上腕骨近位端骨折 (1)概要 上腕骨は肩関節から肘関節をつなぐ骨で、上腕骨近位端骨折は、肩関節付近を骨折した状態です。 (2)症状 骨折部位の疼痛(痛み)、腫脹(腫れ)、肩関節可動域制限 (3)認定されうる後遺障害等級 後遺障害等級第10級9号 1上肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの 後遺障害等級第12級6号 1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの ②上腕骨骨幹部骨折 (1)概要 肩関節と肘関節の間の中央部付近を骨折した状態です。 (2)症状 ・骨折部位の疼痛、腫脹、変形癒合、偽関節(骨折部位で骨がつかない)、肩関節可動域制限 ・橈骨神経(指を伸ばしたり、手を手の甲側に回転させる筋肉の運動にかかわる神経) 麻痺による手首の可動域制限 (3)認定されうる後遺障害等級 後遺障害等級第7級9号 1上肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの 後遺障害等級第8級8号 1上肢に偽関節を残すもの 後遺障害等級第10級9号 1上肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの 後遺障害等級第12級6号 1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの 後遺障害等級第12級8号 長管骨に変形を残すもの --- - Published: 2020-08-08 - Modified: 2020-08-12 - URL: https://workers-accident.jp/posts/91 - カテゴリー: 骨折 ①上腕骨遠位端骨折 (1)概要 上腕骨遠位部は上腕と前腕(尺骨・橈骨)をつなぎ、肘関節を作る部位です。 骨折部位により、関節包の外側が骨折し関節の中は無傷なもの(上腕骨顆上骨折) 、関節面に骨折が及ぶもの(上腕骨顆間骨折)、 関節内の横骨折(上腕骨通顆骨折)に分類されます。  (2)症状 骨折部位の疼痛(痛み)、腫脹(腫れ)、肘関節の可動域制限、変形癒合、偽関節 (3)認定されうる後遺障害等級 後遺障害等級第7級9号 1上肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの 後遺障害等級第8級8号 1上肢に偽関節を残すもの 後遺障害等級第10級9号 1上肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの 後遺障害等級第12級6号 1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの 後遺障害等級第12級8号 長管骨に変形を残すもの ②肘頭骨折 (1)概要 肘頭骨は尺骨(前腕の小指側の骨)の肘の先端部分で、この部位を骨折した状態です。 (2)症状 骨折部位の疼痛、腫脹、肘関節の可動域制限、 変形癒合 (3)認定されうる後遺障害等級 後遺障害等級第7級9号 1上肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの 後遺障害等級第8級8号 1上肢に偽関節を残すもの 後遺障害等級第10級9号 1上肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの 後遺障害等級第12級6号 1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの 後遺障害等級第12級8号 長管骨に変形を残すもの --- - Published: 2020-08-08 - Modified: 2020-08-12 - URL: https://workers-accident.jp/posts/92 - カテゴリー: 骨折 ①橈骨骨幹部骨折 (1)概要 橈骨(前腕の親指側の骨)の中央部付近を骨折した状態です。 (2)症状 骨折部位の疼痛(痛み)、腫脹(腫れ)、手首の可動域制限、変形癒合、偽関節、橈骨神経麻痺 (3)認定されうる後遺障害等級 後遺障害等級第7級9号 1上肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの 後遺障害等級第8級8号 1上肢に偽関節を残すもの 後遺障害等級第10級9号 1上肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの 後遺障害等級第12級6号 1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの 後遺障害等級第12級8号 長管骨に変形を残すもの ②橈骨遠位端骨折 (1)概要 橈骨の手首付近を骨折した状態です。 (2)症状 骨折部位の疼痛、腫脹、手関節の可動域制限、変形癒合、偽関節 (3)認定されうる後遺障害等級 後遺障害等級第7級9号 1上肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの 後遺障害等級第8級8号 1上肢に偽関節を残すもの 後遺障害等級第10級9号 1上肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの 後遺障害等級第12級6号 1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの 後遺障害等級第12級8号 長管骨に変形を残すもの ③尺骨骨幹部骨折 (1)概要 尺骨(前腕の小指側の骨)の中央部付近を骨折した状態です。 (2)症状 骨折部位の疼痛、腫脹、手関節の可動域制限、変形癒合、偽関節、尺骨神経(小指側の感覚と手指・手首の運動を支配) 麻痺 (3)認定されうる後遺障害等 後遺障害等級第7級9号 1上肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの 後遺障害等級第8級8号 1上肢に偽関節を残すもの 後遺障害等級第10級9号 1上肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの 後遺障害等級第12級6号 1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの 後遺障害等級第12級8号 長管骨に変形を残すもの ④尺骨遠位端骨折 (1)概要 尺骨の手首付近を骨折した状態です。 (2)症状 骨折部位の疼痛、腫脹、手関節の可動域制限、変形癒合、偽関節 (3)認定されうる後遺障害等級 後遺障害等級第7級9号 1上肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの 後遺障害等級第8級8号 1上肢に偽関節を残すもの 後遺障害等級第10級10号 1上肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの 後遺障害等級第12級6号 1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの 後遺障害等級第12級8号 長管骨に変形を残すもの --- - Published: 2020-08-08 - Modified: 2020-08-12 - URL: https://workers-accident.jp/posts/93 - カテゴリー: 骨折 舟状骨骨折 (1)概要 手関節にある母指側の骨を骨折した状態です。 (2)症状 骨折部位の疼痛(痛み)、腫脹(腫れ)、手関節の可動域制限、変形癒合、偽関節 (3)認定されうる後遺障害等級 後遺障害等級第7級9号 1上肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの 後遺障害等級第8級8号 1上肢に偽関節を残すもの 後遺障害等級第10級9号 1上肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの 後遺障害等級第12級6号 1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの --- - Published: 2020-08-08 - Modified: 2020-08-12 - URL: https://workers-accident.jp/posts/94 - カテゴリー: 骨折 中手骨骨幹部骨折 (1)概要 手のひら部分の中手骨の中央部を骨折した状態です。 (2)症状 骨折部位の疼痛(痛み)、腫脹(腫れ) (3)認定されうる後遺障害等級 後遺障害等級第12級12号 局部に頑固な神経症状を残すもの 後遺障害等級第14級9号 局部に神経症状を残すもの --- - Published: 2020-08-08 - Modified: 2020-08-12 - URL: https://workers-accident.jp/posts/95 - カテゴリー: 骨折 (1)概要 部位により、末節骨(一番先端の指骨)骨折、中節骨(2番目の指骨) 骨折などがあります。 また、腱や靭帯も同時に損傷した場合、脱臼骨折(PIP関節脱臼骨折など)が生じます。 (2)症状 骨折部位の疼痛(痛み)、腫脹(腫れ)、可動域制限 (3)認定されうる後遺障害等級 後遺障害等級第4級6号 両手の手指の全部の用を廃したもの 後遺障害等級第7級7号 1手の5の手指又は母指を含み4の手指の用を廃したもの 後遺障害等級第8級4号 1手の母指を含み3の手指の用を廃したもの又母指以外の4の手指の用を廃したもの 後遺障害等級第9級9号 1手の母指を含み2の手指の用を廃したもの又母指以外の3の手指の用を廃したもの 後遺障害等級第10級6号 1手の母指又母指以外の2の手指の用を廃したもの 後遺障害等級第12級9号 1手の示指、中指又は環指の用を廃したもの 後遺障害等級第13級4号 1手の小指の用を廃したもの 後遺障害等級第14級7号 1手の親指以外の手指の遠位指節間関節を屈伸することができなくなったもの --- - Published: 2020-08-08 - Modified: 2020-08-12 - URL: https://workers-accident.jp/posts/96 - カテゴリー: 骨折 ①骨盤輪骨折 (1)概要 骨盤は、腸骨、恥骨、坐骨 、尾骨などからなります。 骨盤輪骨折は、寛骨臼骨折を除いた骨盤骨折で、環状構造が壊れ安定性が失われた状態です。 (2)症状 ・骨折部位の疼痛(痛み)、変形癒合、下肢の短縮 ・神経損傷を合併した場合には、下肢の知覚低下・筋力低下、膀胱直腸障害が生じることがあります。 (3)認定されうる後遺障害等級 後遺障害等級第8級5号 1下肢を5センチメートル以上短縮したもの 後遺障害等級第10級7号 1下肢を3センチメートル以上短縮したもの 後遺障害等級第12級5号 鎖骨、胸骨、ろく骨、肩こう骨又は骨盤骨に著しい変形を残すもの 後遺障害等級第13級8号 1下肢を1センチメートル以上短縮したもの ②寛骨臼骨折 (1)概要 股関節の関節面を形成する寛骨臼が骨折した状態(関節内骨折)です。 (2)症状 骨折部位の疼痛(痛み)、股関節の可動域制限、変形癒合、下肢の短縮 (3)認定されうる後遺障害等級 後遺障害等級第8級5号 1下肢を5センチメートル以上短縮したもの 後遺障害等級第8級7号 1下肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの 後遺障害等級第10級7号 1下肢を3センチメートル以上短縮したもの 後遺障害等級第10級10号 1下肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの 後遺障害等級第12級7号 1下肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの 後遺障害等級第13級8号 1下肢を1センチメートル以上短縮したもの --- - Published: 2020-08-08 - Modified: 2020-08-12 - URL: https://workers-accident.jp/posts/97 - カテゴリー: 骨折 ①大腿骨近位部骨折 (1)概要 大腿骨は太ももの骨です。 大腿骨近位部は、足の付け根の股関節部分で、骨頭(先端の球状部分)・ 頚部(くびれて細くなっている部分) ・転子部(でっぱり部分)・ 転子下に分かれています。 大腿骨近位部骨折は、主に大腿骨頚部骨折・ 大腿骨転子部骨折を指します。 (2)症状 骨折部の疼痛、歩行困難、股関節可動域制限 骨折の転位が強い場合、人工骨頭置換術が行われることもある (3)認定されうる後遺障害等級 後遺障害等級第8級7号 1下肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの 後遺障害等級第10級10号 1下肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの 後遺障害等級第12級7号 1下肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの ②大腿骨骨幹部骨折 (1)概要 大腿骨の中央部付近を骨折した状態です。 (2)症状 骨折部の疼痛、歩行困難、下肢短縮、変形癒合、偽関節 (3)認定されうる後遺障害等級 後遺障害等級第7級10号 1下肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの 後遺障害等級第8級5号 1下肢を5センチメートル以上短縮したもの 後遺障害等級第10級7号 1下肢を3センチメートル以上短縮したもの 後遺障害等級第12級8号 長管骨に変形を残すもの 後遺障害等級第13級8号 1下肢を1センチメートル以上短縮したもの --- - Published: 2020-08-08 - Modified: 2020-08-12 - URL: https://workers-accident.jp/posts/98 - カテゴリー: 骨折 ①大腿骨遠位部骨折 (1)概要 大腿骨の膝に近い部分を骨折した状態です。 (2)症状 骨折部の疼痛、腫脹、起立・歩行困難、膝関節可動域制限 (3)認定されうる後遺障害等級 後遺障害等級第8級7号 1下肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの 後遺障害等級第10級10号 1下肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの 後遺障害等級第12級7号 1下肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの ③脛骨近位端部骨折(プラトー骨折) (1)概要 脛骨(すねの骨)の膝に近い部分を骨折した状態です。 (2)症状 骨折部の疼痛、腫脹、起立・歩行困難、膝関節可動域制限 (3)認定されうる後遺障害等級 後遺障害等級第8級7号 1下肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの 後遺障害等級第10級10号 1下肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの 後遺障害等級第12級7号 1下肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの ②膝蓋骨骨折 (1)概要 膝の皿部分を骨折した状態です。 (2)症状 骨折部の疼痛 (3)認定されうる後遺障害等級 後遺障害等級第12級12号 局部に頑固な神経症状を残すもの 後遺障害等級第14級9号 局部に神経症状を残すもの --- - Published: 2020-08-08 - Modified: 2020-08-12 - URL: https://workers-accident.jp/posts/99 - カテゴリー: 骨折 脛骨・腓骨骨幹部骨折 (1)概要 膝下部分の骨幹部の骨折です。 骨幹部は、内側にある太い脛骨と外側にある細い腓骨で形成されます。 (2)症状 骨折部の疼痛、起立・歩行困難、変形癒合、偽関節、下肢の短縮 (3)認定されうる後遺障害等級 後遺障害等級第7級10号 1下肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの 後遺障害等級第8級5号 1下肢を5センチメートル以上短縮したもの 後遺障害等級第8級9号 1下肢に偽関節を残すもの 後遺障害等級第10級7号 1下肢を3センチメートル以上短縮したもの 後遺障害等級第12級8号 長管骨に変形を残すもの 後遺障害等級第13級8号 1下肢を1センチメートル以上短縮したもの --- - Published: 2020-08-08 - Modified: 2020-08-12 - URL: https://workers-accident.jp/posts/100 - カテゴリー: 骨折 ①足関節果部骨折 (1)概要 足関節の内果(内くるぶし)、外果(外くるぶし)、後果の骨折です。 (2)症状 足関節の疼痛、圧痛、腫脹、起立・歩行困難 (3)認定されうる後遺障害等級 後遺障害等級第8級7号 1下肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの 後遺障害等級第10級10号 1下肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの 後遺障害等級第12級7号 1下肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの ②距骨骨折 (1)概要 かかと(踵骨)とすね(脛骨)の間の足首部分を骨折した状態です。 距骨は踵骨、脛骨と足関節を形成する骨です。 (2)症状 骨折部の疼痛、腫脹、足関節の可動域制限 (3)認定されうる後遺障害等級 後遺障害等級第8級7号 1下肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの 後遺障害等級第10級10号 1下肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの 後遺障害等級第12級7号 1下肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの --- - Published: 2020-08-08 - Modified: 2020-08-12 - URL: https://workers-accident.jp/posts/101 - カテゴリー: 骨折 踵骨骨折 (1)概要 かかと部分を骨折した状態です。 (2)症状 骨折部の疼痛、腫脹、歩行困難 (3)認定されうる後遺障害等級 後遺障害等級第12級12号 局部に頑固な神経症状を残すもの 後遺障害等級第14級9号 局部に神経症状を残すもの --- - Published: 2020-08-08 - Modified: 2020-08-12 - URL: https://workers-accident.jp/posts/102 - カテゴリー: 骨折 中足骨骨折、指骨骨折 (1)概要 足の甲部分、足指を骨折した状態です。 (2)症状 骨折部の疼痛、腫脹、足指の運動障害 (3)認定されうる後遺障害等級 後遺障害等級第7級11号 両足の足指の全部の用を廃したもの 後遺障害等級第9級11号 1足の足指の全部の用を廃したもの 後遺障害等級第11級8号 1足の第1の足指を含み2以上の足指の用を廃したもの 後遺障害等級第12級11号 1足の第1の足指又は他の4の足指の用を廃したもの 後遺障害等級第13級10号 1足の第2の足指の用を廃したもの、第2の足指を含み2の足指の用を廃したもの又は第3の足指以下の3の足指の用を廃したもの 後遺障害等級第14級8号 1足の第3の足指以下の1又は2の足指の用を廃したもの --- - Published: 2020-08-08 - Modified: 2020-08-12 - URL: https://workers-accident.jp/posts/103 - カテゴリー: 靭帯損傷 腱板損傷(腱板断裂) (1)概要 腱板は、肩甲下筋・棘下筋・棘上筋・小円筋の肩関節を動かす 4つの腱(筋肉と骨を結ぶ軟部組織)から構成されています。 腱板損傷はこれらの腱が損傷を受けた状態であり、断裂の状態により、完全断裂、部分断裂が生じます。 (2)症状 肩の痛み、肩関節可動域制限 (3)認定されうる後遺障害等級 後遺障害等級第10級9号 1上肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの 後遺障害等級第12級6号 1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの --- - Published: 2020-08-08 - Modified: 2020-08-12 - URL: https://workers-accident.jp/posts/104 - カテゴリー: 靭帯損傷 肘内側側副靭帯損傷・外側側副靭帯損傷 (1)概要 側副靭帯は、関節が横方向に動かないように支えている靭帯で、それぞれ外側側副靭帯・内側側副靭帯と呼ばれます。 損傷を起こしやすいのは、内側側副靭帯です。 (2)症状 肘の痛み、腫れ、圧痛、肘関節可動域制限 (3)認定されうる後遺障害等級 後遺障害等級第10級9号 1上肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの 後遺障害等級第12級6号 1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの --- - Published: 2020-08-08 - Modified: 2020-08-12 - URL: https://workers-accident.jp/posts/105 - カテゴリー: 靭帯損傷 TFCC(三角線維軟骨複合体) 損傷 (1)概要 TFCC(三角線維軟骨複合体)は、手首の小指側にあり、靭帯や腱などの軟部組織で形成されています。 手関節への衝撃をやわらげるクッションの役割を担っており、転倒で手をついたり、手首の捻挫などにより損傷を受けやすい部位です。 (2)症状転倒 手首の小指側の痛み、圧痛、ドアノブを回したときの痛み、手関節の可動域制限 (3)認定されうる後遺障害等級 後遺障害等級第10級9号 1上肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの 後遺障害等級第12級6号 1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの --- - Published: 2020-08-08 - Modified: 2020-08-12 - URL: https://workers-accident.jp/posts/106 - カテゴリー: 靭帯損傷 手指関節靭帯損傷 (1)概要 手指の関節の両側には、関節が横方向に曲がらないように支えている側副靭帯があります。 転倒などにより、手指PIP関節側副靭帯(指先から2番目の関節)、母指MP関節尺側側副靭帯(親指の付け根の関節) 、小指MP関節橈側側副靱帯(小指の付け根の関節)が損傷しやすいです。 (2)症状 手指の痛み、腫れ、関節可動域制限 (3)認定されうる後遺障害等級 後遺障害等級第4級6号 両手の手指の全部の用を廃したもの 後遺障害等級第7級7号 1手の5の手指又は母指を含み4の手指の用を廃したもの 後遺障害等級第8級4号 1手の母指を含み3の手指の用を廃したもの又母指以外の4の手指の用を廃したもの 後遺障害等級第9級9号 1手の母指を含み2の手指の用を廃したもの又母指以外の3の手指の用を廃したもの 後遺障害等級第10級6号 1手の母指又母指以外の2の手指の用を廃したもの 後遺障害等級第12級9号 1手の示指、中指又は環指の用を廃したもの 後遺障害等級第13級4号 1手の小指の用を廃したもの 後遺障害等級第14級7号 1手の親指以外の手指の遠位指節間関節を屈伸することができなくなったもの --- - Published: 2020-08-08 - Modified: 2020-08-12 - URL: https://workers-accident.jp/posts/108 - カテゴリー: 靭帯損傷 ①膝内側側副靭帯損傷・外側側副靭帯損傷 (1)概要 側副靭帯は、関節が横方向に動かないように支えている靭帯で、それぞれ外側側副靭帯・内側側副靭帯と呼ばれます。 損傷を受けやすいのは内側側副靭帯で、外側側副靭帯は単独損傷より他の靭帯損傷と合併して発症することが多い部位です。 (2)症状 膝の痛み、腫れ、関節の不安定性、可動域制限 (3)認定されうる後遺障害等級 後遺障害等級第8級7号 1下肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの 後遺障害等級第8級相当  常に硬性補装具を必要とする動揺性関節 後遺障害等級第10級10号 1下肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの 後遺障害等級第10級相当 時々硬性補装具を必要とする動揺性関節 後遺障害等級第12級7号 1下肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの 後遺障害等級第12級相当 過激な労働等の際以外には硬性補装具を必要としない動揺性関節 ②膝前十字靭帯損傷・後十字靭帯損傷 (1)概要 十字靭帯は、関節が前後に動かないように支えている靭帯で、それぞれ前十字靭帯・後十字靭帯と呼ばれます。 損傷を受けやすいのは前十字靭帯で、後十字靭帯は単独損傷より他の靭帯損傷と合併して発症することが多い部位です。 (2)症状 膝の痛み、腫れ、関節の不安定性、可動域制限 (3)認定されうる後遺障害等級 後遺障害等級第8級7号 1下肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの 後遺障害等級第8級相当  常に硬性補装具を必要とする動揺性関節 後遺障害等級第10級10号 1下肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの 後遺障害等級第10級相当 時々硬性補装具を必要とする動揺性関節 後遺障害等級第12級7号 1下肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの 後遺障害等級第12級相当 過激な労働等の際以外には硬性補装具を必要としない動揺性関節 ③膝半月板損傷 (1)概要 膝半月板は、大腿骨と脛骨の間にある軟部組織で、膝関節への衝撃をやわらげるクッションの役割を担っています。 前十字靭帯損傷に合併して損傷することが多い部位です。 (2)症状 膝の痛み、圧痛、膝の曲げ伸ばしの際のひっかかり感 (3)認定されうる後遺障害等級 後遺障害等級第12級12号 局部に頑固な神経症状を残すもの 後遺障害等級第14級9号 局部に神経症状を残すもの --- - Published: 2020-08-08 - Modified: 2020-08-12 - URL: https://workers-accident.jp/posts/109 - カテゴリー: 靭帯損傷 足関節外側靭帯損傷・内側靭帯損傷 (1)概要 足関節外側靭帯損傷は、足関節捻挫とも呼ばれ、外くるぶしの下端にある3つの靭帯、前距腓靭帯・踵腓靭帯・後距腓靭帯を損傷した状態です。 足関節捻挫の代表例で、足首を内側にひねることで発症します。 最も損傷しやすい部位は前距腓靭帯です。 なお、足関節内側靭帯損傷は足関節外側靭帯損傷に比べ頻度は少ないです。 足首を外側にひねり、内くるぶしの三角靱帯 を損傷した場合に発症します。 (2)症状 足関節の痛み、腫れ、圧痛 (3)認定されうる後遺障害等級 後遺障害等級第8級7号 1下肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの 後遺障害等級第8級相当  常に硬性補装具を必要とする動揺性関節 後遺障害等級第10級10号 1下肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの 後遺障害等級第10級相当 時々硬性補装具を必要とする動揺性関節 後遺障害等級第12級7号 1下肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの 後遺障害等級第12級相当 過激な労働等の際以外には硬性補装具を必要としない動揺性関節 --- - Published: 2020-08-08 - Modified: 2020-08-12 - URL: https://workers-accident.jp/posts/110 - カテゴリー: 靭帯損傷 リスフラン靭帯損傷 (1)概要 リスフラン靭帯は足の甲にある靭帯で、リスフラン関節(中足骨、立方骨、楔上骨を繋ぐ関節)を支えている靭帯です。 足を強く踏ん張った場合などに損傷します。 (2)症状 足の甲の痛み、腫れ、圧痛、体重をかけたときの痛み (3)認定されうる後遺障害等級 後遺障害等級第12級12号 局部に頑固な神経症状を残すもの 後遺障害等級第14級9号 局部に神経症状を残すもの --- --- ## 労災障害等級の解説 - Published: 2026-05-22 - Modified: 2026-05-22 - URL: https://workers-accident.jp/explanations/3385 - カテゴリー: 脳の障害 こちらの記事では遷延性意識障害について整理するとともに、 労災が原因で遷延性意識障害を負ってしまった場合の損害賠償請求や後遺障害について解説しております。 なお、医学的事項につきましては、医学博士早稲田医師(日本精神神経学会専門医・指導医、日本臨床神経生理学会専門医、日本医師会認定産業医)に記事監修をいただいております。 意識障害とは 意識は意識レベル(覚醒度)と認識機能の2つの要素で捉えることができます。 意識レベル(覚醒度)は、外的刺激に対する反応(開眼する、顔をしかめる等)により計ることができます。 意識レベル(覚醒度)と認識機能の両方が正常に保たれている状態を意識清明といい、どちらか一方あるいは両方が障害された場合を意識障害といいます。 ⑴意識レベル(覚醒度)の異常:意識混濁 傾眠、昏迷、半昏睡、昏睡(右に行くほど重症です)等の状態を意識混濁と言います。 意識レベルの判定には日本ではJCSやGCSが多用されます。JCS、GCSの具体的内容については後述します。 ⑵認識機能の異常:意識変容 せん妄、錯乱、もうろう状態などの状態を意識変容といいます。 意識変容は、通常、意識レベルが正常または傾眠程度の軽度の意識混濁の場合における認識機能の異常を指します。 ※せん妄... 軽度の意識混濁に、不安や焦燥など精神活動の興奮を伴ったもの ※もうろう状態... 軽度の意識混濁に意識野の狭窄を伴ったもの 以上の関係を図にまとめると、下図のようになります。 ⑶意識障害の評価方法(JCS、CGS) 前述のとおり、意識レベルの判定にあたり、日本ではJCS(Japan Coma Scale:ジャパンコーマスケール)とGCS(Glasgow Coma Scale:グラスゴーコーマスケール)という評価基準が多用されています。 ①JCS JCSは意識レベル(覚醒度)の評価に用います。 覚醒の程度によって、Ⅰ(1桁)、Ⅱ(2桁)、Ⅲ(3桁)の三段階に大きく分け、さらにそれを3段階に分けます。 点数は「Ⅱ-20」などと表記します。健常者(意識清明)は「0」と表記されます。 点数が高いほど状態が悪いということになり、意識レベルとの対応関係はおおむね以下のとおりです。 傾眠→10 昏迷→20、30 半昏睡→100、200 昏睡→300 Ⅰ:刺激しないでも覚醒している状態 0 意識清明 1(Ⅰ-1) 意識清明とは言えない 2(Ⅰ-2) 見当識障害がある 3(Ⅰ-3) 自分の名前、生年月日が言えない Ⅱ:刺激すると覚醒 10(Ⅱ-10) 普通の呼びかけで容易に開眼する 20(Ⅱ-20) 大きな声または体を揺さぶることにより開眼する 30(Ⅱ-30) 痛み刺激を加えつつ呼びかけを繰り返すと辛うじて開眼する Ⅲ:刺激しても覚醒しない状態 100(Ⅲ-100) 痛み刺激に対し、払いのけるような動作をする 200(Ⅲ-200) 痛み刺激で少し手足を動かしたり顔をしかめる 300(Ⅲ-300) 痛み刺激に全く反応しない ②GCS こちらは意識レベル(覚醒度)と意識内容を別々に評価しています。 開眼機能(E)、言語機能(V)、運動機能(M)の3要素に分けて意識状態を指標化し、これらの合計点数により評価します。 表記としては「E1 V2 M4 合計7点」などと表記します。健常者だと15点(満点)、最低点は3点です。 JCSとは対照的に、点数が低いほど状態が悪いということになります。 通常、11点以上の患者では中程度の障害を残すか良好に回復し、7点以下の患者は死亡したり遷延性意識障害(植物状態)になることが多いと言われています。 開眼(E:eye opening) 自発的に開眼 4 呼びかけにより開眼 3 痛み刺激により開眼 2 なし 1 言語(V:verbal response) 見当識あり 5 混乱した会話 4 不適切な単語を使う 3 無意味な発声 2 発語が無い 1 運動機能(M:motor response) 指示に従う 6 痛み刺激の部位に手足を持ってくる 5 痛みに手足を引っ込める(逃避屈曲) 4 痛みに上肢を異常屈曲させる(除皮質姿勢) 3 痛みに上肢を異常伸展させる(除脳姿勢) 2 全く動かない 1 意識障害が生じるメカニズムとは? (標準脳神経外科学第16版(医学書院)、135~136頁) ⑴意識障害のメカニズム 意識のうち、意識レベルの維持は主に脳幹網様体と間脳の視床下部が、認識機能の維持には主に大脳半球が関与しています。 ですので、脳幹障害、両側間脳障害、大脳半球の広範の障害のいずれか、またはこれらの病変が混在した場合に、意識障害が生じます。 ※補足 脳幹は、上から中脳、橋、延髄の3つが重なって構成されています。↑のイラストだと、見えているのは橋の下部と延髄の部分だけ(紫色)で、橋の中部より上と中脳は側頭葉に隠れている状態です。 間脳は脳幹の上部に位置し、大脳半球の中心部にありますので、↑のイラストでは図示されていません。強引に表現すれば、側頭葉の緑色と頭頂葉の赤色が交わるあたりにあります。視床上部、視床、視床下部から構成されます。 ⑵意識障害が生じる原因 大きくは、頭蓋内に一次的な原因を有している器質的脳疾患と、頭蓋外の原因で二次的に脳機能が障害されている機能性脳疾患に分けられます。 ①器質的脳疾患(一次的) 頭部外傷で発生する場合があるほか、脳血管障害によって発生することも多いです。 ②機能性脳疾患(二次的) 心不全、糖尿病、肝不全、腎不全等が挙げられます。 たとえば心不全でいいますと、心臓から全身に血液を行き渡らせることが困難になるため、脳への栄養やエネルギーの供給が不十分となり、これによって意識障害が生じる、といったかたちになります。 遷延性意識障害とは (標準脳神経外科学第16版(医学書院)、142頁、280頁) ⑴どのような状態を指すか 遷延性意識障害とは、頭部外傷や脳内出血などのため昏睡状態に至り、生命の危機を脱したのち... --- - Published: 2026-03-10 - Modified: 2026-03-11 - URL: https://workers-accident.jp/explanations/3370 - カテゴリー: 脳の障害 労働災害(以下「労災」といいます。)は、業務上の事由又は通勤により発生した災害のことをいいます。業種によって程度の差はありますが、重量物を取り扱ったり機械を使用したり、高所で作業する等、日常生活とは大きく異なる環境下で作業することも往々にしてあるため、労災による傷病の程度もより重いものとなる傾向があります。 本稿では、労災によって高次脳機能障害を後遺症として残存するに至った場合に、労災保険で認定される可能性がある等級や、補償されうる金額について解説しております。 なお、医学的事項につきましては、医学博士早稲田医師(日本精神神経学会専門医・指導医、日本臨床神経生理学会専門医、日本医師会認定産業医)にご監修をいただいております。 高次脳機能障害とは ⑴そもそも「高次脳機能」とは? 「高次脳機能障害」と聞いたとき、何となく重そうな障害であることはイメージできても、その具体的な内容についてはよく知らない人もまだまだ少なくないのではないでしょうか。そのため、言葉の意味をまずは見ていきましょう。 「高次脳機能」とは、言語、行為、認知、記憶、注意、判断など、人間が社会生活を営む中で学習し身につける機能を意味します。すなわち、言語を覚えて他者とコミュニケーションをとったり、空間や対象を認知したり、事柄を記憶したり、スケジュールを組み立てて実行したり、周囲の事物に注意を払い危機管理を行ったり、論理的に思考したり等の、生来体得しているものではなく、社会で成長する中で徐々に育まれてくる力のことです。これに対して、生き物として生きていくにあたり不可欠な、生命の基本を司る基本的脳機能のことを低次脳機能といい、「食べる」、「飲む」などの生命維持に欠かせない機能はこちらに含まれます。 ⑵高次脳機能障害とは 前述の高次脳機能の意味が分かれば、高次脳機能障害とはどのような障害であるかもおのずと見えてきますね。高次脳機能障害は、頭部外傷や病気等を原因として脳に器質的病変を来したことにより生じる、言語・行為・認知・記憶・注意・判断などの機能についての障害ということです。 高次脳機能障害は、脊髄損傷等のように目立った身体障害が生じることは多くなく、外見的に障害が目立ちにくいため、「みえない障害」と呼ばれることもあります。くわえて、事故直後にすぐに症状が現れるというよりは、日常生活において次第に症状が現れてくることが多いです。そのため、症状が現れて始めてから高次脳機能障害と診断されるまでにタイムラグが生じることもままあります。 ⑶高次脳機能障害の「行政的」定義 これまでに示した高次脳機能障害の定義は、学術的定義(医学における定義)になります。 他方、厚生労働省が示す高次脳機能障害の診断基準によれば、「行政的」定義における高次脳機能障害は以下2点を主要症状とするものであるとされています。 ①脳の器質的病変の原因となる疾病の発症や事故による受傷の事実が確認されている ②現在、日常生活または社会生活に制約があり、その主たる原因が記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害などの認知障害である これより、高次脳機能障害の診断にあたっては、脳自体(物理的意味での)に何らかの異常があることが必要とされているものといえます。 また、厚生労働省によれば、高次脳機能障害者は推計約23万人存在するとされており、適切な支援が受けられない現況にあるとされています。そうした状況を改善するため、高次脳機能障害者支援法が令和8年4月1日に施行され、高次脳機能障害者の生活全般にわたる支援を推進する動きが推し進められています。 高次脳機能障害の症状 脳外傷による高次脳機能障害について、原因になる脳外傷は局所性脳損傷かびまん性脳損傷のいずれかです。 なお、びまん性軸索損傷は、びまん性脳損傷の中でも重症な損傷態様の一つであり、軸索という神経線維の損傷を広範囲に伴うものを指します(詳しくは後述しております。)。 ⑴局所性脳損傷による巣症状 失語 脳の損傷が原因で、読む・書く・話す・聞くなどの言語機能が失われた状態です。前頭葉と側頭葉が関連します。 失行 運動麻痺や感覚障害がなく、記憶等も問題が無いにも関わらず、日常生活の様々な行為が損なわれます。頭頂葉が関連します。 失認 目は見えていて感覚に問題が無いにもかかわらず、眼に見たものを認識できない等の症状が生じます。側頭葉や後頭葉の損傷で生じます。 ⑵びまん性軸索損傷による症状 記憶障害 昔のことが思い出せない、新しいことを覚えることができないなどの状態です。主な病巣は海馬などの大脳辺縁系と言われます(大脳辺縁系は脳の内側にありますので上のイラストに記載ありません。)。 注意障害 物事に集中できない、集中する持続力が低下する、周りに注意が払えないなどの状態です。主な病巣は前頭葉の前頭連合野と言われます。 遂行機能障害 物事を行うための段取りが悪かったり、臨機応変な対応ができず(こだわりが強くて予定外のことに想定できない)、物事をスムーズに行うことができない状態です。主な病巣は前頭葉の前頭連合野と言われます。 社会的行動障害 易怒性(すぐに怒る)、意欲がわかない、特定のものに固執するなどして社会でうまく生きていくことが阻害される状態です。主な病巣は前頭葉の前頭連合野と言われます。 日常生活における具体的症例としては、今朝の朝食の内容を思い出せない(記憶障害)、仕事や作業に集中することができない(注意障害)、計画が立てられなくなる(遂行機能障害)、言葉を上手く話すことができなくなったり人の話が理解できなくなった(失語症)、お箸や歯ブラシの使い方が分からなくなった(失行症)、左側になるおかずが目にとまらず残すようになった(左半側空間無視)などが挙げられます(参考:「高次脳機能障害者地域支援ハンドブック」(改訂第五版))。 なお、高次脳機能障害は労災等の頭部外傷で生じることがありますが、必ずしも外傷を原因として発症するとは限りません。 たとえば... --- - Published: 2026-03-06 - Modified: 2026-03-08 - URL: https://workers-accident.jp/explanations/125 - カテゴリー: せき髄の障害 ここでは、業務中や通勤中に起きた事故によって脊髄損傷を負った場合に、①どのような症状が現れるのか、②後遺障害が残ってしまった場合の補償の2点について、労災被害者専門弁護士が解説しています。 なお、本記事は損害賠償請求を専門に取り扱う弁護士小杉による執筆記事となりますが、医学的事項を含むため、医学博士早稲田医師(日本精神神経学会専門医・指導医、日本臨床神経生理学会専門医、日本医師会認定産業医)に記事のご監修をいただいております。 また、頸椎/頚椎や、頸部/頚部で用いられる「頚」と「頸」の漢字表記につき、近年、日本医学会は印刷標準字体である「頸」の使用を推奨する旨の方針を示していることから、本記事においても日本医学会の方針に則り、「頸」を用いて表記することとします。この漢字表記の取り扱いに関する変遷については、以下のページにて特集しておりますので、もしよろしければご覧ください。 「頚髄損傷」と「頸髄損傷」。漢字が違うが意味も異なるのか? 1.脊髄損傷の症状について 中枢神経の一部分である脊髄は、脳から下がっており、脊椎という骨に守られるような形で位置しています。 脊髄は部位ごとに、頸髄、胸髄、腰髄、仙髄の大きく4つに分けられます。 また、その高位(レベル)に応じていくつかの髄節に分けられ、頸髄は第1頸髄~第8頸髄(C1~C8)、胸髄は第1胸髄~第12胸髄(T1~T12)、腰髄は第1腰髄~第5腰髄(L1~L5)、仙髄は第1仙髄~第5仙髄(S1~S5)と呼ばれています。 各髄節からは特定の位置に神経が伸びていることから、損傷した高位(レベル)によって現れる症状は異なってきます。 そして、脊髄損傷は一般に、損傷した高位(レベル)から下方の脊髄の神経が司る部位の機能が消失したり、障害が生じることになります。 以下では、頸髄損傷(頚髄損傷)、胸髄損傷、腰髄損傷の3パターンについて解説していきます。 ⑴頸髄損傷で現れる症状 頸髄を損傷した場合、首から下、すなわち体幹や四肢、胸腹部臓器の機能が消失または障害が生じます。 そのため、四肢麻痺や呼吸障害などの重篤な症状が現れることが多く、完全麻痺の場合は致命的となり、不全麻痺でも大きな後遺症が残ることが多いです。 ①麻痺(主に四肢麻痺、下半身不随) 大まかに、頸髄は首や上肢の機能を、胸髄は体幹や胸腹部臓器の機能を、腰髄は腰や下肢の機能を、仙髄は排泄機能などをそれぞれ司っています。 そして、たとえば手を握るや膝を曲げるなど、人間が体を動かそうとするとき、脳から脊髄を通り、各部に向かって信号が送られることとなります。 そのため信号の通り道である脊髄が損傷されると、信号が各部に届かなくなってしまい、その結果麻痺という症状が現れます。 頸髄損傷の場合は、往々にして四肢麻痺が残ることが多くみられます。 損傷高位(レベル)がC1~C3の場合はほぼ確実に四肢麻痺となり、首を動かすことも難しくなります。 C4~C5の場合には多少腕を曲げることはできるものの、やはりほぼ完全な四肢麻痺が生じることが多いです。 C6~C7の場合には、肩を動かしたり、ひじの曲げ伸ばしが多少可能になるなど、上肢は多少なりとも可動しますが、手や指には麻痺が生じ、四肢麻痺のような状態を呈することになります。 そして、後遺症として下半身不随が残ることがほとんどとなります。理由としては、脳からの運動に関する信号が、下肢の運動機能を司る腰髄まで伝達できないもしくは伝達が著しく阻害されてしまうからです。 ②呼吸障害・呼吸停止 呼吸において重要な役割を果たす器官である横隔膜に信号を送るのが、頸髄のC3~C5になるため、C5以上の高位(レベル)において頸髄を損傷した場合は、自力での呼吸が困難または全くできなくなります。 ③温度感覚、痛覚、触覚等の異常 損傷高位より下方の髄節支配領域において、温度感覚や痛覚、触覚などの表在感覚に障害が生じます。 たとえば手でカイロを握ったとき、手の皮膚の感覚神経から脊髄を通り脳に対して信号が伝達されることによって、その温かさを感じるというしくみになっています。 しかし、脊髄が損傷されることにより、損傷高位から下の髄節支配領域の感覚神経から脳に対して信号が送られなくなるため、結果、これらの表在感覚に障害が生じることになります。 頸髄損傷の場合は、主に体幹、四肢含め全身に表在感覚の障害が現れます。 ④位置感覚、振動感覚、立体識別感覚等の異常 表在感覚が存する皮膚より更に下、筋や腱、靭帯などに対する接触や刺激、運動から生じる感覚を深部感覚といい、これによって手足の位置や運動方向、振動などを感じることができます。 表在感覚と同様に、深部感覚の信号伝達についても、上下肢などの感覚神経から脳に対して行われるものであることから、 脊髄を損傷すると、損傷高位(レベル)より下の髄節支配領域にある感覚神経から脳に対する信号伝達に支障が生じ、これらの障害が生じます。 頸髄損傷の場合は、表在感覚の異常と同様に、主に体幹、四肢含め全身に深部感覚の障害が現れます。 ⑤発汗障害/体温調節の異常 人間の体は、常に一定の体温を保つために、自律神経によって体温調節がなされます。例えば暑い時には汗を分泌して体温を下げたり、寒い時には血管を収縮させて熱が逃げないようにするなど、体温調節においても自律神経は非常に重要な役割を持っています。 ですが、頸髄損傷により、損傷高位より下位では自律神経の働きが障害されてしまいます。そのため発汗が正常に行われなくなり、上手く体温調節ができなくなってしまいます。 ⑥尿路障害・膀胱機能障害(神経因性膀胱障害) 排尿や蓄尿に関わる膀胱や陰部は、胸髄や腰髄、仙髄からのびる神経によって制御が行われています。そのため頸髄が損傷されると、排尿などに関する脳からの信号がこれらの器官に届かなくなります。 神経伝達経路が断たれたことで、尿意を感じなくなったり、排出することもできなくなります。 ⑵胸髄損傷で現れる症状 胸髄を損傷し... --- - Published: 2024-01-19 - Modified: 2026-05-22 - URL: https://workers-accident.jp/explanations/1512 - カテゴリー: せき髄の障害 外傷により脊髄を損傷することを脊髄損傷といいますが、損傷の程度や状況によって多くの分類がなされます。 たとえば、脊髄を保護する骨である脊椎の損傷を伴う場合には骨傷性脊髄損傷といい、伴わない場合は非骨傷性脊髄損傷と呼ばれます。 また、脊髄の横断面の損傷の程度によっての分類として、大きく完全損傷と不全損傷とに分かれます。完全損傷は横断面全体が損傷されたケースであり、損傷した脊髄の高位より下位に完全麻痺が生じることとなります。他方、不全損傷は、横断面の一部が損傷されたケースであり、損傷範囲によって、前部脊髄損傷、後部脊髄損傷、脊髄半側損傷(ブラウン・セカール型損傷)、そして中心性脊髄損傷の4つの損傷パターンに類型化されています。 本稿では、不全損傷の一類型である中心性脊髄損傷について、その症状及び後遺症、そして後遺障害等級とのかかわりを、被害者専門弁護士の視点で解説していきます。 1.中心性脊髄損傷とは 上記で触れたように、中心性脊髄損傷は、不全損傷のうちの一つの損傷類型であり、脊髄横断面の中心部にある灰白質が損傷された状態を指します。 後述する受傷機転から、中心性脊髄損傷は頚髄について負傷することが多いため、以下では主に中心性頚髄損傷に焦点を当てて解説します。 中心性頚髄損傷を負傷するメカニズムは、主に、外部からの突然の衝撃によって首が大きく前後に振れてしまい、首が不自然に大きく後ろに反り返った状態(過伸展といいます)が生じることによって、頚髄(頸髄)の中心部が損傷されるかたちになります。 また、中心性頚髄損傷は脊椎等の骨折を伴わない場合にも生じることがあるので、骨傷性・非骨傷性いずれもみられるものとなります。 2.症状 ⑴上肢の対麻痺・痙性麻痺(痙縮) 脊髄損傷を負傷すると、損傷高位から下位の髄節の支配領域について麻痺が生じることが極めて多いため、脊髄損傷は通常下肢の麻痺を発症することが多いです。 しかし、中心性頸髄損傷の場合、下肢よりも上肢に麻痺が強く生じ、痙性麻痺(痙縮)の症状を呈することが多いです。こうした通常の脊髄損傷と異なる麻痺の態様となる理由としては、脊髄横断面を考えたときに、脳から頚髄の神経支配領域(首・肩・上肢)に運動神経の信号を送る伝達経路が脊髄の中心寄りに位置しており、かたや胸髄や腰髄、仙髄の神経支配領域(胸髄は体幹、腰髄は股関節以下の下半身、仙髄は排泄機能に関わる器官や下半身背側)は脊髄中心部から離れた位置にあるためです。そのため中心性頚髄損傷を負うことによって、脳から頚髄への運動神経の信号の伝達が障害される一方で胸髄や腰髄、仙髄への信号伝達には障害が生じない状態となり、したがって下肢よりも上肢に強い麻痺が生じることとなります。 ⑵手指の巧緻運動障害やしびれ お箸を持ち上げる、洋服のボタンを留められなくなるなど、指先で細かい動きをすることができなくなったり、困難になる症状が現れます。 巧緻運動障害が生じているか確認する方法としては、お箸を持ち上げられるか、ボタンを留めることができるか、字をきちんと書けるかなどの日常生活動作の様子をみることが挙げられます。また、10秒テストというテストを行うことでも確認ができます。このテストは、左右のて手それぞれでグーパーする動作を10秒間に何回できるかを調べるテストで、正常値は20回以上となります。したがって、これを下回る結果だった場合は、巧緻運動障害が生じている可能性があります。 ⑶感覚障害 温度感覚や痛覚など、一部の表在感覚について障害が生じます。脊髄には手足や体から脳に向かって感覚神経の信号を送る伝達経路が通っており、運動神経と同様、頚髄の神経支配領域からの知覚信号の通り道は中心寄りに位置しています。したがって、中心性頸髄損傷によって頚髄の支配領域から脳へ感覚神経の信号を送る伝達経路が障害され、感覚障害が現れることとなります。 3.後遺障害等級 業務中の事故や出退勤中の事故によって中心性頚髄損傷を負い、前述のような症状が後遺症として残存した場合、勤務先の労災保険を使用し、障害(補償)給付の支給請求を行うことができる場合があります。一般的に脊髄損傷の後遺症については、麻痺の程度や範囲、介護の要否及び程度に応じて、併発することの多い感覚障害や神経因性膀胱障害の程度も加味しつつ後遺障害等級認定が行われます。中心性頚髄損傷の場合、主に上肢の対麻痺が後遺症として残存することが多いですが、下肢にも麻痺の後遺症が残ることもあるため、それも加味して等級判断がなされます。 中心性頚髄損傷の場合に該当する可能性が考えられる後遺障害等級は以下のとおりとなります。 ⑴第5級の1の2 「せき髄症状のため、きわめて軽易な労務のほかに服することができないもの」に該当する場合、第5級の1の2が認定されます。第5級の1の2が認定された場合、当該障害の存する期間1年につき給付基礎日額の184日分の障害年金が支給されます。 第5級の1の2に該当する可能性があるのは、具体的には、以下のような場合となります。 a 軽度の対麻痺が認められるもの b 一下肢の高度の単麻痺が認められるもの ⑵第7級の3 「せき髄症状のため、軽易な労務以外には服することができないもの」に該当する場合、第7級の3が認定されます。第7級の3が認定された場合、当該障害の存する期間1年につき給付基礎日額の131日分の障害年金が支給されます。 具体的には、「一下肢の中等度の単麻痺が認められるもの」が該当します。 ⑶第9級の7の2 「通常の労務に服することはできるが、せき髄症状のため、就労可能な職種の範囲が相当な程度に制限されるもの」に該当する場合、別表第二第9級10号が認定されます。この場合、給付基礎日額の391日分の障害一時金が支給されます。 具体的には、「一下肢の軽度の単麻痺が認められるもの」が該当します。 ⑷第12級の12 「通常の労務に服することはできるが、せき髄症状のため、多少の障害を残すもの」に該当する場合、第... --- > 高次脳機能障害について弁護士目線での解説をしております。適切な後遺障害等級の認定を受けるためには、画像所見がどこまで重視されるのか、被害者・患者さんの症状や能力がどう後遺障害等級認定に影響するのかについて、詳細に解説しております。付随する後遺障害等級や、慰謝料などの損害論の説明もしております。ご覧ください。 - Published: 2023-06-04 - Modified: 2023-07-04 - URL: https://workers-accident.jp/explanations/124 - カテゴリー: 脳の障害 お仕事中や通勤途中で頭に怪我をしてしまい、寝たきりになってしまった事例や、介護が必要になってしまった事例、また、労災事故前と比べ「物忘れが多くなった・怒りっぽくなった・仕事がしづらくなった」などの事例では【高次脳機能障害】が考えられます。 ここでは弁護士法人小杉法律事務所の代表弁護士小杉が高次脳機能障害の後遺障害等級認定基準について解説していきます。 当事務所では、労災被害者の方向けに、適切な損害賠償金や後遺障害等級の無料査定を行っております。損害賠償金や後遺障害等級の無料査定についてはこちらのページをご覧ください。 高次脳機能障害とは 高次脳機能障害の定義 高次脳機能障害とは、「運動障害や感覚障害などの神経学的症状に対し、失行、失認、健忘、遂行機能障害などのより高次の知的な脳機能の障害を指す」とされています(南山堂医学大辞典)。 「高次の知的な脳機能の障害」というのは、例えば、箱を組み立てるといった単純作業はできるものの、電話で聞き取った内容をパソコンに入力していくといったような仕事で要求される複雑な仕事はできないといった事態が生じます。 身体的には問題のない事例もありますが、高次脳機能障害となると、日常生活や社会適応に支障をきたすことになります。 また、高次脳機能障害の患者自身に、高次脳機能障害であることの自覚がない/自覚に乏しいといった特徴を有します。 脳の構造(脳の連合野で分担される働き) 高次脳機能障害は、脳に損傷を受けたことによって、認知、記憶、思考、注意の持続などの脳の高次脳機能と呼ばれる機能が障害されることを意味しますが、脳が損傷を受けた場所によって生じる症状が異なってきます。 ここではそれぞれの脳の構造(脳の連合野で分担される働き)を見ていきましょう。 前頭葉(前頭連合野) 前頭葉(前頭連合野)では、計画、決定、合理的な目的行動にかかわる「意志」「創造」「思考」「感情」といった機能を司っています。 従いまして、脳のうち前頭葉を損傷してしまうと、例えば、計画や決定にあたり、適切な、意志やイメージや思考や感情を形成できないことになってしまいます。 頭頂葉(頭頂連合野) 頭頂葉(頭頂連合野)では、立体感覚を組み立てたり、身体からの知的情報を受け取り、「理解」「認識」「知覚」といった機能を司っています。 従いまして、脳のうち頭頂葉を損傷してしまうと、例えば、立体感覚がわからなくなってしまったり、物を触れてもその対象物の知覚や認識や理解ができないということになってしまいます。 側頭葉(側頭連合野) 側頭葉(側頭連合野)では、音を聞き分けたり言葉を話すための「聴覚」「言語」機能を司るほかに、「判断」や「記憶」といった重要な働きも有しています。 従いまして、脳のうち側頭葉を損傷してしまうと、例えば、聴覚障害になってしまったり、言語障害になってしまったり、適切な判断ができなくなってしまったり、物事を記憶できなくなってしまったりといった障害が生じてしまうことになります。 後頭葉 後頭葉では、目から入る明暗や色などの情報を処理する「視覚」の機能を司っています。 従いまして、脳のうち後頭葉を損傷してしまうと、例えば、目から入る明暗を調整できなくなってしまったり、色の識別ができなくなってしまったりといった障害が生じてしまうことになります。 小脳 小脳では、身体の平衡を保つ身体の運動の調節機能を司っています。 従いまして、脳のうち小脳を損傷してしまうと、例えば、身体の平衡が保てなくなり、重度のめまいなどの症状が生じてしまうことになります。 脳幹 脳幹では、呼吸や血圧といった中枢機能を司っています。 従いまして、脳のうち脳幹を損傷してしまうと、例えば、呼吸障害が生じたり、血圧に障害が生じてしまうことになります。 高次脳機能障害の原因 高次脳機能障害の原因としては、脳血管障害や頭部外傷、神経変性疾患、脳腫瘍、その他が挙げられています(南山堂医学大辞典)。 本サイトは医学サイトではなく、弁護士による労災被害における損害賠償請求に関するサイトですので、頭部外傷を原因とする高次脳機能障害について説明していきます。 高次脳機能障害の診断基準 高次脳機能障害は、画像検査などで客観的異常を確認できないことも多く、的確な診断は必ずしも容易ではないとされています(南山堂医学大辞典)。 脳というのは、非常に複雑で繊細な構造をしていますので、現在の医学水準における、頭部のMRIやCTなどの画像検査では、客観的な異常を発見できないことも多くあるのです。 MTBIが代表的な例ですが、アメリカの医学会では画像検査などで客観的異常が確認できなくとも、高次脳機能障害であり得ることは広く認知されていますが、日本の医学界では、アメリカほどMTBIに関する診断水準が進んでいません。 交通事故における自賠責保険会社の審査ほどではありませんが、労災においても画像検査結果に重きを置いた判断がなされています。 高次脳機能障害の症状 高次脳機能障害では様々な症状が見られますが、ここでは後遺障害等級認定において重視されている21の症状を紹介していきます。 交通事故に遭って頭部を受傷してしまった被害者の方で、これらの症状が1つでも当てはまる場合は、高次脳機能障害として後遺障害等級認定がなされる可能性があります。 以前に覚えていたことを思い出せない 新しいことを思い出せない 疲れやすく、すぐ居眠りをする 自発性低下、声かけが必要 気が散りやすく、飽きっぽい 発想が幼児的、自己中心的 話がまわりくどく、考えを相手に伝えられない 周囲の人との意思疎通を上手に行えない 複数の作業を同時に行えない 行動を計画したり、正確に遂行することができない 粘着性、しつこい、こだわる 感情の変動がはげしく、気分が変わりやすい 感情や言動をコントロールできない ちょっとしたことですぐ怒る 暴言・暴力 性的な異常行動・性的羞恥心の欠如 ふさぎこむ・気分が落ち込む 特に理由もなく不安を感じている... --- - Published: 2020-08-14 - Modified: 2020-09-21 - URL: https://workers-accident.jp/explanations/136 - カテゴリー: せき柱及びその他の体幹骨 せき柱変形障害 SQ法(semi-quantitative method) SQ法(semi-quantitative method)とは、椎体全体の形状を見て、その変形の程度をグレード分類する方法のことをいい、半定量的評価法とも呼ばれます。 正常のグレード0に基づいて、視覚的に椎体の高さや全体の面積という形態を評価して、椎体の変改を軽度変形グレード1、中等度変形グレード2、重度変形グレード3と分類します。 当事務所の交通事故の解決事例では、第2腰椎圧迫骨折にて後遺障害等級11級7号(労災でいう「第11級の5」)の認定を受けていた被害者について、せき柱の権威の先生に対し医師面談を実施し、SQ法でグレード3と認定してもらうことによって、後遺障害等級を8級相当(労災でいう「準用8級」)に上げたケースがございます。 この解決事例の詳細はこちらをご覧ください。 なお、SQ法以外の椎体骨折の評価方法には、QM法(quantitative measurement)というものがあり、これはSQ法が半定量的評価法と呼ばれるのに対し、定量的評価法と呼ばれています。 椎体側面像で前縁・中央・後縁の椎体高を求めて、その比で評価をする方法です。 椎体の変形の種類 1 楔形変形 楔形変形とは、椎体の前縁の高さが減少する変形のことをいいます。 2 魚椎 魚椎とは、椎体の中央が凹む形の変形のことをいいます。 3 扁平椎 扁平椎とは、椎体の全体にわたって高さが減少する変形のことをいいます。 --- --- ## 解決実績 > 重機による労災事故で、自動値を追記し障害等級準用8級を獲得、賠償金含め合計6300万円を獲得して示談解決した事例のご紹介です。 - Published: 2026-08-03 - Modified: 2026-08-03 - URL: https://workers-accident.jp/results/3391 - タグ: 8級, 逸失利益, 重機 - カテゴリー: 8級, その他, 業務災害, 足, 障害(補償)給付 今回ご紹介するのは、重機に足を轢かれてしまった労災事故被害者Kさん(10代、男性、土木作業員)の解決事例です。 ご依頼を受けた弁護士の木村治枝は、障害等級準用8級を獲得、合計約6300万円を獲得して示談解決しました。 弁護士はどのように本事案を解決したのでしょうか? 交通事故被害者専門弁護士が解説します。 労災事故に強い弁護士法人小杉法律事務所では、被害者専門の弁護士による賠償金無料査定サービスを行っております。 労災被害に遭いお困りの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。 被害者専門弁護士による賠償金無料査定サービスは、こちらのページから。 事故状況、相談に至るまでの経緯 傷病名:左足関節圧挫傷、左足部圧挫傷、左下腿圧挫傷、末梢性神経障害、末梢循環障害、左腓腹筋損傷症、症候性神経痛 Kさんは土木作業員として働き始めたばかりの10代の方でした。 作業現場で他の作業員が重機を移動させていたところ、操作ミスで重機を後退させてしまい、後ろで別の作業をしていたKさんの左足がクローラーに巻き込まれてしまいました。 左足首圧迫挫傷などの怪我を負い、圧迫挫傷にともなう末梢神経障害で麻痺が残り、Kさんは杖がないと歩けない状況になってしまいました。 Kさんはまだ未成年で若いため、今後の生活や仕事、将来を心配したご家族様から、適切な補償を受けたいとご相談をいただきました。 参考:末梢神経損傷について、中枢神経と末梢神経の違い(弁護士法人小杉法律事務所監修) | 【慰謝料請求に強い】交通事故後遺障害被害専門の弁護士相談 弁護士木村治枝の法律相談 ご相談いただいた際まだ事故直後であり、今後どういうことをしないといけないのか、何ができるのか、どういった流れで進んでいくのかがわからないと、ご家族様はご不安なに思われていました。 そこで弁護士は、できるだけご安心いただきたいと考え、どういった請求をしていくことになるのか、将来の見通しを詳しくご説明させていただきました。 今回は労災保険からの給付と、加害者側への賠償請求の2つが考えられたため、それぞれについて流れをご説明いたしました。 具体的には、症状固定後に労災の障害補償給付の申請をし、その結果をもとに示談交渉に進んでいくことになります。また、このとき事故状況を裏付ける資料がなかったため、並行して事故状況の資料収集も行っていくとご案内いたしました。 後日、親身に相談に乗ってくださった小杉法律事務所に依頼したいということでご連絡をいただきました。 Kさんは10代という若さで足に大きな怪我をされており、ご本人はもちろん、ご家族様もとてもご不安なご様子でした。弁護士は、皆様のご不安を解消し、将来のために、できるだけの補償・賠償を獲得したいと決意して、まずは資料収集から始めていきました。 参考記事: ・労災事故の発生から解決までの流れ | 【労災被害専門の弁護士による無料相談】弁護士法人小杉法律事務所 ご依頼後の動き・弁護士のサポートで後遺障害等級10級の10認定! 受任後の動き ご依頼を受けた弁護士は、まず加害者の所属する会社へ受任通知を出し、事故に関する記録の開示を求めました。 また、治療終了時期(症状固定日)が近づいた段階で、労災の障害診断書の作成依頼を行いました。依頼にあたっては、必要な記載や検査結果を過不足なく書いていただけるように、医師へのお手紙も添付しました。 完成した診断書を確認したところ、可動域の数値が他動値のみとなっていました。 可動域の測定値には、自力でどこまで動かせるかという「自動値」と、他者に動かしてもらった時どこまで動くかという「他動値」の2種類があります。 原則として、等級の認定時に参考にされるのは、客観的な数値である他動値です。 ただし、麻痺のように、「他人に動かしてもらえば動くが、自力では動かせない」という場合には、例外的に自動値が採用されます。 今回、Kさんは麻痺によって足関節と足先の運動障害(機能障害)が生じている可能性があったため、自動値で等級の認定を受けられる可能性がありました。 しかし、診断書には他動値しか記載されていなかったため、医師にお願いして自動値の測定と診断書への追記をしていただきました。 等級認定 前述の診断書を基に申請した結果、自動値の数値を採用して等級が認定され、 足関節について障害等級第10級の10「1下肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの」に該当する 足指について障害等級第9級の11「1足の足指の全部の用を廃したもの」に該当する として、準用8級が認定され、約300万円を獲得しました。 参考: ・下肢の機能障害の後遺障害等級認定基準|後遺障害専門の弁護士法人小杉法律事務所 ・足指の機能障害の後遺障害等級認定基準(弁護士法人小杉法律事務所監修) 示談交渉により、賠償金約6000万円で解決 等級が確定した後は賠償請求に進みました。 Kさんは10代で働き始めてすぐに事故に遭ったため、まだ年収が少ない状況でした。 そのため、示談交渉では、逸失利益の基礎収入が大きな争点となりました。 弁護士は、Kさんが若年者であることを根拠に、全国の平均収入である賃金センサス(男性全年齢平均)の金額を基礎収入として計算すべきだと主張しました。 交渉の結果、最終的には実収入を大きく超える基礎収入が認められました。 また、相手方は、当初Kさんにも過失があったと過失割合を争う姿勢を見せていましたが、弁護士の交渉が功を奏し、過失相殺もなしとなりました。 最終的に、賠償金約6000万円を獲得して解決となりました。 参考記事: ・【労災事故で請求できる損害賠償と金額の相場】労災専門の弁護士法人小杉法律事務所 ・【逸失利益】とは?意味やポイントについて損害賠償請求専門弁護士が解説! 依頼者の声 労災事故の件でご依頼させていただきました。 事故直後は不安でどうすれば良いのか分からずにいましたが、木村先生に親身に相談に乗って頂き、こちらに依頼する事に決めました。... --- - Published: 2026-05-22 - Modified: 2026-07-15 - URL: https://workers-accident.jp/results/3384 - タグ: 急性大動脈解離, 過労 - カテゴリー: 業務災害, 死亡, 過労, 遺族(補償)給付 今回ご紹介するのは、過労で亡くなられたLさん(50代、男性、会社員、福岡)の解決事例です。 ご依頼を受けた弁護士の木村治枝は、 審査請求により労災の遺族補償年金の支給額を増額し、 損害賠償金約6000万円を獲得して示談解決しました。 弁護士はどのように本事案を解決したのでしょうか? 交通事故被害者専門弁護士が解説します。 労災事故に強い弁護士法人小杉法律事務所では、被害者専門の弁護士による賠償金無料査定サービスを行っております。 労災被害に遭いお困りの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。 被害者専門弁護士による賠償金無料査定サービスは、こちらのページから。 ご依頼に至るまでの経緯 Lさんは会社員として朝から晩まで長時間働いており、家ではあまり仕事の話をしない方でした。 そんなLさんが、お亡くなりになる前には、「きつい」と繰り返し仰っていました。 また、Lさんは健康診断で高血圧とも診断されていました。 Lさんはそれでも仕事を続けていらっしゃいましたが、ある日、会社で仕事中に昏倒し、救急搬送されました。 ご家族様が駆け付けた時は意識があり、病院から検査すると説明を受けて待っていたところ、突如容体が急変し、Lさんはお亡くなりになりました。 診断は、急性大動脈解離でした。 ご遺族様は、会社に労災申請をしたいと伝えましたが、会社は残業時間が足りないから労災は通らないと言って申請すらしてくださいませんでした。そこで、労働組合に相談したところ、組合が必要書類を準備してくださり、労災申請はすることができました。その後、労災の認定もおりました。 ご遺族様は、会社の労働時間の管理が杜撰だったと感じており、仕事が原因で亡くなったと考えていました。 そこで、会社に対する賠償請求が可能か、弁護士に相談することにしました。 弁護士木村治枝の法律相談 過労の事案では、労災資料や会社から開示された資料、ご遺族様がお手持ちの資料などを基に、急性大動脈解離を発症するような過重業務をさせていたということを主張・立証し、会社の責任を追及していくことになります。 ただ、Lさんは事故前に高血圧と診断されていたため、会社側から「過労ではなく高血圧が原因ではないか」と反論される可能性が考えられました(素因減額)。そのため、反論に備えて、医療記録の確認や裁判例の調査なども行っていきます。 また、相手方となる会社があまり大きい企業ではなかったため、ご遺族様は「請求しても倒産してしまい、何も支払ってもらえないのでは」と懸念されていました。 しかし、企業は保険に加入していることも多いため、そこから補償を受け取れる可能性があります。 会社のお話では保険に加入はしていそうでしたので、責任が認められれば支払いの可能性はあると考えられました。 さらに、Lさんには未払いの残業代があるようでしたので、損害賠償請求に加えて、未払い残業代も会社に請求することになりました。 そして、労災手続きにおいても、未払いの残業時間があることが認められれば、ご遺族様が受け取れる遺族補償年金の金額が増額される可能性があります。 そのため、労災の審査請求も行うべきだと考えられました。 以上のように、法律相談では、請求できるものや今後の流れなどを中心にご案内させていただきました。 その後、何度かご相談をいただき、弁護士と十分に方針のすり合わせや契約内容の確認を行ったのち、「自分達では対応が難しいと思うので、弁護士にお願いしたい」とのご連絡をいただきました。 ご遺族様は気丈に振舞われていらっしゃいましたが、それでもLさんのお話をされるときは堪えきれず涙を流されていました。 お話をお伺いした弁護士としても、過労が原因だろうという見解であり、Lさんと残されたご家族様のためにできる限りのことをしたいと決意し、ご依頼を受けることになりました。 基礎給付日額に関する審査請求 労災では、Lさんの収入を基に基礎給付日額を算出し、それを基に遺族補償年金の支給金額を決定しています。 (基礎給付日額についての詳細はこちらのページへ。) そして今回は、労働基準監督署が、未払い残業代を把握できていないまま、基礎給付日額を算出している可能性がありました。 そのため、未払いの残業代を含めて再計算していただくことで、基礎給付日額が上がり、遺族補償年金の支給額も増額される可能性があります。 そこで、弁護士はまず労災の記録開示を行い、労働基準監督署がLさんの勤務時間や収入をどのように認定し、基礎給付日額をどう算出したのかを確認しました。 その結果、やはり未払い残業代を含まない形で基礎給付日額が算出されていましたので、未払い残業代を含めて再計算すべきだと主張し、審査請求を行いました。 審査請求では、開示された労災資料や、Lさんが持っていたデータ、Lさんの日記などをもとに、基礎給付日額に含まれていない残業があることを立証しました。 その結果、残業の一部が認められて日額が上がり、ご遺族様が受け取る遺族補償年金を増額できました。 会社への請求 その後は会社への賠償請求と未払い残業代の請求に進みました。 未払い残業代については、審査請求で労働局が認めていたこともあり、早期にお支払いをしていただくことができました。 一方、賠償請求については、相手方が①労災補償保険法附則64条に基づく減額主張と、②高血圧に基づく素因減額の主張をしてきました。 労働者災害補償保険法附則64条 同条は、労災事故で年金等を受け取っている場合には、年金の受給が終わるまでの期間、会社は賠償金の一部の支払いを猶予されると規定しています。そして、その後の年金によって、猶予分の金額が補填されれば、会社はその分の賠償金を支払う義務がなくなります。これは、年金と賠償金の重複受け取りを避けるための規定です。 相手方はこの規定に基づき、一部は支払いを猶予されるべきだと主張してきました。 これについては最高裁でも認める判決が出ているため、争うことは難しいと考えられました。 一方、②高... --- > 転落事故による腰椎圧迫骨折で障害等級8級認定済みの事案で、会社への損害賠償請求を行い、示談金約3000万を獲得した事例のご紹介です。 - Published: 2026-03-04 - Modified: 2026-07-15 - URL: https://workers-accident.jp/results/3363 - タグ: 8級, 慰謝料, 損害賠償請求, 過失割合 - カテゴリー: 8級, 業務災害, 腰椎, 転落事故, 骨折 今回ご紹介するのは、トラックから転落した 労災事故被害者Jさん(40代、男性、運送業)の解決事例です。 ご依頼を受けた弁護士の木村治枝は、 示談金約3000万円を獲得して解決しました。 弁護士はどのように本事案を解決したのでしょうか? 労災被害者専門弁護士が解説します。 弁護士法人小杉法律事務所では、 被害者専門の弁護士による賠償金無料査定サービスを行っております。 労災事故でお困りの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。 被害者専門弁護士による賠償金無料査定サービスは、こちらのページから。 ご相談に至るまでの経緯 トラック運転手として入社したばかりだったJさんは、トラックコンテナ清掃中にコンテナからの転落事故に遭い、第一腰椎圧迫骨折の怪我を負ってしまいました。 労災保険を使用して通院し、入院・手術も行いましたが、それでも腰の痛みや可動域制限がよくならず、事故後1年半弱で治療を終了して症状固定となりました。 その後、ご自分で労災の障害補償給付申請を行い、腰椎の可動域制限について障害等級8級の2の認定を受けていました。 Jさんは、「このような大きな事故に遭うのが初めてで、この後どうしたらよいかわからない。何から聞けばよいかもわからない。」 「会社に対して損害賠償請求をすると言うのは一般的なのか。請求してもよいのか。」 「解決までの時間や、弁護士費用はどれくらいかかるのか。」 といったご不安をお持ちで、今後について相談すべく弊所にお問い合わせくださいました。 参考記事: ・腰椎圧迫骨折の後遺症|医師監修記事・後遺障害専門の弁護士法人小杉法律事務所 ・腰椎圧迫骨折の後遺症と11級|後遺障害専門の弁護士法人小杉法律事務所 弁護士木村治枝の法律相談 法律相談では、Jさんから詳しいお話をお伺いし、腰部に可動域制限が残っていること、痛みに日々悩まされていること、長時間歩くことができず、重いものも持てない、といった重い後遺症に悩まされていることがわかりました。 弁護士木村は、事故状況からして、転落防止措置などの安全対策を怠った会社側に、安全配慮義務違反が成立する可能性があり、後遺症に関する損害も会社に請求できるのではないかと考えました。 他方で、転落事故では被害者自身に責任があると判断され、安全配慮義務違反が認められないケースもあります。会社に責任がないと判断されれば、賠償金は0円となってしまうため、その点がリスクでした。 法律相談では、そういったリスクや争点となりえるポイントも含めて、会社に対する損害賠償請求の可能性や手続き、費用などについて詳しく説明させていただきました。 そして、説明に納得いただいたJさんから、後日正式にご依頼を受けることになりました。 参考記事: 労災事故の発生から解決までの流れ | 【労災被害専門の弁護士による無料相談】弁護士法人小杉法律事務所 安全配慮義務違反に基づく損害賠償請求 弁護士木村は、安全配慮義務違反の主張・立証をするためには、事故状況の裏付けが必要になると考え、まずは事故状況に関する資料の収集に取り掛かりました。また、資料入手後には、類似の裁判例の調査も行いました。 並行して、会社へ請求する金額の検討も進めました。請求額の算定では、請求漏れなどが起きないように、Aさんが支出を余儀なくされた費用や、事故により得られなくなった収入(休業損害・逸失利益等)などの損害を細かく分析し、その裏付け資料を収集しました。 また、前述のとおり、Aさんは後遺症により日常生活の中で大変な不便を被り、精神的にも辛い思いをされておりました。そこで弁護士木村は、そのことも損害額に反映されるべきだと考え、慰謝料額を相場よりも増額して請求することにしました。 以上の通り、請求内容を十分に精査したうえで、会社には転落防止措置を講ずる義務違反があったと主張する損害賠償請求書を作成し、会社に送付しました。 参考記事: 【労災事故で請求できる損害賠償と金額の相場】労災専門の弁護士法人小杉法律事務所 交渉により約3000万円を獲得して示談! 請求書送付後、会社はまず各損害費目の裏付け資料の提出を求めてきました。そこで弁護士は、準備していた資料を基に一つ一つ説明を行いました。 これにより、請求金額はこちらの主張が全面的に認められ、争点は過失割合のみとなりました。 過失割合について、会社は、Jさんに一定程度の経験があったことや、上司が指導を行っていたことから、Jさんにも過失が認められると主張してきました。 これに対し弁護士木村は、「Aさんに過失は認められない、仮に認められるとしても、会社が主張するほどの過失割合は大きすぎる」と考えました。そこで、Jさんとも方針の打ち合わせや事実確認を行いつつ、反論していきました。 そして最終的に、相手方の主張する過失割合の約半分の割合で合意させることに成功し、示談金約3000万円を獲得して和解となりました。慰謝料についても相場を超える金額で合意いただきました。 依頼者の声 この度はお世話になりました。 請求について気になる点があった時なども丁寧に説明してくださり、的確なアドバイスをいただけたので、納得して進めていくことができました。 また何かあれば相談させていただこうと思います。 無事に解決していただき、ありがとうございました。 弁護士木村治枝のコメント Jさんから、突然大きな事故に遭い治療をしている間も不安や苦痛が大きかったこと、Jさんやお医者様が懸命に治療をされたものの残ってしまった後遺症により生活が一変してしまったことなどをお伺いし、出来る限りの補償を受けていただきたいと考え、思いつく限りの対応をさせていただきました。 労災事故では、安全配慮義務違反が認められなければ、賠償金を受け取ることができません。 そして、安全配慮義務違反は、明確な基準があることは少なく、主張の構成や集めることができた根拠資料によって、大きく判断が変わるものです。そのため、安全配慮義務違反を理由とする損害賠償請求を... --- > 母子末端骨開放骨折による足指の可動域制限で障害等級12級の11を獲得し、合計1200万円以上を獲得して示談解決した事例のご紹介です。 - Published: 2026-01-06 - Modified: 2026-01-06 - URL: https://workers-accident.jp/results/3356 - タグ: 慰謝料, 障害等級12級, 骨折 - カテゴリー: 12級, 業務災害, 足, 障害(補償)給付, 骨折 今回ご紹介するのは、物が倒れてきて骨折した、 労災事故被害者Iさん(30代、男性、清掃業)の解決事例です。 ご依頼を受けた弁護士の木村治枝は、 労災の障害等級12級の11を獲得、 合計1200万円以上を獲得して示談解決しました。 弁護士はどのように本事案を解決したのでしょうか? 労災被害者専門弁護士が解説します。 弁護士法人小杉法律事務所では、 被害者専門の弁護士による賠償金無料査定サービスを行っております。 労災事故でお困りの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。 被害者専門弁護士による賠償金無料査定サービスは、こちらのページから。 事故と怪我の状況 Iさんは、副業で清掃業の単発アルバイトをしていた際 立てかけていた30kgほどの板が倒れて、 足の親指に直撃し、母子末端骨開放骨折、 右第1趾爪剥離症などの大怪我を負いました。 事前の説明では安全靴が貸与されるという話でしたが 現場では安全靴がなくても平気だと言われ、 何ら安全対策をしないまま作業をさせられたことで、 起きた事故でした。 家族も支えなければならない中、治療費もかかり、 本業も休業せざるを得なくなって困ったIさんは、 会社の安全配慮義務違反を問いたいと思い 弁護士に依頼することにしました。 参考:労災事故による骨折・靭帯損傷・CRPSの賠償請求 | 【労災被害専門の弁護士による無料相談】弁護士法人小杉法律事務所 労災事故の流れ 労災事故では、大まかに以下のような流れで進みます。 治療 症状固定となったら、労働基準監督署に 後遺症の申請(障害補償給付支給申請)を行い 障害等級を確定させる 等級を踏まえて損害額を計算し、 会社に損害賠償請求を行う 交渉→示談または裁判 後遺障害等級12級の11の獲得 障害診断書の作成 病院への作成依頼 ご依頼後は、まず後遺症の申請に必要な、 障害診断書の作成から始めました。 障害等級の認定においては、 障害診断書の記載が非常に重視されます。 そのため、等級獲得に必要な内容を 過不足なく記載していただけるよう、 弊所ではお医者様宛のお手紙の作成や、 完成した書類の記載内容の精査等を行っております。 今回の主な症状は疼痛や足指の可動域制限でした。 そこで、お医者様に以下を依頼したうえで、 障害診断書を作成していただきました。 指の運動障害の等級獲得に必要な、 MTP関節・IP関節の可動域測定検査の実施 CT、レントゲン等の画像所見についての記載 骨癒合の状態などを漏れなく記載していただくよう依頼 このように、弊所では、 依頼者様の症状や、獲得を目指す等級に合わせて、 必要な検査や記載を病院に依頼しています。 完成した診断書の確認と修正 完成した診断書の内容を精査したところ、 怪我をしていない方(健側)である左足の指の、 可動域の数値が不自然に低くなっていました。 運動障害(機能障害)の等級は、 「患側(怪我をした方)の可動域が、 健側(怪我をしていない方)の可動域の 2分の1以下になっているか」といったように、 左右の可動域を比べて判断されますので、 怪我をしていない部分であっても、 正しい数値が記載されることが非常に重要です。 (足指の骨折や等級についての詳細はこちらのページへ。) そこで、数値が正しいか病院に確認したところ、 記載を誤っていたことが発覚し、 無事に修正していただけることになりました。 修正前の数値では、患側の可動域が 健側の2分の1以下になっておらず、 運動障害での等級獲得は難しい状況でしたが、 正しい数値に修正していただいたことで、 等級の要件を満たすようになりました。 その他の書類の作成 また、労基への後遺障害の申請書類には、 会社の署名が必要なものがあります。 ご依頼後は、署名をもらうためのやり取りも含め、 会社とのやり取りは全て弊所で対応いたします。 「会社とはもうやり取りをしたくない」 「退職済みで会社に頼みづらい」 といった場合にも、安心してお任せいただけます。 また、後遺症の申請後には、 被害者自身が自覚症状などについて記載する 「障害の状態に関する申立書(身体障害申立書)」 といった書類の提出を求められる場合があります。 このような書類作成も、症状や日常生活の支障などの 記載漏れがないよう、弊所で記載を検討いたします。 以上のように、弊所では、労災における 後遺障害等級獲得を全面的にサポートしております。 障害等級12級の11の獲得と内容の検討 以上のように手続きを行ったところ、 障害等級第12級の11という結果で、 障害補償給付約250万円が支払われました。 等級は、はがきで結果だけが通知されますので 労基がどのように判断したのか確認するため、 労災資料(復命書)の開示請求を行い、 さらに高い等級を目指せないか検討します。 今回は、右母趾(親指)の可動域が、 健側の2分の1以下に制限されているとして、 障害等級第12級の11「1足の第1の足指又は他の4の足指の用を廃したもの」 と認定されていました。 復命書の内容を精査しましたが、 こちらで最大の等級だと考えられたため、 会社への賠償請求に進むことになりました。 会社に賠償請求を行い、約1000万円の賠償金を獲得! 今回請求できる項目は、通院交通費、休業損害、 逸失利益、傷害慰謝料、後遺症慰謝料です なお、休業補償給付や障害補償給付など労災から 払われた分は、損害額から差し引くことになります。 今回の請求額は、約1200万円強となりました。 これに対して会社の最終的な回答は以下でした。 安全配慮義務違反があったことを認める 損害額約1200万円というのも争わない しかし板が倒れたのはIさんにも多少過失がある Iさんの過失を2割として約1000万円で示談はどうか 過失の主張はされたものの、 損害額は当方の主張通り1200万円と認めており、 示談額としてはかなり良い金額でした。 Iさんとも協議しましたが、 過失の点もご納得されていたた... --- > 原因不明の転落事故で、前交通動脈瘤破裂によるくも膜下出血、水頭症、高次脳機能障害の診断を受け、障害等級1級の2を獲得した事例です。 - Published: 2026-01-06 - Modified: 2026-07-15 - URL: https://workers-accident.jp/results/3358 - タグ: 業務起因性, 障害等級1級, 高次脳機能障害 - カテゴリー: 1級, 休業(補償)給付, 業務災害, 療養(補償)給付, 脳, 転落事故, 障害(補償)給付, 高次脳機能障害 今回ご紹介するのは、仕事中に階段から転落し、 高次脳機能障害となった労災事故被害者Jさん (70代、女性、清掃業)の解決事例です。 参考記事 ・ 高次脳機能障害の弁護士目線での解説|労災被害専門の小杉法律事務所 ・ 【高次脳機能障害の等級と金額】医師監修記事|弁護士法人小杉法律事務所 ・労災事故による重度障害(脊髄損傷・高次脳機能障害)の賠償請求 | 【労災被害専門の弁護士による無料相談】弁護士法人小杉法律事務所 ご依頼を受けた弁護士の木村治枝の対応により、 障害等級1級の認定を受け、労災保険と任意保険から 950万円以上と障害補償年金を獲得しました。 弁護士はどのように本事案を解決したのでしょうか? 労災被害者専門弁護士が解説します。 弁護士法人小杉法律事務所では、 被害者専門の弁護士による賠償金無料査定サービスを行っております。 労災事故でお困りの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。 被害者専門弁護士による賠償金無料査定サービスは、こちらのページから。 事故状況について Jさんは、階段下で倒れているところを 同僚に発見されて、救急搬送されました。 前交通動脈瘤破裂によるくも膜下出血、水頭症 と診断され、入院・手術を行いましたが、 高次脳機能障害が残りました。 意識を取り戻したJさんには、倒れた時の記憶がなく 目撃者や防犯カメラもありませんでした。 そのため、階段から転落した以外のことがわからず 事故状況や原因が不明でした。 また、事故前のJさんは認知能力に何の問題もなく、 仕事も家事も全て自分でできていましたが、 事故後は高次脳機能障害により、 物事の認識や感情コントロールが困難になり 介護なしでは生活できなくなりました。 Jさんのご容体が落ち着いてきて、 今後について考えたご家族様は、 「会社に対する損害賠償請求ができるのか?」 「このまま高次脳機能障害が残ったら、  後遺症の認定を受けられるのか?」 「どうしたらいいのか何もわからない」 という思いで、まずは弁護士に相談することにしました。 弁護士木村治枝の法律相談 後遺症の認定や補償が受けられるか? 労災の療養補償給付や、休業補償給付、 障害補償給付などの申請が可能です。 高次脳機能障害で認定されうる等級についてはこちらのページへ。 ただ、今回は事故状況が不明であり、 ①転落して負傷→くも膜下出血 ②くも膜下出血を発症→意識を失って転落 のどちらかがわからないのが懸念点でした。 ①なら労災事故ということになりますが、 ②だと病気ということになり、 業務起因性がないため労災が通りません。 ①なのか②なのか、医師の見解などを 確認する必要がありそうでした。 会社への損害賠償請求が可能か? 会社への損害賠償請求をするには、 会社の責任を立証する必要があります。 今回のケースで言えば、 「管理が悪く階段が危ない状態だった」 「作業内容が危険だった」などの事情があれば、 会社の責任を問える可能性があります。 一方で、普通に階段を下りていて転落したとなると 会社には責任がなく、賠償請求は困難です。 今回は、作業内容や環境に危険はなかったため、 賠償請求は困難な可能性が高いと考えられました。 なお、ご依頼を受ける場合には、 本当に賠償請求の余地がないか、 資料開示などを行って精査します。 以上の説明を踏まえてご検討いただいたところ、 労災の申請だけでも任せたいということで、 ご依頼を受けることになりました。 弁護士の書面提出により労災認定! ご依頼を受けた弁護士の木村治枝は、 まず会社と病院に資料の開示請求を行いました。 開示された病院のカルテなどを確認しましたが、 発症と転倒どちらが先かは不明となっていました。 そこで、弁護士は医師面談を行い、 主治医に直接お話を伺いました。 その結果、 「転落して頭部を撃った衝撃およびそのストレスで、 血圧が上昇し、動脈瘤破裂に至った可能性がある」 という医師の意見が得られました。 また、裁判例も調査したところ、 類似の事例で業務起因性が認められていました。 東京高等裁判所平成4年7月30日判決 頭部打撲し、脳動脈瘤破裂による突発性くも膜下出血を診断された事例において、 頭部打撲による強い身体的負荷は、一時的に急激な血圧上昇を生じさせることによって脳動脈瘤破裂の原因となりえるとしたうえで、 症状経過などから考えても、頭部打撲による血圧上昇でくも膜下出血に至ったと認めるのが相当として、事故と疾病との因果関係を認め、業務起因性があると判断した。 以上の資料をを踏まえて、 本件でも業務起因性が認められるべきという内容の 弁護士の意見書を作成し、添付資料として、 カルテや医師意見書、裁判例なども付けて、 労働基準監督署に提出しました。 この書面の提出により、無事に労災認定され、 療養補償給付と休業補償給付が支払われました。 障害補償給付の申請 その後、Jさんは症状固定となり、後遺症の申請 (障害補償給付支給申請)に進むことになりました。 まずは障害診断書の作成を医師に依頼しました。 障害等級の認定においては、 障害診断書の記載が非常に重視されます。 そのため、等級獲得に必要な内容を 過不足なく記載していただけるよう、 弊所ではお医者様宛のお手紙の作成や、 完成した書類の記載内容の精査等を行っております。 今回、医師が作成した診断書には 認知・情緒・行動障害に関しては問題ない と記載されていました。 しかし、ご家族様としては、 幻覚・妄想の症状や、入院中の自身の状況を 理解していない様子があると感じていました。 そこで、医師に診断書を修正して頂きました。 また、高次脳機能障害の申請では、 家族から見てどのような症状があるかを示した 「日常生活報告書」も提出する必要があります。 この書面の内容も、等級判断の際に重視されますので、 ご家族と協議の上、正しい状況が伝わるよう 記載を検討させていただきました。 障害等級1級の2の認定を受け... --- > 労災(労働災害)の死亡事故での慰謝料金額の相場について、合計1億2000万円の損害賠償金額を獲得した解決事例をもとに、ご遺族の方に分かりやすく解説します。 - Published: 2024-07-10 - Modified: 2024-07-10 - URL: https://workers-accident.jp/results/547 - タグ: 1億円以上, 死亡事故, 遺族年金 - カテゴリー: 業務災害, 死亡, 遺族(補償)給付 本ページでは、労災被害者専門弁護士が、 労災死亡事故における慰謝料・逸失利益などの賠償金額相場について、 合計約1億2000万円の損害賠償金額を獲得した解決事例をもとに解説していきます。 労災被害者専門弁護士への無料相談はこちらのページから。 労災死亡事故の無料法律相談に至るまで Cさん(30代前半・男性)は、業務中の事故によって、お亡くなりになられてしまいました。 Cさんのご遺族は、家から1番近い法律事務所に相談に行き、損害賠償請求について依頼をしましたが、 加害者サイドの刑事処分についてはノータッチ(被害者参加制度の経験がない) 労災の申請についてもノータッチ(労災申請の経験がない) ということで、「この弁護士に依頼を続けていいのだろうか」という不安を抱きます。 スマートフォンで死亡事故の労災に強い弁護士を検索してみたところ、労災被害者の方のご相談を専門とする弁護士法人小杉法律事務所の存在を見つけました。 家からやや遠かったですが、無料相談を実施してくれるということだったので、直接話を聞いてみることにしました。 お伺いいただいた弁護士小杉晴洋は、 労災における死亡事故では、以下の3つの軸の検討が主に必要となりますとお伝えしました。 加害者サイドへの損害賠償請求 加害者サイドの刑事処分 労働基準監督署への遺族補償給付の申請 一つずつ順番にみていきましょう。 労災専門弁護士の無料相談① 慰謝料金額 故人の仕事状況や生活状況を丁寧に聴き取り、労災死亡事故における損害賠償金額がいくらくらいになるかという見積りを説明しました。 一般に弁護士(裁判)基準と呼ばれる損害賠償金額の相場は、 『民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準 上巻(基準編)』(公益財団法人日弁連交通事故相談センター編)を基準としています。 交通事故の場合における基準ですが、損害賠償請求という点では同じなので労災の死亡事故においても同じ基準が用いられています。 葬儀関係費用 葬儀関係費用はまさに「葬儀に関係して支出した費用」になります。 原則として150万円を上限とされており、150万円を下回る場合には実際に支出した金額とされています。 ただし、被害者の生前の様子(多くの人に愛されていて150万円以上の葬儀費がかかることも妥当である)を考慮するような場合や、 死亡場所が居住地と離れており、葬儀を2回以上行う必要があるような場合、 仏壇・仏具購入費・墓碑建立費を別途認めるような場合、遺体搬送料・遺体処置費等を別途認めるような場合など、 150万円の上限を超える裁判例も多く見られます。 なお、労災の死亡事故の場合は所轄の労働基準監督署長に対して、 葬祭料又は複数事業労働者葬祭給付請求書(様式第16号)または葬祭給付請求書(様式第16号の10) 死亡診断書、死体検案書、検視調書またはそれらの記載事項証明書などの、「被災労働者の死亡の事実及び死亡の年月日」を証明することができる書類 を提出することにより、葬祭給付として、 31万5000円に給付基礎日額の30日分を加えた額か給付基礎日額の60日分のどちらか高い方の金額が支払われます。 逸失利益 逸失利益とは、被害者の方が事故に遭ったことにより、将来にわたって得られるはずであったのに得られなかった利益のことです。 被害者の方は今回の労災事故に遭わずに人生を全うしていれば、将来もお仕事をして収入を得られていたはずです。 しかし事故に遭い、亡くなってしまうと、その収入は得られなくなってしまいます。その収入についても損害賠償請求が可能です。 逸失利益の基本的な計算方法は、 逸失利益=基礎収入×(1-生活費控除率)×就労可能年数に対応するライプニッツ係数 という式で表されます。 生活費控除率とは、被害者の方が事故に遭い亡くなってしまうと、 収入が得られなくなるのは先ほどまでのご説明のとおりですが、生活に必要な支出もかからなくなります。 「被害者本人が生きていたら... 」というifのストーリーをもとに話を進める逸失利益においては、 支出分も考慮に入れる必要があります。 その考慮が生活費控除率というわけです。 就労可能年数とは、原則として被害者が亡くなった年齢から67歳までの年数を言います。 被害者の方が生きていたらこのくらいの年齢まで働けていたという想定です。 被害者の方の死亡時の平均余命の2分の1が、67歳までの年数より長いときは、平均余命の2分の1が就労可能年数として採用されます。 例として年収500万円、40歳の男性で、扶養に奥様とお子様1名が入っている方が亡くなった場合には、 逸失利益は500万円×(1-30%)×(67-40)年に対応するライプニッツ係数(18. 3270)=6414万4500円となります。 逸失利益の計算は数式に当てはめるだけで大体の計算はできますが、 被害者の方の生前の生活の様子に応じて若干の増減があります。詳しくお知りになりたい方はお気軽にお問い合わせください。 逸失利益全体に関する詳しい解説はこちらのページから。 死亡逸失利益に関する詳しい解説はこちらのページから。 生活費控除率に関する詳しい解説はこちらのページから。 ライプニッツ係数に関する詳しい解説はこちらのページから。 なお、所轄の労働基準監督署長に、 遺族補償年金・複数事業労働者遺族年金支給請求書(様式第12号)または遺族年金支給請求書(様式第16号の8) 死亡診断書、死体検案書、検視調書またはそれらの記載事項証明書など、被災労働者の死亡の事実及び死亡の年月日を証明することができる書類 戸籍の謄本、抄本など、請求人及び他の受給資格者と被災労働者との身分関係を証明することができる書類 請求人及び他の受給資格者が被災労働者の収入によって生計を維持していたことを証明することができる書類 などの書類を提出することで、遺族(補償)年金・遺族特別年金・遺族特別支給金を受け取ることができます。 受け取ることができる方は、 被災労働者の死亡当時... --- > 今回紹介するのは労働災害(労災)により末梢神経損傷の怪我を負ったBさんの事例です。依頼を受けた弁護士木村治枝は、労災被害者専門弁護士ならではの働きにより、約6000万円での示談解決を行いました。この事例のポイントについて解説します。 - Published: 2024-07-02 - Modified: 2026-07-15 - URL: https://workers-accident.jp/results/1542 - タグ: 8級, 後遺障害診断書修正, 業務災害 - カテゴリー: 8級, 業務災害, 足, 重機事故, 障害(補償)給付 今回ご紹介するのはBさん(10代・男性・会社員 福岡県在住)の解決事例です。 Bさんは工事現場での業務中に左足を重機に踏まれ、末梢神経を損傷する怪我を負いました。 Bさんのお母様からご依頼を受けた労災被害者専門弁護士の木村治枝は、障害診断書の訂正を行うことで後遺障害等級準用8級の認定を獲得し、 示談交渉においても賃金センサスを用いた逸失利益の主張などをすることにより、約6000万円での示談解決をしました。 労災に遭った際に気を付けるべきポイントは? 労災被害者専門弁護士に依頼するメリットとは? Bさんの解決事例をもとに解説します。 弁護士法人小杉法律事務所では、労災被害者専門弁護士による無料相談を実施しております。 労働災害(労災)被害にお困りの方は、ぜひ一度お問い合わせください。 労働災害(労災)被害者専門弁護士へのお問い合わせはこちらのページから。 弁護士に相談される前の状況 労災事故の態様 Bさんは一次請けの会社の従業員で、元請けの会社の工事現場での補助業務を担当していました。 歩いて重機の後ろを通ろうとしていたところ、元請け会社の重機の運転手が突然後退をはじめ重機のクローラー部分に左足を挟まれてしまいました。 Bさんは大声を上げて運転手に知らせようとしましたがなかなか気づいてもらえず、10秒ほど左足を踏まれ続けていました。 地面が柔らかかったこともあり骨折はしませんでしたが、物凄い激痛でした。 しかし、重機の運転手は今回の労災事故について足を挫いたと虚偽の報告をしろと言い、救急車も呼ばないままその場限りで事故処理を終わらせようとしていました。 結局Bさんが勤めている会社の上司が救急車を呼ぶよう指示し、Bさんは病院に行くことができましたが、 救急隊員や病院に対しては足を挫いたという説明をしてしまいました。 治療状況 当初元請けの会社は労災による治療対応等を認めていませんでしたが、一次請けの会社との話し合いなどを踏まえ、労働基準監督署への申請を行いました。 無事労働基準監督署から今回のBさんのお怪我が労災事故によるものであると認められ、 今回の労災事故に関する治療費などは労災の療養補償給付により対応できるようになりました。 労災保険給付について規定している労働者災害補償保険法は、その第一章第一条で「労働者災害補償保険は、業務上の事由、事業主が同一人でない二以上の事業に使用される労働者(以下「複数事業労働者」という。)の二以上の事業の業務を要因とする事由又は通勤による労働者の負傷、疾病、障害、死亡等に対して迅速かつ公正な保護をするため、必要な保険給付を行い、あわせて、業務上の事由、複数事業労働者の二以上の事業の業務を要因とする事由又は通勤により負傷し、又は疾病にかかつた労働者の社会復帰の促進、当該労働者及びその遺族の援護、労働者の安全及び衛生の確保等を図り、もつて労働者の福祉の増進に寄与することを目的とする。」と規定しています。 その目的の中に「労働者の負傷、疾病、障害、死亡等に対して迅速かつ公正な保護をするため」と定められているので、 特に業務上災害についての療養補償給付の認定は迅速に行われることが多いです (一方でいわゆる通勤災害についての療養給付の認定は、被害者の怪我が本当に通勤中に発生したものかどうかなどの審査に時間を要するため、業務上災害よりも認定が遅くなるケースが多いです。)。 Bさんは最初に救急搬送された病院でレントゲンを撮影しましたが、骨折が見られないということでその日はギプス固定をして自宅に帰ることになりました。 しかし痛みや腫れが強く、引く気配もなかなか見られないため別の病院を受診し、MRIの撮影などを経て「左足関節部圧挫傷、左足部圧挫傷、左下腿圧挫傷」等の診断を受けました。 Bさんはそこから1か月ほど入院をし、何とか松葉杖を使えば立つことができるようになり、リハビリを開始しました。 Bさんは事故当時未成年でしたので、主にお母様が今回の労災事故の処理を担当していました。 お母様は弁護士に依頼するタイミングをいつにしたらよいかを迷っており、 ひとまず無料での相談を受けようと考え、弁護士法人小杉法律事務所にお問い合わせいただきました。 労災被害者専門弁護士木村治枝による無料法律相談 労災事故に遭ったときに、弁護士に依頼するタイミングはいつが良い? Bさんのお母様から弁護士を入れるタイミングについてご質問を受けた弁護士木村治枝は、「今回のBさんのケースでは、弁護士に依頼するなら早いほうが良い」という回答をしました。 弁護士に依頼するタイミングの基準で最も大事なのは、結局のところ弁護士に依頼することで得になるか、損になるリスクはないかという点です。 事故直後から弁護士に依頼することで、面倒な事故処理や労災給付申請書類の作成などを一任し、そういったストレスからの解放をされるというところは大きなメリットです。 また治療方針などについて悩んだ時にも、労災の障害補償給付の支給を受ける可能性を高めるという観点や、損害賠償請求でより有利になる可能性を高めるという観点からのアドバイスを受けることもできます。 一方で、時間制報酬を採用している弁護士の場合は当然早く依頼すればするだけ費用はかさみますし、 そうではない報酬体系を採用している弁護士の場合であっても、 治療開始時点では後遺障害が残りそうだったので依頼したが、治療を続けていく中で完治してしまったというような場合には、 弁護士に依頼した場合とご自身で事故処理を進めていた場合とで、(弁護士費用を差し引きした結果)最終的に受け取ることができる金額があまり変わらないということもあり得ます。 この場合はある程度ご自身で治療を進めていって、なかなか状態が改善せず、後遺障害が残りそうだと思ったタイミングで弁護士に依頼した方が良いということになりますね。 治療が終了し、後遺障害等級の判断が下された後の方が、当然ですが損害額の算定はしやすく、弁護士も見立てが立てやすくな... --- > 医師面談の実施により後遺障害診断書を書き換えてもらいCRPS最高等級の後遺障害等級7級を獲得した解決事例です。 - Published: 2024-04-18 - Modified: 2024-04-18 - URL: https://workers-accident.jp/results/551 - カテゴリー: 7級, CRPS, 休業(補償)給付, 手・手指, 通勤災害, 障害(補償)給付, 骨折 【CRPS・複合性局所疼痛症候群】医師面談の実施により障害診断書を書き換えてもらい、CRPS7級を獲得した事例 解決事例のポイント 医師面談によって障害診断書に追記をしてもらい、CRPSで障害等級第7級の3を獲得 通勤災害事故 Cさんは30代の会社員男性で、バイクで通勤中、タクシーに衝突されてしまうという事故に遭ってしまいました。 Cさんは、手の骨折などの傷害を負ってしまい、手の激痛が続いたため、仕事に出社することができくなります。 物に触れただけで激痛が走るような重い症状となってしまったため、将来が不安になり、弁護士に相談することにしました。 法律相談 Cさんの症状的にはCRPS(複合性局所疼痛症候群)が考えられ、実際、CさんはCRPSの診断も受けていました。 CRPS診断というのは、被害者の方が強い痛みを訴えているが、脊髄損傷・神経損傷・靭帯損傷などの所見が無いなど原因不明の激しい疼痛が生じたケースで付けられることがあり、障害等が級獲得が非常に難しい診断名となっています。 Cさんの手を確認したところ、皮膚の変化が感じられたため、CRPSでの障害等級獲得の可能性があると考え、その準備を始めることにしました。 また、Cさんは仕事復帰が困難な状況となっていたため、休業補償給付の申請を行うことにより、仕事を休んでいる間も収入を確保する必要がありました。 休業補償給付約300万円の獲得 Cさんは、有給休暇も使い果たし、これ以上仕事を休むと無収入となってしまう状況にありましたので、休業補償給付の申請のお手伝いをさせていただきました。 そうしたことろ、休業補償給付として約300万円を獲得することができ、当面のCさんの生活費を確保することに成功しました。 障害診断書等の修正依頼によりCRPSの最高等級である7級を獲得 Cさんは治療を終了し、これから障害補償給付の申請という段階になりましたが、主治医の先生の書いてくれた障害診断書に要件漏れが確認できました。 この障害診断書をもとに労働基準監督署に傷害補償給付の申請をしても、CRPSでの障害等級の獲得はできないことが明らかな内容となってしまっていました。 そこで、主治医の先生に対し医師面談のアポイントを取り、障害診断書の訂正などをお願いすることにしました。 労働基準監督署がCRPSの障害等級の認定をする場合、厚生労働省のCRPS研究班が作成したCRPS判定指標よりも厳しい要件が課されています。 病院の先生は、厚生労働省CRPS研究班の作成したCRPS判定指標はご存知である方が多いですが、労災保険における障害等級認定のためのCRPSの要件についてはご存知でないという方が多くなっています。 そこで、労災保険におけるCRPSの障害等級の要件として、①関節拘縮、②骨萎縮、③皮膚の変化(皮膚温の変化・皮膚の萎縮)が挙げられていることを説明し、Cさんに該当する所見を、障害診断書等にご記載していただくことにしました。 主治医の先生は快く応じてくれて、無事修正された障害診断書を獲得することができました。 これらを揃えて労働基準監督署に障害補償給付の申請をしたところ、CRPSの障害等級の最高位であるC障害等級第7級の3を獲得獲得に成功しました。 弁護士小杉晴洋のコメント:CRPS事案は専門の弁護士でなければ解決困難です Cさんのケースは、障害診断書の加筆修正をしてもらわなければ、CRPSでの障害等級第7級の3の獲得は不可能な事案でした。 私は、100件以上の医師面談実施経験があり、新たな意見書の作成依頼や障害診断書等の修正依頼を得意としています。 医師面談を実施せずにCさんのケースを進めていた場合、障害等級の認定は12級か14級になっていたものと思われます。 局部の痛みの症状が残ってしまった場合、最も重い障害等級は12級とされていて、これを超えるにはCRPSの障害等級認定をしてもらうほかありません。 当事務所ではCRPS事案を多く扱っておりますので、CRPSの症状でお困りの方は、まずは無料法律相談の実施をおすすめします。 --- > 通勤災害によって大腿骨頸部骨折の重傷を負ってしまったAさん。手術により人工骨頭を入れることになりました。股関節が動きづらいという後遺症も残ってしまいますが、後遺障害診断書にそのことが書かれていません。果たしてこれで後遺障害等級が認定されるのでしょうか? - Published: 2024-04-18 - Modified: 2024-04-18 - URL: https://workers-accident.jp/results/252 - タグ: 8級, 医師面談, 大腿骨骨折, 後遺障害診断書修正, 通勤災害 - カテゴリー: 8級, 大腿・股関節, 通勤災害, 骨折 通勤災害によって右大腿骨頸部骨折の重傷を負ってしまった神奈川県横浜市在住のAさん。手術により人工骨頭を入れることになりました。股関節が動きづらいという後遺症も残ってしまいますが、後遺障害診断書にそのことが書かれていません。この診断書で申請をして、ちゃんとした後遺障害等級が認定されるのでしょうか? Aさんより依頼を受けた弁護士小杉晴洋は、後遺障害・後遺症に関する事例を1,000件以上解決してきた後遺障害専門の弁護士です。このページでは後遺障害・後遺症に強い弁護士が、Aさんの事例で、どのように後遺障害等級認定を獲得したのかについて紹介していきます。 なお、弁護士法人小杉法律事務所では、労災事故被害に遭われた方の後遺障害等級について無料査定を行っております。気になる方は、障害等級の無料査定のページをご覧ください。 この事例の後遺障害等級認定のポイント 大腿骨骨折事例の後遺障害等級認定基準の把握 後遺障害診断書の分析 整形外科医との医師面談の準備 後遺障害診断書の修正 事例紹介(通勤災害) Aさんは、50代の会社員女性です。 通勤災害に遭い、右大腿骨頸部骨折の傷害を負ってしまいました。 入院・通院によるリハビリを経て整形外科の先生より後遺障害診断を受けますが、その内容がスカスカで、「この後遺障害診断書でよいのかしら?」という疑念が生まれます。 そこで、後遺障害等級認定に強い弁護士を探すことにしました。 弁護士小杉晴洋による無料法律相談 Aさんの法律相談には、弁護士小杉晴洋が応じましたが、Aさんの懸念どおり、内容の薄い後遺障害診断書となっていました。 そこで、Aさんに対して、後遺障害診断書の修正が必要である旨を説明し、Aさんからのご依頼を受けることになりました。 なお、Aさんは弁護士費用の支払を気にしていましたが、小杉法律事務所では労災被害に遭われた方については、法律相談料金無料・着手金も無料とさせていただいております。 Aさんからも、安堵した表情でご依頼をいただけました。 右大腿骨頸部骨折の事例の後遺障害等級 障害部位 右大腿骨頸部骨折というのは、障害部位としては、労災補償障害認定基準第3章第10節「下肢」にカテゴライズされています(労災補償障害認定必携第17版264頁以下)。 従いまして、Aさんの後遺障害等級の見立てを検討するにあたっては、この「下肢」の後遺障害等級認定基準を把握する必要があります。 障害種別及び障害系列 更に下肢の障害種別としては、①欠損又は機能障害(系列番号26)・②変形障害(系列番号27)・③短縮障害(系列番号28)・④醜状障害(系列番号29)があります。 従いまして、Aさんの後遺障害等級の見立てを検討するにあたっては、これら4つの後遺障害等級該当性を1つ1つ検討していくことになります。 なお、Aさんには、大腿部の痛みの後遺症もありましたが、痛みや痺れといった症状は、労災補償障害認定基準第3章第5節「神経系統の機能又は精神の障害」(系列番号13)にカテゴライズされています(労災補償障害認定必携第17版137頁以下)。 脳やせき髄の損傷といった中枢神経の障害ではなく、大腿部の痛みといった局部の神経症状の場合は、障害等級第12級の12か、14級の9のいずれかの障害等級認定がなされますが、上述した下肢の障害種別①~④というのは、障害等級12級を超えるものが複数存在し、これらが認定されると、複数観点や通常派生関係といった理由で局部の神経症状の障害等級認定はなされません(労災補償障害認定必携第17版82~83頁)。 RSD・CRPSといった傷病がある場合は別ですが、Aさんの事例ではRSD・CRPSといった事情もありませんでしたので、大腿部の痛みの検討の前に、①欠損又は機能障害・②変形障害・③短縮障害・④醜状障害の障害等級該当性を検討するべきということになります。 下肢(股関節)機能障害 Aさんには、足を切断するような事情はありませんでしたので、欠損障害を検討する必要はなく、下肢の機能障害を検討することになります。 また、Aさんの後遺症の内容は、股関節に関するもののみで、膝関節・足関節は問題がなかったため、股関節に関する最も重い後遺障害等級である第8級の7「1下肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの」に該当するか否かを検討していくことになります。 後遺障害等級第8級の7「1下肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの」に該当するためには、a「関節が強直したもの」、b「関節の完全弛緩性麻痺又はこれに近い状態にあるもの」、c「人工関節・人工骨頭をそう入置換した関節のうち、その可動域制限が健側の可動域角度の1/2以下に制限されているもの」といった3類型のいずれかに当てはまらないといけません(労災補償障害認定必携第17版272頁以下)。 股関節が強直したものといえるか 関節の強直とは、関節の完全強直又はこれに近い状態にあるものをいうと定義されています。ここでいう「これに近い状態」というのは、関節可動域が、原則として健側(≒怪我をした側ではなく健康な側という意味)の関節可動域角度の10%程度以下に制限されているものをいい、「10%程度」とは、健側の関節可動域角度の10%に相当する角度を5度単位で切り上げた角度とするとされています(労災補償障害認定必携第17版285頁)。 分かりづらいですが、Aさんの例で言うと、Aさんの左股関節(健側)が140度動いていたとすると、その10%というは14度となります。そして5度単位での切上げが行われますので、「10%程度」というのは15度ということになります。 従いまして、この例で言うと、Aさんの右股関節の可動域角度が15度以下となっている場合は、「関節が強直したもの」として障害等級第第8級の7に該当することになります。 Aさんの後遺障害診断書には股関節の可動域角度が記載されていなかったため、後遺障害診断書上の数値は分かりませんでしたが、左右両方の股関節がどのくらい動くか(屈曲・伸展、... --- - Published: 2023-10-30 - Modified: 2024-04-22 - URL: https://workers-accident.jp/results/553 - カテゴリー: 10級, 11級, 12級, 脊柱・体幹骨, 足, 通勤災害, 障害(補償)給付, 骨折 通勤災害における骨折事例の解決事故です。 Hさんは、バイク通勤中に事故に遭い、距骨開放性脱臼骨折と胸骨圧迫骨折の傷害を負ってしまいます。 弁護士小杉は、後遺障害診断書を作成してもらう前に、後遺障害等級の見立てをつけて、主治医に見解打診をしました。 その上で、後遺障害診断書を作成してもらい、等級申請を行います。 その結果、距骨開放性脱臼骨折にて機能障害12級、胸骨圧迫骨折にて変形障害11級の認定を受け、後遺障害等級併合10級の認定となりました。 その後の加害者サイドとの示談交渉では、Hさんの事例と類似する神戸地方裁判所の裁判例をもとに示談交渉を行い、損害賠償金額2000万円以上での示談解決となりました。 骨折事例の解決は専門の弁護士の介入によって変わりますので、業務災害事故や通勤災害事故にて骨折被害に遭わせてしまった方は、弁護士法人小杉法律事務所の無料相談をお試しただけたらと思います。 --- - Published: 2023-07-30 - Modified: 2024-04-22 - URL: https://workers-accident.jp/results/554 - カテゴリー: 10級, 11級, 12級, 口・顎・歯・舌, 大腿・股関節, 通勤災害, 障害(補償)給付, 骨折 通勤災害にてあらかじめ後遺障害等級14級の認定を受けていたという方の解決事例です。 Iさんは、後遺障害等級14級という認定が妥当なのかどうか分からず、弁護士小杉の無料法律相談を受けられました。 まずは現状の後遺障害等級認定の解析 後遺障害診断書及び認定理由を見ると、大腿骨骨折の傷病に基づく左股関節痛にて後遺障害等級14級の認定がなされていました。 骨折に伴う神経症状の場合は、折れた骨の癒合状態等によって、後遺障害等級14級が12級に上がることがありますが、Iさんのレントゲン画像やCT画像を確認したところ、そもそも骨盤骨が変形しているのではないかという疑いが持たれました。 また、事故態様や受傷機転等について伺っていたところ、事故による歯も打ったということでした。 元々の喪失歯と合わせると5歯の歯牙障害が認められそうな事実が確認できました。 既存の後遺障害診断書の修正と新たな後遺障害診断書の作成 整形外科の主治医と医師面談を実施し、共に骨盤骨の変形を確認して、その内容を後遺障害診断書の修正により反映させました。 また、歯科医との医師面談及び新たな診察も実施し、パノラマレントゲンにて、喪失歯を確認し、新しく後遺障害診断書を作成していもらいました。 弁護士の審査請求により後遺障害等級併合11級を獲得 以上の新たな後遺障害診断書2通を元に異議申立てを行ったところ、歯牙障害11級・骨盤変形12級にて併合10級の後遺障害等級を獲得することに成功しました。 後遺障害等級は弁護士によって変わりますので、認定を受けた等級が妥当かどうか分からないという方は、是非一度、弁護士法人小杉法律事務所の無料等級査定サービスをご利用ください。 全国どの都道府県の相談であっても無料で対応しております。 --- > アルバイトの帰り道に自動車にはねられてしまったという10代女性の通勤災害に関する解決事例です。本来後遺障害等級12級と認定されるところを、弁護士名義の意見書にて併合11級の認定を受けました。また、裁判基準を超える慰謝料額や1,000万円を超える逸失利益を獲得しています。 - Published: 2023-05-30 - Modified: 2024-04-22 - URL: https://workers-accident.jp/results/555 - カテゴリー: 11級, 12級, 足, 通勤災害, 障害(補償)給付, 骨折 アルバイトの帰り道に自動車にはねられてしまったという10代女性の通勤災害に関する解決事例です。 本来12級となるところを後遺障害等級併合11級の認定 被害者はリスフラン関節開放性脱臼骨折という傷害を負い、足が動きづらい・痛みがあるといった症状が残ってしまいます。 動きづらいというのは「機能障害」、痛みがあるというのは「神経症状」として後遺障害等級の分類分けがなされていますが、痛みや痺れなどの神経症状は機能障害に含まれて評価されることになっています(通常派生関係と呼びます。)。 従いまして、「足が動きづらい・痛みがある」といった症状は1つの後遺障害の評価になるのが原則です。 しかしながら、弁護士小杉は、動きづらさが生じている部位以外にも痛みが出ていたことに着目し、足の動きづらさと痛みとは通常派生関係にならないという弁護士名義の意見書を付けて、後遺障害等級の申請を行いました。 そうしたところ、機能障害12級のほかに、神経症状でも12級の後遺障害等級認定がなされ、これらを合わせて併合11級の認定を受けることができました。 裁判基準以上の損害賠償金額にて示談解決 後遺障害等級を獲得した後は、いきなり民事裁判ではなく、示談交渉から入ることが多いです。 慰謝料金額 示談交渉を続けていたところ、加害者サイドから、傷害慰謝料・後遺傷害慰謝料ともに裁判基準満額の水準で支払う旨の話をもらうことができました。 しかしながら、10代という年齢で後遺障害を残してしまったことを交渉材料として、被害者本人の陳述書も付けて、示談交渉を続けました。 そうしたところ、裁判基準の慰謝料金額よりも更に約100万円増額した上での示談解決をすることができました。 後遺障害逸失利益のみで1,000万円超を獲得 加害者サイドは、アルバイト給料をもとにした後遺障害逸失利益の提案をしてきましたが、当該事故に基づく後遺障害のせいで将来の仕事の幅が狭まったことなどを被害者陳述書を交渉材料として交渉を続けたところ、後遺障害逸失利益として700万円を支払うという話を取り付け、更に交渉を続けて、最終的に、後遺障害逸失利益約1,100万円のを認めさせることができました。 骨折事例の解決は専門の弁護士に依頼されることをおすすめします 骨折事例は、弁護士の腕によって、数十万円での解決に終わったり、数百万円の解決になったり、数千万円の解決となったり、損害賠償金額が変わりやすいです。 本事例も、機能障害と神経症状とを原則どおり一緒に認定させたのでは、低い後遺障害等級が付いていました。 また、後遺障害による将来の影響を立証していなければ、裁判基準を超える慰謝料金額や逸失利益金額を獲得することは困難でした。 労災事故にて骨折被害に遭われてしまったという方は、労災事故専門の弁護士に相談されることをお勧めします。 --- - Published: 2023-03-30 - Modified: 2024-04-22 - URL: https://workers-accident.jp/results/557 - カテゴリー: 12級, 療養(補償)給付, 膝, 通勤災害, 障害(補償)給付, 骨折 【通勤災害解決事例】脛骨高原骨折で障害等級12級を獲得した事例 法律相談前 Lさんは40代の主婦です。 アルバイトにバイクで向かう途中に、一時停止規制のある道路から出てきた四輪車にはねられてしまい、左膝脛骨高原骨折などの傷害を負ってしまいます。 Lさんは、交通事故に遭うのが初めてで、どうしたら良いのか分からず、弁護士に依頼をすることにしました。 弁護士小杉晴洋による解決 脛骨高原骨折の場合、治療費が高額となることが多く、交通事故損害賠償の場合によく用いられる自由診療で治療をしてしまうと、治療費が1000万円程度まで膨れ上がってしまう可能性があります。 仮に、加害者側の保険会社が自由診療の治療費1000万円を病院に支払った場合、過失割合が35:65とすると、1000万円の治療費のうちの350万円は被害者が払わなければいけないことになってしまい、結果として慰謝料額など他の損害費目が減らされて、損害賠償金を少ししかもえなくなってしまうという事態があり得ます。 そこで、Lさんには、労災の療養補償給付を利用して治療をしてもらうことにしました。 Lさんは、アルバイト勤務ですが、アルバイトの方であっても労災は使えます。 この療養補償給付を利用することによって、自由診療の治療費よりも金額を圧縮することができ、更に、被害者が本来負担するべき過失分について、慰謝料や休業損害などの他の種類の損害費目から引き算をして帳尻合わせをすることが禁止されるという効果が発動されます(費目間拘束)。 これにより、慰謝料額などを減らされずに、解決をすることが可能となるのです。 また、この原理は、休業損害でも当てはまりますので、Lさんには、労災の療養補償給付のほかに、休業補償給付も受けてもらいました。 Lさんに、労災の療養補償給付を利用して治療を続けてもらいましたが、膝の痛みが完治することはありませんでした。 そこで、Lさんの骨折の回復具合を画像で確認したところ、骨癒合が良好とはいえないことが分かりました。 骨折による痛みの障害等級というのは、障害等級第12の12と障害等級第14の9の2つがありますが、この両者の違いは、骨癒合の状態で判断されることがあります。 そこで、Lさんの骨癒合が良好とはいえないことを指摘して、障害等級の申請を行いました。 そうしたところ、見立てどおりに、障害等級12級を獲得することができ、無事解決となりました。 弁護士小杉晴洋のコメント:アルバイトの方であっても積極的に労災を使いましょう 使用者がアルバイトなので労災は使えないなどとウソをつく事例が見られますが、そのような事実はありません。 アルバイトの方が業務中や通勤途中にケガをしてしまった場合、労災を使うことができます。 アルバイトであるからといって遠慮せずに、労災事故に遭ってしまった場合には、積極的に労災を利用しましょう。 --- - Published: 2023-01-30 - Modified: 2024-04-22 - URL: https://workers-accident.jp/results/558 - カテゴリー: 12級, 膝, 障害(補償)給付, 靭帯損傷/断裂 【通勤災害解決事例】膝関節の動揺性を立証し、障害等級準用12級を獲得した事例(内側側副靭帯損傷・前十字靭帯損傷) 弁護士小杉晴洋による解決 Mさんは40代アルバイトの男性です。 バイクでの通勤途中、四輪車に衝突されてしまい、Mさんは膝をケガしてしまいます。 Mさんは、この交通事故によって、アルバイトに通えなくなってしまい、今後の生活をどうしたらよいのか分からなくなり、弁護士に依頼をして解決をお願いすることにしました。 まず、Mさんの生活費を確保するべく、休業補償給付の申請を行いました。 Mさんは、アルバイトの場合、労災は使えないと思われていたようですが、アルバイトの方が通勤途中に交通事故に遭ってしまった場合であっても、労災は使えます。 これにより、Mさんの当面の生活費を確保することができました。 また、Mさんには、整形外科に通ってもらって、リハビリをしてもらいましたが、膝が崩れてしまい階段が降りづらいなどの症状を残してしまいます。 これは、動揺関節という、障害等級表には明記されていない準用等級の問題ではないかとの疑念が生じたため、医師面談を実施することにしました。 そうしたところ、仮説どおり、靭帯損傷(内側側副靭帯損傷・前十字靭帯損傷)による動揺関節という主治医意見を得ることができたので、これをもとに障害等級の申請を行いました。 これにより準用等級12級が認定され、無事解決となりました。 弁護士小杉晴洋のコメント:障害等級表には明記のない準用等級というものが存在します 障害等級表には、1級~14級の障害等級が定められています。 しかしながら、外傷性散瞳・耳漏・耳鳴・嗅覚障害・味覚障害・声帯麻痺・開口障害・広範囲の醜状障害・中等度の脊柱変形障害・荷重機能障害・回内回外の機能障害・動揺関節・習慣性脱臼・弾発膝などについては、障害等級表上は明記はないものの、準用等級として障害等級認定されることになっています。 当事務所では、障害等級表に明記の無い準用等級についても、全要件を把握しておりますので、障害等級表に明記が無いという理由で、準用等級を獲得し忘れてしまうということがありません。 準用等級については、被害者側専門の弁護士でないと把握をしていないこともありますので、注意が必要です。 --- - Published: 2022-12-30 - Modified: 2024-04-22 - URL: https://workers-accident.jp/results/559 - カテゴリー: 14級, 業務災害, 足 【業務中災害解決事例】現場作業中に足を踏まれてしまったケースにおいて、示談交渉で会社の責任を認めさせ、500万円で会社と示談解決した事例 解決事例のポイント ①労災に障害給付の申請をして障害等級14級獲得 ②会社側と直接示談交渉をし、示談金500万円で解決 事案の概要 Yさんは、仕事で集荷作業をしていましたが、同僚の運転するトラクターに足を踏まれてしまい、傷害を負ってしまいます。 業務中の事故なので、労災を使って治療をしましたが、足の痛みが完治することはなく、後遺症として残ってしまいます。 労災から休業補償はもらっていたものの、会社から慰謝料はもらえないのか、後遺症の等級は付くのかなど分からないことがあったため、Yさんは弁護士に相談をしてみることにしました。 障害補償給付申請により障害等級第14級の9の認定 障害等級の申請や会社への慰謝料などの損害賠償請求についての依頼を受けることになり、まずは障害補償級の申請を行うことにしました。 会社への慰謝料などの損害賠償請求は、障害等級が決まらないと計算ができないからです。 主治医に障害診断書の作成をいただき、無事、障害等級第14級の9の認定を受けることができました。 会社との示談交渉 500万円の損害賠償金を受け取ることで解決 障害等級が獲得できたので、これに基づき、会社に対して内容証明郵便を発送し、示談交渉を開始しました。 そうしたところ、会社側も弁護士を立てて応戦してきましたが、こちら側の請求額がすべて証拠によって裏付けられていることを説明したところ、会社側の弁護士も納得してくれて、会社に損害賠償金を払うよう説得してくれました。 結果、障害等級14級としては高額の500万円にて示談解決をすることができました。 弁護士小杉晴洋によるコメント:業務中のケガ・後遺症については被害者側専門の弁護士にご相談ください 労災の障害等級の獲得や、会社との示談交渉などは、被害者側専門の弁護士に任せた方が良い結果になることが多いです。 業務中のお怪我や後遺症で悩まれている方は、無料で法律相談を実施しておりますので、お気軽にお問い合わせください。 労災事故のご相談の流れについては、こちらのページへ。 労災事故のお問い合わせについては、こちらのページへ。 --- > アルバイトに従事していたRさんは、業務中の労災で、腰椎圧迫骨折の怪我を負ってしまいます。依頼を受けた弁護士は一体どのような方法で、過失に争いがある中で、慰謝料満額解決に成功したのでしょうか?実際に解決した弁護士がポイントを解説します。 - Published: 2022-11-10 - Modified: 2022-11-15 - URL: https://workers-accident.jp/results/569 - タグ: 和解, 圧迫骨折, 安全配慮義務, 慰謝料, 業務災害 - カテゴリー: 11級, 業務災害, 腰椎, 骨折 このページでは、業務中の労災事故で腰椎圧迫骨折の怪我をしたRさん(50代・男性・アルバイト)の事例を実際に解決した弁護士が、 慰謝料満額で解決したポイントを解説します。 使用者(会社)には、会社の業務に従事する従業員(労働者)が、業務中に怪我をしたり、 病気になったり、亡くなったりしないように配慮をする義務があります。 「安全配慮義務」と呼ばれるその義務は、労働契約法第5条に規定されています。 労働契約法第5条「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。」 条文を見てもわかるように、安全配慮義務の内容はとても抽象的です。 これは、あらゆる会社のあらゆる事例に対応できるように、間口を広くとっているからですが、 逆にいうと、具体的な内容は、個別の事例について検討が必要になります。 ですから、使用者(会社)の側は、「今回の事故には会社としての安全配慮義務を尽くしていた。過失はない」 と主張してくる場合があります。 使用者側の過失がないとされると、被害者の過失100ということになり、損害賠償の請求はできません。 また、使用者(会社)は労災の交渉について、弁護士を立ててくることが極めて多く、 法律の知識がないと泣き寝入りすることになる可能性もあります。 そういった時に上手く示談金を得るためには、労災を熟知した被害者専門の弁護士の介入が必須といえるでしょう。 今回は労災事故被害者専門弁護士木村治枝が実際にRさんの事件をどのように解決したのかについて、ポイントを解説していきます。 小杉法律事務所では、労災事故被害者専門弁護士による無料相談を受け付けております。 労災事故でお困りの方はお気軽にお問い合わせください。 労災事故被害者専門弁護士へのお問い合わせはこちらのページから 弁護士木村治枝の詳細経歴はこちらのページから 業務上の労災で会社の安全配慮義務違反を主張する際のポイントは? 業務上の労災で労働者が怪我・病気・死亡などの損害を被ってしまった場合、 会社に安全配慮義務違反があったことを主張・立証する責任は原告(労働者)の側にあるとされています。 公務員の例になりますが、最高裁判所第二小法廷昭和56年2月16日判決 民集 第35巻1号56頁(航空自衛隊芦屋分遣隊事件)では、 次のように判示されています。 「国が国家公務員に対して負担する安全配慮義務に違反し、右公務員の生命、健康等を侵害し、同人に損害を与えたことを理由として損害賠償を請求する訴訟において、右義務の内容を特定し、かつ、義務違反に該当する事実を主張・立証する責任は、国の義務違反を主張する原告にある、と解するのが相当である。」 上でも述べましたが、安全配慮義務違反を主張しなければ、業務上の労災での、会社に対する損害賠償請求はできません。 ですから、ポイントを抑えて安全配慮義務違反を主張する必要があります。 ポイント① 事故発生時の状況を正確に把握する! 業務上の労災で会社の安全配慮義務違反を主張する際に最も重要なポイントは、 事故発生時の状況を正確に把握することです。 安全配慮義務の内容が、「労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。」なわけですから、 安全配慮義務違反については、事故時に「労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるような必要な配慮がなかった」と主張していくことになります。 法律上の文言の安全配慮義務は、あらゆる事案に対応するために抽象的な内容が設定されているだけにすぎませんから、 安全配慮義務違反を主張する際には、事案に応じた個別具体的な安全配慮義務を設定することが必要になります。 ここで、言わなければならないことは3つです。 「必要な配慮」の内容 「必要な配慮がなかった」ことにより、損害が発生したこと 会社は「必要な配慮」を講じることができたにもかかわらずそれをしなかったこと この3つについて的確な主張・立証をするためには、事故発生時の状況を正確に把握することが必要になります。 なお、3つ目の「会社は『必要な配慮』を講じることができたにもかかわらずそれをしなかったこと」というのは、 予見可能性や結果回避可能性と呼ばれるものです。 例えば高所での作業をメインで行う会社の場合だと、労働者に作業中はヘルメット・命綱の着用を義務付けたり、 毎日ヘルメット・命綱を着用しているかをチェックする体制を整えたりすることはその会社の安全配慮義務だといえそうです。 それは、高所での作業をメインで行う会社であれば、労働者が作業中に落下することは十分予見可能だからです。 ですので、先ほど挙げたような配慮を講じておらず、労働者が作業中に落下して怪我をしてしまった、というような場合には、 会社に安全配慮義務違反が認められるということになります。 一方で、一般企業の事務員が休憩中にビルの屋上でタバコを吸っていたところ、誤って転落して怪我をしてしまった、という場合はどうでしょう? その会社に対して、「ヘルメット・命綱の着用を義務付けたり、チェックする体制を整えていなかったのは安全配慮義務違反だ!」と主張することができるでしょうか? 主張するだけならできるかもしれませんが、認められる可能性はほぼ無いと思われます。 それは、会社は事務員が休憩中にビルの屋上に行って誤って転落する可能性まで予見できない(予見可能性がない)からです。 こういった場合には、会社に安全配慮義務違反は認められないでしょう。 お気づきの方もいるかと思いますが、この3つはお互いに密接にかかわっている部分でもあります。 予見可能性は必要な配慮の中身に直結しますし、配慮がなかったからといって、予見可能性がなければ会社の安全配慮義務違反が認められません。 3つの要件すべてについてしっかり主張・立証することが必要になります。 Rさんから依頼を受けた弁護士木村治枝は... --- - Published: 2022-10-30 - Modified: 2024-04-22 - URL: https://workers-accident.jp/results/561 - カテゴリー: 10級, 11級, 12級, 大腿・股関節, 膝, 通勤災害, 障害(補償)給付, 骨折 【歯牙障害・骨盤変形等】弁護士の指摘により診断書を修正したり新たに作成するなどして障害等級併合10級を獲得した事例 解決事例のポイント 医師は障害等級の専門家ではありません。医師の書いた診断書をそのまま提出したのでは適切な障害等級を得られないことがあります。 弁護士小杉晴洋の解説 Yさんは、通勤の際に事故に遭ってしまい、大腿骨骨折や膝蓋骨骨折などの傷害を負ってしまいます。 手術が成功し、骨はキレイにくっつくことになりましたが、痛みが残存していたため、障害等級の申請をすることになりました。 Yさんはお医者さんに障害診断書の作成をお願いし、作成してもらいますが、申請方法がよくわからなかったため、弁護士に依頼することにしました。 こちらでYさんの診断書などの医学的証拠を精査していたところ、診断書に記載のない、骨盤骨の変形や歯の損傷の事実が判明します。 医師に作成してもらった障害診断書に骨盤骨の変形について追記してもらい、また、歯牙障害については、整形外科の領域ではないため、新たに歯科医師に診断書を作成してもらいました。 これらの修正後の診断書と、新たな歯科医師による診断書を提出して申請したところ、歯牙障害で障害等級11級、骨盤変形で障害等級12級を獲得することができ、併合10級の判断を得ることができました。 病院の先生というのは医学のスペシャリストであっても、障害等級獲得のスペシャリストではありません。 病院の先生が書かれた診断書であっても、障害等級の対象となる傷病に漏れがあることがありますので、事故後の症状が完治しなかった被害者の方については、被害者側専門の弁護士に障害等級の相談をされることをおすすめします。 --- - Published: 2022-08-30 - Modified: 2024-04-18 - URL: https://workers-accident.jp/results/549 - タグ: 死亡事故 - カテゴリー: 業務災害, 死亡 作業現場に向かう途中で事故に巻き込まれ、死亡してしまったという業務災害事故に関する解決事例です。 加害者の側が捜査段階中において虚偽の供述をしていたこともあって、ご遺族の怒りは相当なものでした。 ご家族が死亡させられて、なおかつ、嘘の供述をして自身の責任を免れようとする態度を加害者がとっているとすれ、その怒りは当然のものといえます。 Dさんの件では、労災補償や損害賠償金額云々の前に、まず加害者に適切な刑罰を科さなければならないという視点で動きました。 具体的には、捜査担当の警察官や検察官と密に連絡を取り、起訴処分としてもらうことです。 そして、起訴された後は、刑事裁判に被害者参加をして、加害者の著しく不誠実な態度や、遺族の怒り悲しみを裁判所に伝えるということを第一目標としました。 捜査担当の警察官・検察官は、遺族サイドに対してとても協力的で、懸命に捜査をしてくれました。 カメラ映像から、加害者供述の嘘が暴かれ、起訴処分に至ることができました。 刑事裁判では、Dさんのご遺族は法廷に立って話すことができる精神状態ではなかったため、一緒に心情意見陳述の原稿を作らせてもらったうえで、弁護士小杉が遺族の意見書を代読いたしました。 傍聴席からもすすり泣く声が聞こえ、裁判官も意見陳述を聞き入ってくれていました。 遺族の声が届いたこともあり、被告人には検察官の求刑どおりの判決が下されました。 その後、民事裁判へと移行し、労災事故前の年収よりも高い基礎収入額の認定を受け、7400万円での和解解決となりました(大分地方裁判所)。 死亡事故は、専門弁護士による刑事・民事の介入で、結果が大きく変わります。 ご家族が、仕事中や通勤中に死亡事故に遭われてしまったという方は、無料相談を実施しておりますので、ご相談ください。 --- > 新聞配達中に起きた死亡事故の解決事例です。加害者サイドからは1円も支払わないと言われていましたが、現地調査や科捜研との連携によって、裁判にて過失割合を逆転させて勝訴しました。死亡事故は被害者本人が供述できませんので、専門の弁護士による客観的証拠の収集作業が重要となってきます。 - Published: 2022-08-30 - Modified: 2024-04-18 - URL: https://workers-accident.jp/results/550 - タグ: 死亡事故, 過失割合 - カテゴリー: 業務災害, 死亡 新聞配達員の方の業務災害事故(死亡事故)です。 Eさんは、いつものように原動機付自転車に乗り、朝刊を配達していました。 しかし、Eさんが交差点を右折する際、向かいから走ってきたバイクに衝突され、帰らぬ人となってしまいます。 直進車vs右折車の事故の場合、右折車の方が悪いとされますので、加害者の側は1円も賠償金額を支払うつもりはないという回答でした。 ご遺族は、近隣の弁護士事務所へ相談に行きますが、どこも「難しい」という話で依頼を断っていました。 そんな中で弁護士小杉の所へたどり着きました。 ご遺族の話を聞く限り、Eさんの性格上、無茶な運転をするような性格の方ではないと判断し、過失割合を覆すだけの具体的証拠はない状況でしたが、共に裁判で戦っていきましょうということになりました。 民事裁判による勝訴(横浜地方裁判所) 裁判前の準備 事故現場調査 提訴の前に、事故現場へと向かいました。 事故現場は、直線道路が長く続く幹線道路で、だいぶ先まで見える、見通しがとても良い道路でした。 大きな道路で、直線道路が長く続くことから、制限速度(時速50㎞)以上にスピードを出しやすい道路となっていて、特に新聞配達の時間帯である深夜・早朝は、通行車両も少ないことから、飛ばしている車やバイクが見られました。 これだけ見通しの良い道路ですと、Eさんとしては直進してくるバイクの存在に気付いたはずで、臆病で慎重なEさんが、右折を強行するとは考えられませんでした。 と同時に、事故の現場を見ることで、直進車両の速度オーバーが事故の原因ではないかという仮説が生まれます。 科学捜査研究所の見解(直進バイクに速度超過の事実があったことの判明) 調査したところ、加害者は不起訴処分となっていました。 不起訴処分の場合は、当事者の供述調書の開示が認められておらず、実況見分調書くらいしか入手できないことになっています。 検察への連絡をする中で、当該死亡事故の捜査に、科学捜査研究所(通称「科捜研」)が関わっていたことが判明します。 科捜研の担当者とアポイントをとることができたため、話をうかがってみると、この事故では、直進バイクが時速100㎞程度で走行していたとのことでした。 そこで、科捜研の見解を根拠に民事訴訟を提起しました。 裁判中のやりとり 被告の主張 被告からは、被告に速度超過があったとしても、時速100㎞とする主張には根拠がなく、せいぜい時速10㎞超程度の速度オーバーであり、右折進行車である原告側に大きな過失がある事案であるとの主張がなされました。 被告の主張の裏付けとして鑑定意見書も提出され、物理の公式など専門的な説明がなされた上で、原告側に大きな過失のある事案であるとの結論が記されていました。 また、死亡という大きな結果となってしまったのは、原告のヘルメットの性質のせいであり、また、装着方法が不十分であったことに起因するとの主張もなされました。 科捜研の報告書にて反論 被告側提出の鑑定意見書は難解なもので、素人には理解困難な内容となっていました。 そこで、提訴前に話をしていた科捜研の方に、この鑑定意見書を送ってみることにしました。 そうしたところ、当該鑑定意見書は内容が間違っている旨の報告書を作成してくださり、当方に送ってくれました。 科捜研の報告書によれば、直進車の速度は時速100㎞~115㎞であり、その時速を割り出した根拠を明確に示してくれています。 勝訴判決 Eさんは死亡しているため、尋問が行われることなく結審となりました。 そして、判決が出されました。 内容を見ると、 被告提出の鑑定意見書における速度の推計は相当でないから採用することができず、科捜研の報告書における速度の推計は、パラメータ(変数)に本件の各証拠から認められる数値を代入してされたものであり、相当であるとして、直進バイクの速度が時速100㎞~115㎞であったと推認され、制限速度である時速50㎞をはるかに超過していた。 被害者は、道路交通法第71条の4のヘルメット着用義務に違反しておらず,道路交通法施行規則9条の5第1号~第7号の乗車用ヘルメットの基準を満たしたヘルメットを装着していた との判決内容となっており、加害者サイドから言われていた過失割合の逆転に成功しました。 また、死亡慰謝料額や死亡逸失利益の額も、陳述書の提出などによって、裁判基準を超える額が認定され、全面的な勝訴判決となりました。 死亡事故は専門の弁護士に依頼するべき 死亡事故は「死人に口なし」という言葉のとおり、被害者が声を発することができないという特殊性があります。 ですので、客観的証拠の収集作業が他の労災事故よりも重要となります。 戦わずして諦めてしまったのでは故人も浮かばれませんので、労災死亡事故については、まずは専門の弁護士に相談されることをおすすめします。 --- - Published: 2022-08-30 - Modified: 2024-04-18 - URL: https://workers-accident.jp/results/552 - カテゴリー: 9級, 休業(補償)給付, 療養(補償)給付, 醜状, 障害(補償)給付, 顔 通勤災害にて顔に傷を負ってしまったGさんの解決事例です。 通勤災害の場合で、過失割合がない(=加害者が全面的に悪い)事例ですと、加害者サイドの保険会社から損害賠償金額を全額払わせればよく、労災を使うメリットというのは、特別支給金の支払程度となることが多いです。 しかしながら、本件事故では、加害者の側が「無保険」という特殊性がありました。 加害者の資力調査を行ったところ、主だった財産は見つからず、なんとかGさんの損害賠償金額を工面してもらわないといけません。 なお、加害者には破産申立てという選択肢もありますが、加害者が全面的に悪い事故でしたので、破産申立てをしたとしても、重過失の事故として非免責(=損害賠償債務はチャラにならない)という結果となります。 そこで、弁護士小杉が取った施策は、「労災の利用」と「労災との敵対」でした。 弁護士による「労災利用」戦略 Gさんご依頼を受けた後は、加害者の資産調査、Gさんの後遺障害の調査、Gさんの損害算定などを行いますが、資産調査の結果としては、強制執行を行ったとしても、損害賠償金額の回収は困難だなという結論に至りました。 そうすると、加害者から直接損害賠償金額を支払ってもらわないといけませんので、加害者の手元にあるお金はなるべく多く残しておいてもらった方が得策ということになります。 そこで、労災の対象となっていない「慰謝料」以外の損害費目については、なるべく労災から回収するという労災利用戦略を立てました。 療養給付、休業給付及び障害給付など、合計約1,000万円の金額を、労災保険から獲得することに成功しました。 弁護士による「労災との敵対」戦略 労災というのは、「第三者行為」といって、加害者の存在する労災事故においては「求償」請求を行ってきます。 Gさんの事例で置き換えれば、Gさんについて支払われた約1,000万円について、労働基準監督署から加害者に対して「1,000万円支払え」という求償請求がなされることになるのです。 のんびり事件処理をしていたのでは、労災と我々サイドとの、お金の取り合いとなってしまいますので、弁護士小杉としては、労災よりも先に損害賠償金額を回収することを目論んでいました。 まだ労災認定が出る前の時期ですが、Gさんに事務所にお越しいただいた際に、顔の傷の長さをメジャーで測らせていただいていたので、後遺障害等級9級の認定がなされる見込みはついていました。 そうすると、後遺障害慰謝料額は裁判基準で690万円となり、傷害慰謝料と合わせると810万円の算定が見込まれました。 一括で800万円なる金額を支払ってもらうのは困難が予想されましたので、加害者と事前に交渉をして、後遺障害等級が出る前の段階であらかじめ、現在用意できる最大額である約200万円を振り込んでもらいました。 それ以上の金額は加害者が当時の時点では支払うことができなかったのと、やや線状痕が薄かったため、後遺障害等級9級の認定も確定的ではなかったことから、その余の慰謝料金額は労災の後遺障害等級認定の後に行うこととしました。 見立てどおり労働基準監督署より後遺障害等級9級の11の2の認定がなされましたので、その後すぐに加害者との示談交渉を再開させました。 労災の求償請求よりも前に解決をする必要があったためです。 慰謝料残額が約600万円ほどありましたので、一括の支払は難しい状況にありました。 ただし、細かな分割としてしまうと、結局は労災の求償請求と競合してしまいますので、百万円単位の分割で何とか慰謝料金額の工面をしてもらうことで話をつけました。 分割支払いとなると、約束したものの、「やっぱり用意できなかった」といった事態を招く可能性があるため、加害者に公証人役場まで出向いてもらって、公正証書による示談書を取り付けました。 なお、公証人役場への出席は、弁護士による代理が可能ですので、労災被害者の方に直接出向いていただく必要はありません。 公正証書の甲斐あり(公正証書どおりに支払わなかった場合、民事裁判を経ることなく強制執行が行えます。)、無事に、慰謝料金額が全額振込まれました。 労災は味方にも敵にもなり得るので弁護士の手を借りて上手に利用しましょう 労災は、業務災害事故や通勤災害事故の被害者にとって、療養(補償)給付・休業(補償)給付・障害(補償)給付などを支給してくれる味方の存在です。 ただし、公平な立場でもありますので(事例によっては加害者・会社寄り)、上手く利用しないと味方になってくれません。 また、味方になってくれたとしても、ずっと味方でい続けてくれるわけではなく、本件事故のように加害者の資産を回収しようとする動きを見せてきます。 これは労災被害者にとっては、敵対行為そのものです。 労災は味方にも敵にもなり得ますので、専門の弁護士に依頼をして上手に利用しましょう。 弁護士法人小杉法律事務所では、弁護士資格のみならず社会保険労務士資格も有する木村治枝が、労災を専門的に取り扱っておりますので、まずは無料相談をお試しください。 --- - Published: 2022-08-30 - Modified: 2024-04-18 - URL: https://workers-accident.jp/results/560 - カテゴリー: 1級, 業務災害, 脳, 障害(補償)給付, 高次脳機能障害 【高次脳機能障害】労災事故からしばらくして脳梗塞の発症をしたケースで、医師の意見書を取り付け障害等級1級を獲得した事例 解決事例のポイント 脳外科医との医師面談を実施して、意見書を作成し、高次脳機能障害1級を獲得 相談前 Pさんは60代の自営業男性です。 仕事で車を運転していたところ、一時停止無視の車に衝突されてしまい、脳挫傷や肋骨骨折の大怪我を負ってしまいます。 Pさんは手術後の懸命のリハビリによって、なんとか退院できる程度にまで回復しますが、その後、脳梗塞となり、再度入院をして、寝たきりの状態になってしまいました。 加害者の保険会社担当者は、寝たきりの状態となってしまったのは、交通事故の後の脳梗塞によるもので、事故とは関係が無いと主張してきました。 自賠責保険の判断も、脳萎縮の進行が一度止まった後に、脳梗塞後にまた進行が進んでいることからして、脳梗塞後の症状は交通事故との相当因果関係が認められず、高次脳機能障害の程度としては5級に該当する(他の後遺障害と合わせて併合4級)との判断がなされました。 Pさんのご家族はどうしたらよいのか分からず、弁護士に法律相談することにしました。 脳外科医との医師面談の実施 非常に難しい事案であることから、まずはPさんの入院記録など医学的な証拠をすべて取寄せるところからスタートしました。 膨大なカルテ量でしたが、それらをすべて分析した上で、脳外科医の見解を得ることにしました。 総合病院の脳外科医師と自賠責保険の後遺障害等級認定理由について打合せをしたところ、事故の後にしばらく経過してから脳萎縮の進行が認められる症例は散見するところであり、脳萎縮の進行具合のみからPさんの高次脳機能障害の因果関係を否定する自賠責保険の判断は誤りである旨の意見を得ることができました。 また、Pさんの経過からして、交通事故以外にPさんの高次脳機能障害の症状の悪化は説明できないとの意見を得ることができました。 そこで、医師から伺った内容をこちらで整理して医学的意見書のたたき台を作成し、それを当該脳外科医の先生にチェックしてもらい、署名と押印を頂くことができました。 労災申請による障害等級1級の獲得 自賠責保険の判断は高次脳機能障害5級というものでしたが、Pさんは自営業者であるものの、労災保険特別加入をしていたため、労災が使えることが判明しました。 そこで、労働基準監督署に対して障害給付の申請を行うことにしました。 脳外科医の意見書に加え、弁護士の意見書も添えて、障害給付の申請をしたところ、高次脳機能障害で1級を獲得することができました。 民事裁判 横浜地方裁判所小田原支部 労働基準監督署の高次脳機能障害1級の認定を元に交渉をしましたが、相手方としては自賠責保険の後遺障害等級併合4級に依拠するとの回答でしたので、裁判をすることにしました。 裁判では、自賠責保険の高次脳機能障害5級の判断が誤りであることを脳外科医の医学的意見書から立証をし、労災の高次脳機能障害1級の認定が正しいことを主張していきました。 事前に裏付けとなる証拠を揃えていたことから、裁判官も原告側の主張を認めてくれて、後遺障害等級1級の和解をすることができ、解決となりました。 弁護士小杉晴洋のコメント:適切な障害等級の獲得は専門の弁護士でなければ困難です Eさんは寝たきりとなってしまいましたので、高次脳機能障害5級の症状ではありませんでした。 事故の前は元気だったEさんですから、寝たきりの症状となることが交通事故以外に無いことの立証を行えば、症状に応じた後遺障害等級の認定を得ることができます。 そして、その判断は、医学的な証拠に基づく必要がありますので、専門医のサポートを受けなければ実現できません。 当事務所では医師面談の実施や意見書の作成など医学的な証拠による裏付けに力を入れていて、障害等級の獲得を得意としています。 労災事故に遭い後遺症を残してしまったという方については、まずは被害者側専門の弁護士に相談されることをお勧めいたします。 --- > 通勤途中の交通事故で大怪我をしたBさんに、弁護士は労災保険の利用を提案します。最終的にBさんは、労災保険の利用で300万円以上示談金を多く受け取れました。なぜでしょう?労災保険利用のメリットを、労災被害者専門弁護士が解説します。 - Published: 2022-08-26 - Modified: 2024-04-18 - URL: https://workers-accident.jp/results/534 - タグ: 休業給付, 特別支給金, 療養給付, 通勤災害, 過失割合 - カテゴリー: 6級, 休業(補償)給付, 療養(補償)給付, 通勤災害, 骨折 通勤の途中に交通事故に遭い、大怪我を負ってしまったBさん(30代・男性・会社員)。弁護士に相談したところ、弁護士から通院に際して労災保険を利用した方が良いと提案を受けました。Bさんは最終的に約7000万円の示談金を獲得しますが、労災保険を利用していなければ、300万円以上少ない示談金しか獲得できませんでした。なぜでしょう?労災保険利用のメリットを、労災被害者専門弁護士が解説します。 【労災利用のメリット①】治療費の過失分が無かったことになる!? そもそも被害者にも過失がある場合の通勤災害の治療費は誰が払うのか? 被害者の側が無過失の通勤災害の場合、治療費全額が加害者(多くの場合加害者の保険会社)の負担になることは言うまでもありません。 事故発生の原因が100%加害者にあり、事故の治療費も100%加害者のせいで発生したわけですので、100%加害者側に支払って貰うのは当然です。 ですが、被害者の側にも過失がある場合ではどうでしょうか? Bさんは、前方の信号が青の交差点を、原付バイクで走行中に、右折してきた対向車に衝突されるという交通事故に遭いました(通勤災害)。 交通事故の過失割合の議論は、長年の事件処理の積み重ねにより体系化されていて、明確な基準が存在しています。 それが、東京地裁民事交通訴訟研究会編別冊判例タイムズ38号「民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準」(全訂5版)という本にまとめられており、交通事故事件処理の実務上では圧倒的な影響力を持っています。 Bさんの場合もこの本の類型をもとに過失割合が決定され、Bさん15:加害者85の過失割合となりました。 つまり、Bさんも本件交通事故の発生に15%の過失があるという事ですから、加害者の側からすれば、Bさんの治療費を100%負担するのはおかしい、加害者の落ち度である85%の限度でしか治療費は負担しない、と主張することになり、それは合理性があります。 ですが、例えば1回の治療で1万円の治療費がかかった時に、8500円を加害者側に請求し、1500円をBさんが払うということになるかというとそうではありません。 厳密に言えばそうなのですが、それでは病院は治療するごとに請求書を加害者側用とBさん用に2部作る必要があるなど、事務処理が煩雑になります。 そこで、実務上の交通事故における治療費の支払いは、加害者の任意保険会社が対人設定をしている場合には、ひとまず治療費の全額を任意保険会社が支払い、示談交渉(または裁判)の際に、損害賠償金(慰謝料など)から既に支払った治療費の過失分を差し引くと言う形で行われています。 同様に、慰謝料や休業損害、逸失利益なども、一度無過失の場合で損害賠償額を計算し、そこから被害者の過失分を差し引くという運用がされています。 労災保険(療養給付)を使うと治療費の過失分が差し引かれない 上で述べたように、過失が15%あったBさんは、労災保険を使っていなければ、加害者側に一旦全額払ってもらった治療費の内の15%を、慰謝料などその他の損害費目から差し引かれるはずでした。しかし、労災保険を使ったことにより、その差し引きが為されませんでした。 それは、「費目間流用の禁止」という考え方によるものです。 「費目間流用の禁止」とは、当該給付につき控除が認められるのは当該給付との同一性を有する損害費目に限り、同一性を有しない損害費目からの控除は認められない、ということです。 少し複雑な内容なので、表を使いつつ見ていきましょう。 上の表は、通勤災害に遭った際に、加害者側に対して請求することができる一般的な損害の費目とその内容を示しています。そして、それらが損害賠償請求上どういった分類がされ、対応する労災給付が何かを示しています。 同一性を有するとは、この表上で対応するということで、受け取った労災給付は、対応する損害費目の賠償金からしか控除されません。Bさんを例に、もう少し深く見ていきましょう。 例えば今回のBさんのように、治療費を労災の療養給付を利用した場合、治療費の全額(100%)は労働基準監督署が支払います。 この時Bさんは、当然自分の過失分である15%も含めて労働基準監督署に支払って貰っています。 治療が終了し、示談交渉に入ると加害者側は「労働基準監督署に支払って貰った治療費の15%は、本来Bさんが自分で支払うべき部分なのだから、その他の費目から差し引きすべきだ」と主張したいのですが、それは出来ません。 なぜなら、療養補償給付が対応する(同一性を有する)のは、治療費に限るからです。※ 療養給付は、療養補償給付に関する労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)の第13条の規定を準用しており(労働者災害補償保険法第22条2項)、そこでは以下のように定められています。 「第十三条 療養補償給付は、療養の給付とする。 ② 前項の療養の給付の範囲は、次の各号(政府が必要と認めるものに限る。)による。 一 診察 二 薬剤又は治療材料の支給 三 処置、手術その他の治療 四 居宅における療養上の管理及びその療養に伴う世話その他の看護 五 病院又は診療所への入院及びその療養に伴う世話その他の看護 六 移送 ③ 政府は、第一項の療養の給付をすることが困難な場合その他厚生労働省令で定める場合には、療養の給付に代えて療養の費用を支給することができる。」 この法律にも規定されている通り、療養給付は、「療養」=治療の為の給付なのですから、それ以外の休業や、逸失利益と言った損害の為の給付ではありません。それを、自分の過失分多く受け取っているからと言って、別の損害費目から差し引くことはできないのです。 この「費目間流用の禁止」の考え方により、Bさんは無過失の場合と同様の治療費の対応を受けることができました。 ※療養給付が治療費に対応することに対する異論はないですが、付添費や通院交通費などにも対応するかについては様々な議論があり、対応するとする裁判例も、対応しないとする裁判例もありま... --- ---